映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「グイン・サーガ 135 紅の凶星」 五代ゆう

2015年02月26日 | グイン・サーガ
詰め込みすぎ?

紅の凶星 (ハヤカワ文庫JA)
天狼プロダクション
早川書房


* * * * * * * * * *

イグ・ソッグの体をもってヤガの神殿に潜入したブランは、
その深奥でおのれの眼を疑うような、ミロクの神秘を体験する。
一方、クリスタルの災厄から逃れたリギアたちに迫る
不吉な足音の正体は?
そしていまだクリスタルに居座るイシュトヴァーンを
諌めるためにやってきた、宰相カメロンに襲いかかる忌まわしき敵とは?
さらに一方、スーティとスカールの、
黄昏の道を往く旅の行方に待つものは?
謎が謎を誘う幻惑の物語。

* * * * * * * * * *

さて、新作が出ましたねえ。
本巻は、色々なシーンがめまぐるしく交差していきます。

★前巻、その展開に思わずのけぞり、ぎゅっと引きつけられた、ブランのその後。
 ヤガでの出来事ですね。
 ミロクの中心部で一体何が起こっているのか。

★クリスタルから脱出したリギア、マリウス、
 そしてアッシャの魔導の力を制御する訓練を始めたヴァレリウス。
 しかし、アッシャの憎悪の力は暴発する危険も潜んでいて・・・

★パロの街をめちゃくちゃにしたイシュトヴァーンのもとに、
 ようやく辿り着いた宰相カメロンは、
 もうこんなことはやめて、故郷に帰って楽しく暮らそうと言うのでしたが・・・

★黄昏の国をゆく、スーティとスカール。
 思わぬ危機に襲われるが・・・


うーん、確かに見どころいっぱいなんだけどね・・・
なんだか先を急ぎすぎというか、詰め込みすぎというか。
 欲張りすぎというか。
もう少しじっくり進めてもいいのじゃないかなあ、という気はしました。
あっちもこっちも危機一髪では疲れてしまうよね。
 そんな中でも一大事は、あんた、なんとカメロンが!!
きゃー、ヒトゴロシー!!
いいの、ほんとにいいの?こんなことしちゃって。
 もう誰もイシュトを止められないじゃないの。
いや、もう誰も五代ゆうさんを止められないって感じ?
やっちゃったねえ・・・、ホントに。
パロの災厄はいつまで続くのか・・・


リギアとヴァレリウスのところは、なんとなくユーモラスタッチなのは、
 まあいいかという気はするね。

それと、最後のスーティとスカールのシーンには泣かされちゃいました。
スカールの最愛の妻リー・ファとのシーンだね。
 確かに、ここはシビれる。
結局この二人はどっちに行こうとしてるんだろう?
うーん、それは予想がつかないね。
 どこか思いもよらないところにつながっていくんじゃないかな。
 まあ、先を楽しみにしますか。
もう面倒臭いからやめようかなんていってたくせに・・・。
イヤもうグインの新刊を買うのは殆ど習慣なんで。
 けどやっぱり外伝は「パス」させてもらってます。

「グイン・サーガ 135 紅の凶星」五代ゆう ハヤカワ文庫
満足度★★★☆☆


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