京のたんぽぽ日記

夫婦共にリタイヤした後の生活を
大好きな旅行を中心に綴っていきます。

北欧旅行14 オスロ国立美術館ムンクの叫びとその生涯

2015-09-29 11:16:00 | 海外旅行2015 12月北欧4か国

昨日は、私の61歳の誕生日でした。

近くのイタリアンのお店で主人がごちそうしてくれました。
いつもよく行くお店なのですが、

ちゃんとバースデー予約をしてくれていて
キャンドル付きのデザートが届けられ、
皆さんにおめでとう~の拍手をしてもらってびっくり。

え~~こんなんしてくれてたんや。。というと、
そうやで~と、ちょっと得意顔の主人。
嬉しいサプライズでした。

 私の61歳誕生日


 

さて、北欧旅行13 ノルウェー・オスロ・王宮・国立美術館の続きです。

素晴らしき北欧4ヵ国周遊ハイライト行程
1フィンランドへ出国・ヘルシンキ市内観光1 2フィンランド・ヘルシンキ市内観光2
3フィンランド・ベストウエスタンプラスハーガホテル 4ノルウェーベルゲン市内観光
5ノルウェー・ベルゲン世界遺産ブリッゲン地区 6ハダンゲルフィヨルドブラカネスホテル
7ノルウェー・ウルヴィック散策~ツヴィンデの滝 8ノルウェー・フロム山岳鉄道の旅
9ノルウェーソグネフィヨルドクルーズ  10ソグネフィヨルドスタルハイムホテル
11ノルウェー・スターブ教会・オスロへ  12ノルウェー・オスロ・フログネル公園
13オスロ・王宮・国立美術館  14オスロ国立美術館ムンクの叫びとその生涯
15大型客船DFDSシーウェイズ1 16大型客船DFDSシーウェイズ2
17デンマーク・コペンハーゲン人魚姫の像 18コペンハーゲン・カステレット要塞
19コペンハーゲン・アマリエンボー宮殿   20 デンマーク・ニューハウン地区
21ストロイエ・ロイヤルコペンハーゲン 22デンマーク・昼食スモーブロー・ホテル
23デンマーク・チボリ公園    24デンマーク・クリスチャンボー塔からの眺め
25ストロイエショッピングと夕ご飯 26デンマーク~スウェーデン国際特急SJ2000
27スウェーデン・ストックホルム市庁舎 28スウェーデン・ストックホルム市内バス観光
29スウェーデン・ガムラスタン・ノーベル博物館 30ガラムスタン散策・夕ご飯
31スウェーデン・ホテル・スーパー・スカイビュー  32 帰国・お土産


7月9日(木)

エドヴァルド・ムンクルーム

そして、いよいよムンクの作品が並んだムンクルームへ。

ムンクが描いた絵画作品「叫び」は、実は5点以上あるそうなのですが、
その中でも、このオスロ国立美術館所蔵の油彩画は一番有名なのだそう。

ただ。。

オスロ国立美術館で、このムンクルームだけが写真撮影禁止なのです。

1994年のリレハンメルオリンピックの時、
ムンク「叫び」油彩画が盗難にあったり、

その10年後の2004年にも、ムンク「叫び」テンペラ画と、
ムンク「マドンナ」が強盗団に強奪されてしまったりで
この部屋の警戒はちょっと厳しい様です。

といっても、特別ピリピリした感じはありませんでしたが。。

ムンクの叫び(1893 油彩 91cm × 73.5cm )

そして、これがムンクの叫びです。

。。といっても、写真が撮れないので、これはネットから
貰ってきたものです。 

 

私、今まで、叫びというタイトルから、
この人物が何かを叫んでいるのだとばかり思っていましたが、

実は、そうではなく、
夕暮れ時に突然の幻聴・幻覚に遭遇したこの人物が、
恐怖の為耳に手を当て、懸命に不安と戦い、
果てしない叫びを聴いている様子を描いているのだと聞いて
びっくりでした。

しかも、この人物の幻覚・幻聴は、
実際にムンクが体験したものだそうで、

ムンクの日記には、この時の様子が、
次の様に記されているそうです。

「私は2人の友人と歩道を歩いていた。
 太陽は沈みかけていた。
 突然、空が血の赤色に変わった。
 私は立ち止まり、酷い疲れを感じて柵に寄り掛かった。
 それは炎の舌と血とが青黒いフィヨルドと
 町並みに被さるようであった。
 友人は歩き続けたが、私はそこに立ち尽くしたまま
 不安に震え、戦っていた。
 そして私は、自然を貫く果てしない叫びを聴いた。」

なるほど、この絵の状況そのものですよね。。
ムンク自身の心の苦しさ葛藤をこの絵は表していたのですね。。


 「マドンナ(Madonna)」 1893-94年

ムンクルームには、ムンクの叫び以外に、
彼が心血を注いだ連作「生命のフリーズ」の
何点かが飾られています。

オスロ国立美術館は、ムンクの作品に関しては、
世界屈指のコレクションを誇っているそうですよ。

「生命のフリーズ」の中の一つ、別名「受胎」とも呼ばれる
マドンナ。

2004年強盗団に盗まれたこの絵は、
2006年オスロ警察によって回収され、
修復後また、展示されるようになったようです。


「病室での死(Death in the Sickroom)」1893年

5歳で母を、14歳で姉をともに結核でなくしたムンクは、
ムンク自身体が弱く、
小さなころから常に死を意識して生きてきました。

この絵は、死の直前にあるムンクの姉に対する
家族のさまざまな思いと表情を描いています。

無表情に正面を向く女性は、その後長い間精神病院に入院した妹ラウラ。
背をまるめて悲しみをこらえているのは、一番下の妹インゲル。
戸に手をかけ、うなだれているのは、結婚後わずか6ヵ月後
30歳で死亡した弟。

祈っている老人が父親で、その横の女性が母代わりの叔母。
そして、真中の白い顔の青年がムンクだそうです。 

ムンクの生涯

ムンクの生涯についてもう少しお話すると。。

医師であった父親もムンクが29歳の時に死に、
唯一健康な家族は、一番下の妹インゲルだけだったといいます。

ムンクは日記に

「病と狂気と死が、私の揺りかごを見守る黒い天使たちだった」
と書いています。

本来、一番温かくて頼りになり、
そこにいるだけで安心してほっとするはずの家族が

病気と死と狂気に蝕まれてしまっていたムンクの家族。。

誰でも、この様な状況の中で心の平衡を保てる訳が
ありませんよね。。

ムンクも心の安定を欠き、その不安や恐怖の心を
落ち着ける方法として絵画に没頭していったようです。

若いころのムンクは、端正な顔立で長身、
町を行けば女性が振り返るほどの美青年であり、
数多くの浮名を流したとも言われています。

でも、39歳の時、婚約者の富豪の娘が
なかなか結婚してくれないムンクに対して起こした
銃の暴発事件で、ムンクは左中指の第一関節から
先をなくしてしまいます。

元々、病弱で精神不安であったムンクは、
この銃暴発事件以後、女性を恐れ
ますます神経を病んでいったようです。

こんなに辛い生い立ちや心の冷える出来事の続くムンクの人生、
絵を描く時だけが唯一自分の心をさらけ出し、
救いを求める事の出来る時間だったのでしょう。

 

ただ、多くの画家がその感受性の鋭い心故自ら死を選んだ中、
ムンクは生きて、しかも、後世のムンクの作品は、
自分の病や悩みを乗り越えようとするかのように
だんだん作品に明るさを取り戻したと聞きます。
オスロ郊外に自宅を買い、名声も上がっていったと。

でも、そんな中でも、やはり心を閉ざし続けたムンクは、
人の中に入っていけず、80歳の孤独な生涯を閉じるのです。

正直言って、ムンクと言えば「叫び」としか知らなかった私は、
オスロ国立美術館に行かなかったら、
おそらく一生画家ムンクの生涯を知らなかっただろうし、
知ろうともしなかったと思います。

一枚の絵から、一人の画家の一生を垣間見ることができ、
絵画は絵そのものだけでなく、その絵が描かれた背景や
画家の思いを知ることが大切なんだと感じた
オスロ国立美術館でした。 

カール・ヨハン通り

さて、オスロ国立美術館を出ると、そこは、
青空に昼の光がまぶしい表通り。

オスロ中央駅から王宮まで約2キロ続く歩行者天国、
オスロのメイン通り、カール・ヨハン通りです。 

たくさんのレストランやショップがあって、
いつも人でにぎわっている通り。

国会議事堂やオスロ大学などのオスロの観光スポットも
カール・ヨハン通り沿いに並んでいるんですよ。

 国会議事堂

バスに乗って移動中見た、カール・ヨハン通り沿いの
国会議事堂。

ネオ·ロマネスク様式円形デザインの素敵な国会議事堂です。

国会前の広場は市民にも開放されていて、
時には、ミニコンサートのようなイベントも行われるようです。

ノルウェー国章のデザインでもあるライオン像がしっかりと
国会議事堂を守っていますね。

地下鉄とレストラン

オスロの地下鉄はT-Beneと呼ばれており
オスロの全部で6路線あります。

地下鉄と言っても、多くが地上を走っているのだとか。。

レストランのテラス席で食事をする人達です。
スーツ姿でも、こういうテラス席でお食事を楽しむんですね~。

それだけ、太陽の光は大事ということなのでしょうね。

 こんな素敵なテラスレストランも。。

これから、始まるのでしょうか。。
こんなところで食事してみたいな~。

 オスロ市庁舎

そして、最後に、これがノーベル賞平和賞の授賞式が行われる
オスロ市庁舎です。

ノーベルの遺言によって、ノーベル平和賞だけがここで授与されるんですよね。

中に入ると、天気が良い日には、大きな窓から入り込む光がとても綺麗で
そこから眺めるオスロフィヨルドも素敵だと聞きます。 

また、絵画や調度品の数々、カーテン刺繍など、
専門家達により厳選された物が集まり、まるで美術館のようだとも。

私達は、車窓から建物を見ただけで、中に入れなかったのが残念でした。

大型船でデンマークへ

さて、本日この後、私達は、オスロ港から大型客船DFDSシーウェイズに乗って
デンマークまで行く予定なのです。

ノルウェーからデンマークということで、出国手続きや乗船手続きなど
色々と手続きが大変なことや、 

 

ほんの1分でも乗船が遅れたら大型船に乗れない事などを、
添乗員さんから何度も聞かされていました。

でも、ちゃんと港には現地のガイドさんが待っていてくれて
用意してくれていますから。。と、言われていたのですが。。

いざ、港に行ってみたら大変な事に。。

 北欧旅行15 大型客船DFDSシーウェイズ1へ続きます。

 

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2 コメント

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小梅さんへ (たんぽぽ)
2015-10-01 11:04:34
ありがとうございます。
まさか、バースデー予約してくれているとは
思わなかったので、本当にサプライズでした。

知らない方も拍手して下さって、なんだか照れますよね。でも、嬉しかったです。
昨日は、友人も誕生会を開いてくれたんですよ。
このお店が、ほんと素敵で。。また、いつかご紹介しますね。

ムンクのお話。そうですよね。
作品の叫びしか知らないし、
この人が叫んでいるんだ。。なんて私は思ってました。

ほんと、画家の人生を知った上で作品を見るのと
知らなくて ただ作品を見るのとでは全然違いますよね。
本当はもっと勉強してから行けばいいのですが、
なかなかそうできないのが残念です。

返信する
Unknown (小梅)
2015-09-30 23:35:09
改めまして お誕生日おめでとうございます。
バースデー予約、ご主人さま~さすがです♪
皆さんからの おめでとう~の拍手やキャンドル
つきのデザート、バースデー気分が盛り上がり
ますよね。
嬉しいサプライズでステキなお誕生日ですね~

ムンクのお話。
全く知りませんでした。
作品の叫びのインパクトが強すぎて
ムンクと言えば叫び。。それだけで納得して
ました。
ムンクの作品には彼の抱えている様々な事や
彼の思いが描かれているのでしょうね。

ムンクの人生を知った上で作品を見るのと
知らなくて ただ作品を見るのとでは きっと
大きな違いがあるのでしょうね。
それだけ、一枚の絵に魂を込めて描いている
のだなぁと思います。

絵画は絵そのものだけでなく、その絵が描かれた背景や画家の思いを知る事が大切~
私もその通りだと思います。
その画家が伝えようとしてるメッセージを
感じ取れたいいなと思います。
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