訪問日:10月3日(土)17時35分
川越駅西口から宝くじ売り場より左へ線路沿いに奥まった位置にあるお店。店内へ入る前に引き戸手前に目立たぬように立ち、ガラス越しで遠目に見えている券売機をじっと眺め、目当ての『濃厚とりそば』の押釦に”売り切れ”の赤いランプが点灯していないかを確認する。よし滅灯!今日は大丈夫。と確信を持っていよいよ中に入り、食券を購入。若い店員さんに渡すと、「濃厚とりそば!」と勢いよく声で作り手に合図を発した。すかさず作り手側が「あと残り2杯!」と切り返すように狭い店内に周知を走らせる。結果あやうく再度食い逃すか逃さないか微妙なタイミング。ギリギリでも今夜はなんとかありつけるのだという安堵感が全身に伝わってきた。
出された一杯を眺めて、鮮やかな黄白色はまさに上品さ漂う濃厚ポタージュよろしく、とろみ感がもろに伝わる上質スープが目を引く。最初ひと口啜ると、なるほど鶏肉を15時間炊き上げたというだけあって完成形を完璧に見越した乳化作用が施されていて塩辛くもなく、脂分ほどほどのベッタリ感もなく、これはもう食べていて感動の連続、見事というほかなく心が乱れっぱなしになってしまった。
海苔が一枚、小葱と白ネギ、白胡麻が少々。メンマではなくてタケノコが食感として印象深く、トロリしたチャーシューも何気に主張がある。これら役者は揃っていても、やはりこの鶏スープの存在感がずば抜けていてその寛大さ、深淵さが際立っている。細い縮れ麺が余計かぼそく映ってくるがそれは必然で、そうなってしまうだろう。
付け合わせの高菜と紅しょうがが不思議な存在となっているのだけれど、つまりだからといって九州の豚骨ラーメンに変化を遂げるということもなしで、アクセントだけの役割は決して必要不可欠というものでもない。
それでも、今の一店十色の時代に、塩専門という自ら振り幅を狭めた、常に難問をつきつけられてしまうような看板を掲げていても、この「濃厚とりそば」という傑作がある限りにおいては作り手たちの自信の表情とお店の安泰が崩れることは全く持って皆無と言える、そんな絶品のラーメン食べることができた。喝采の思いでお店を出てきたのだった。
川越駅西口から宝くじ売り場より左へ線路沿いに奥まった位置にあるお店。店内へ入る前に引き戸手前に目立たぬように立ち、ガラス越しで遠目に見えている券売機をじっと眺め、目当ての『濃厚とりそば』の押釦に”売り切れ”の赤いランプが点灯していないかを確認する。よし滅灯!今日は大丈夫。と確信を持っていよいよ中に入り、食券を購入。若い店員さんに渡すと、「濃厚とりそば!」と勢いよく声で作り手に合図を発した。すかさず作り手側が「あと残り2杯!」と切り返すように狭い店内に周知を走らせる。結果あやうく再度食い逃すか逃さないか微妙なタイミング。ギリギリでも今夜はなんとかありつけるのだという安堵感が全身に伝わってきた。
出された一杯を眺めて、鮮やかな黄白色はまさに上品さ漂う濃厚ポタージュよろしく、とろみ感がもろに伝わる上質スープが目を引く。最初ひと口啜ると、なるほど鶏肉を15時間炊き上げたというだけあって完成形を完璧に見越した乳化作用が施されていて塩辛くもなく、脂分ほどほどのベッタリ感もなく、これはもう食べていて感動の連続、見事というほかなく心が乱れっぱなしになってしまった。
海苔が一枚、小葱と白ネギ、白胡麻が少々。メンマではなくてタケノコが食感として印象深く、トロリしたチャーシューも何気に主張がある。これら役者は揃っていても、やはりこの鶏スープの存在感がずば抜けていてその寛大さ、深淵さが際立っている。細い縮れ麺が余計かぼそく映ってくるがそれは必然で、そうなってしまうだろう。
付け合わせの高菜と紅しょうがが不思議な存在となっているのだけれど、つまりだからといって九州の豚骨ラーメンに変化を遂げるということもなしで、アクセントだけの役割は決して必要不可欠というものでもない。
それでも、今の一店十色の時代に、塩専門という自ら振り幅を狭めた、常に難問をつきつけられてしまうような看板を掲げていても、この「濃厚とりそば」という傑作がある限りにおいては作り手たちの自信の表情とお店の安泰が崩れることは全く持って皆無と言える、そんな絶品のラーメン食べることができた。喝采の思いでお店を出てきたのだった。