夕暮れが何かを告げたように思えた。
でもそれは色のない微風だったから
僕には知る由もなかった。
銀座の裏通りの一角で
あの灯りの下で佇んでいた老人は
今頃どうしているだろう。
その老人を冷たく包み込む
夜の語りのようなものに
僕は自らの運命を投射してみた。
新しい季節が開く
たとえ白い月が呼んでいようとも
僕はそこへは辿りつけないだろう
歩みは遅々にして進まない。
そんなときは広大で黄金色に揺れる稲穂を想う。
そこには様々な色鮮やかな風が吹いていることだろう。
確実に過ぎゆく季節のあるひとつの場面に出会ったときに
涙ぐむほどの心情が残っていたら幸せだ。
でもそれは色のない微風だったから
僕には知る由もなかった。
銀座の裏通りの一角で
あの灯りの下で佇んでいた老人は
今頃どうしているだろう。
その老人を冷たく包み込む
夜の語りのようなものに
僕は自らの運命を投射してみた。
新しい季節が開く
たとえ白い月が呼んでいようとも
僕はそこへは辿りつけないだろう
歩みは遅々にして進まない。
そんなときは広大で黄金色に揺れる稲穂を想う。
そこには様々な色鮮やかな風が吹いていることだろう。
確実に過ぎゆく季節のあるひとつの場面に出会ったときに
涙ぐむほどの心情が残っていたら幸せだ。