Microsoft 365 徹底活用術。②

○ 365のExcelに用意された「データ分析」機能、専門知識がなくてもグラフを自動作成。

Microsoft 365のExcelには「データ分析」ボタンが用意されている。これを利用すると、集計データを自動的に分析をして、適したグラフやピボットグラフ、ピボットテーブルなどを提案してくれる。データ分析が得意でない人やデータ分析に時間をかけられない人にとっては便利な機能だ。今回は「データ分析」ボタンの使い方を紹介しよう。

なお、本連載ではMicrosoft 365 Business Standardのプランで、主にWebブラウザー経由で動作を確認している。Officeやアプリ、Edgeのバージョンによっては、ここで説明する機能が使えなかったり、画面が異なったりする場合がある。

集計結果を自動的に表示してくれる。

「データ分析」ボタンは、Microsoft 365のExcelの「ホーム」タブに用意されている。集計データから傾向やパターンを自動的に判断して、その分析結果をピボットテーブルやピボットグラフなどで表示する。元々は「アイデア」と呼ばれていた機能が名称変更されたものだ。

画1、集計データからデータの傾向を読み取り、その分析結果を一覧で表示する。一覧から選択するだけで挿入可能だ。

「データ分析」ボタンから分析結果を確認する。

操作はシンプルで、集計データを用意して「ホーム」タブの「データ分析」ボタンをクリックするだけだ。分析結果は集計データによって異なり、機能自体も常に改善されているため、実行するタイミングによって表示される結果が異なる場合もある。

画2、集計データを選択して、「ホーム」タブの「データ分析」ボタンをクリックすると、右側に「データ分析」作業ウィンドウが表示され、集計データによって提案してくれる結果が表示される。

 

画3、集計データによって順位を付けたり、数値を円グラフで表したりできる。他にも、外れ値（極端に異なる数値）や相関関係、データの傾向を表す分析結果が表示される。

 

画4、作業ウィンドウには複数の結果が表示される。表示されていない複数の提案がある場合は、画面をスクロールすると、「●個のすべての結果を表示」が表示される。この部分をクリックすると、他の分析結果も表示される。

分析結果のグラフには、タイトル部分にデータ分析によって分かった傾向がテキストで表示される。それぞれのグラフがどんな意図で作成されたのかを確認するときに役立つ。

画5、データによっては、タイトル部分にその分析結果の内容が表示される。

シートに分析結果のグラフを挿入したい場合は、各グラフの下のほうにある「ピボットグラフの挿入」をクリックする。挿入後のグラフの編集方法は、通常のグラフを編集するときと同じ手順だ。

画6、使用したい分析結果を表示し、その左下の「ピボットグラフの挿入」をクリックすると、新しいシートが挿入され、そこにピボットグラフが作成される。

 

画7、挿入後は、通常のグラフなどと同じように要素を追加したり、タイトルや書式を変更したりすることができる。画面はWeb版のExcelでタイトルを変更した。

 

画8、デスクトップ版であれば、より多くの機能を利用できる。画面はデスクトップ版でデータラベルを追加し、グラフの色を変更している。

集計に必要のない項目を外して分析し直す。

「データ分析」作業ウィンドウの「分析情報を見つける」の歯車アイコンをクリックして表示されるウィンドウから、集計対象の項目（フィールド）や集計方法変更できる。ここで変更できる集計方法は、合計または平均だ。また、文字や日付は自動的に「値ではない」と表示される。誤っている場合は変更できる。

挿入後であれば、後から他の集計方法に変更可能だ。

画9、「データ分析」作業ウィンドウの「分析情報を見つける」の歯車アイコンをクリックする。「最も関心がある分野はどれですか?」の「以下のフィールドを含める」で集計から外したい項目のチェックボックスを外す。「値の集計方法」を変更したい場合は、数値の集計をクリックして「合計」または「平均」を選択できる。変更したら「更新」をクリックする。

 

画10、データ分析の結果が更新され、指定したフィールドを対象にした結果に変わる。

データ件数によっては分析が機能しない場合も。

データ件数が多すぎたり、分析に適した集計ができなかったりした場合は、「データ分析」作業ウィンドウに作成できない内容のメッセージが表示される。また、同じファイルを他の環境で同時に編集作業をしている場合は、競合回避のために一時的にデータ分析が機能しない場合もある。

画11、データ件数が少なかったり、150万件を超えて多過ぎたりした場合は、パターンを見つけることができないなどのメッセージが表示され、データ分析が機能しない。分析に適した集計ができなかった場合も同様にメッセージが表示される。また、同時に編集作業をすると、一時的にデータ分析が機能しない場合もある。