【1・2月の講演・自然菜園セミナーのお知らせ】
1)1/26 (土) 東京「東京・大月校開校記念」講演会 『無農薬自然菜園で、安心・安全な野菜を育ててみよう!』
2)1/27(日)長野(佐久市)長野県有機農業研究会、山梨種苗ネットワーク合同の第26回種苗交換会 講演「トマトの自家採種を続けて」
3)2/6(水)長野(長野市)城山公民館『自然菜園入門講座』
4)2/14(木)長野(千曲市)戸倉創造館『無農薬無化学肥料でもしっかりやればできる!自給稲作入門講座』
3)2/10(日)東京新春・無農薬・自然菜園セミナー 第1回「コンパニオンプランツの混植で、少量多品目の無農薬家庭菜園の始め方」
本日、の予報。
このブログのコメント欄では、無料菜園ご質問boxとして活用していただいております。
先日、コメント欄から「畑の面積に対して土地がややあまり気味でして、来シーズンはいくつかの畝を休ませようかと考えています。
その場合何かしたほうがいいこと、たとえば特定の緑肥を植えるなど、何か手を加えたほうが土にいいことなどはあるのでしょうか?
それとも特に手を加えず、ただ放置しておけば土を休めたことになるのでしょうか?」
とご質問いただきました。
いいご質問だったので、今回のブログでは、よく土を休ませると農業では言われますが、
「土は休ませ方がいい?休ませない方がよい?」をテーマにちょっと自然菜園から考えてみたいと思いました。
結論から言うと「土は休ませない方がよい」と思っております。
というのは、本来土を休ませるというのは、農業で土が疲弊させる場合、回復させるために、大きく分けると2つの方法で、休ませます。
1)連作障害などを避けるために、ある一定期間作物を育てないこと。
ある特定の作物を連作すると、養分としても欠乏してきますし、病虫害も多くなったり、忌地化し、作物が育ちにくくなります。
河川流域で発展した、4大文明は、むやみな連作の結果、地力の衰退や塩類害など土が疲弊し、砂漠化して文明も崩壊してしまいました。
そこで、ヨーロッパでは、小麦ばかりを連作すると地力が低下して、連作障害が出やすくなるため、
緑肥(牧草)⇒放牧(家畜)⇒小麦の三圃式農業という、数年でローテーションをさせて、緑肥(牧草)と放牧(家畜)期間に土を休ませ、
疲弊した土地を回復させて持続可能な農業の方法に切り替えました。
畑が肥沃でない場合、ただ休ませると、荒れた土地に生える草が生え、土は疲弊するので、三圃式農業では、牧草(マメ科とイネ科)を育て、さらに、家畜が食べ糞をさせるなど回復できるように、牧草(緑肥)と放牧を休ませる期間に投入して、地力の回復に当てました。
そこで、「それとも特に手を加えず、ただ放置しておけば土を休めたことになるのでしょうか?」とお悩みの場合、
牛がいれば、永年草の牧草を蒔いて牛が食べつくしてくれるのでいいですが、
空けて置く期間、いつでも畑にできるように、野菜と相性がよい1年草の牧草で、
クリムソンクローバーとエン麦、元水田ならレンゲとエン麦といったように、マメ科を主体に、イネ科も混ぜて育てておくといいでしょう。
2)もう一つの休ませるというのは、
むやみな作付けで栽培が続くと、養分が偏り、病虫害が多くなるので、リセットするために、
必要な養分を供給できるように、不足したミネラルや養分を補うために、堆肥などを鋤き込み、耕しておく方法です。
この場合、休ませる=養生期間なので、投入した資材や堆肥などが土になじむ期間(半~1か月くらい)、時期と投入量などに合わせてしっかり有機物が完全に分解され、土になるまで養生させ、その後、作付け(栽培)開始となります。
むやみやたらと耕した状態で、空けて置くと、植物の根がない大地は、雨風で養分が流失してしまいがちなので、
長期間明ける場合は、その期間、エン麦などイネ科の作物や、例えばセンチュウ対策ならヒマワリ、マリーゴールドなど特定の緑肥作物を育て、栽培を開始する期間までにしっかり分解できるように、鋤き込んで分解させておく必要があります。
3)①
自然菜園では、基本土を休ませることはしません。
というのは、土を疲弊させるように酷使させずに、相性の良い野菜を混植し、生えてきた草を刈り敷き(草マルチし)、
夏畝と冬畝を交互育てることで、土が疲弊せずに、しかも土が鍛えられるように(草マルチが腐植化し、団粒構造が発達し、相性の良いローテーションで偏りがない)設計されるからです。
また、通常、野菜が終わると耕して、裸の土になると、土は風化し、春一番で表土は飛ばされて痩せていきますが、
写真のように、冬の間は、野菜の根は残してありますし、冬草が畝を覆い守ってくれているので土が回復できます。
野菜の作付けが少ない時期でも、冬は冬草、夏はイネ科の草とエダマメ(マメ科)が育っているので、土は守られます。
②「来シーズンはいくつかの畝を休ませようかと考えています。」とお考えの場合、
私なら、痩せて疲弊している場合なら、不足した養分・ミネラルを補ったうえで、エン麦とクリムソンクローバーを春に蒔いて秋まで育てたり、マリーゴールドやヒマワリを育てて置くなどすると景観もいいですし、各緑肥効果も期待できます。
人が元気なら米ぬかなどを撒いてから耕して、ネギなどを栽培しておく。全部エダマメにしておくなどもいいと思います。
人間は休みたいと思うので、や次作の作物が喜ぶようもので、無理なく(楽に)栽培できるものがお奨めです。
ただ耕して置いたりすると土は痩せ、荒れるので、次の野菜が喜ぶような緑肥作物やネギなどを育てておくことで、草マルチなどは腐植化され、土の団粒化は促進されよりよくなるからです。
自然菜園では、休ませるというより、緑肥作物やネギなどによって、土を肥沃にさせ、鍛えておくことがお奨めです。
ちなみに、去年手が回らなくて、草ぼうぼうにしてしまった場所は、昼間の温かい時間でもこの時期地面が凍っておりました。
ところが、去年野菜をしっかり育てていた場所は、朝夕は凍っていても昼間は融けており、土の微生物が元気で地温が高いようです。
参考にしてみてください。
2019年自然菜園スクール東京大月校(東京+大月)開校記念
2019年1/26(土)東京で自然菜園講演会、講座(2/10(日)「コンパニオンプランツ」、3/2(土)「自然菜園プランター」)決定!!
今年は、完全リニューアルで、
「これならできる!自然菜園入門講座2019」が2019年1~3月は、土づくりと菜園プランの講座を以下の通り予定しております。
1/9(水) -土づくり講座「失敗しやすい土づくり」「無農薬野菜が元気に自然に育つ土づくり」
2/ 6(水)-菜園プラン講座「連作障害の引き金プラン」「コンパニオンプランツで混植菜園プラン」
3/ 6(水)-土づくりできる菜園プラン「夏野菜で土づくり」「春・秋・越冬やさいで土づくり」
新年度は、4月よりコンパニオンプランツの混植野菜をテーマに、季節の野良仕事と一緒にご紹介していこうと思っております。
座学は、野菜の栽培の流れをイメージしやすくなるだけでなく、失敗した本当の原因や準備ができるようになります。
菜園が忙しくなる種まき植え付けのラッシュ4~5月、草刈りと収穫が忙しくなる6~8月、あっという間に過ぎる9~12月とならないように、
1~2月に備えておくことをお勧めします。
◆◇◆お知らせ◆◇◆
来月は、2019年1/9(水)です。第2水曜日になるのでご注意ください。
2019年土内容充実で、
城山公民館「これならできる!自然菜園入門講座」講座が開催です。
毎月の野菜と土づくりのテーマで質問時間もたっぷりあるので是非お越しください。
今年度は、いつもの第1水曜日に
長野市城山公民館 18:30~21:25(当日、記録用動画撮影いたしております)
18:30~19:45座学
19:50~21:25質疑応答
◆次回以降の予定
来月は、2019年1/9(水)です。第2水曜日になるのでご注意ください。
1/9(水) -土づくり講座「失敗しやすい土づくり」「無農薬野菜が元気に自然に育つ土づくり」
2/ 6(水)-菜園プラン講座「連作障害の引き金プラン」「コンパニオンプランツで混植菜園プラン」
3/ 6(水)-土づくりできる菜園プラン「夏野菜で土づくり」「春・秋・越冬やさいで土づくり」
お楽しみに~
新刊発売中!!さっそくの重刷決定!ありがとうございます。第一弾!『とことん解説!タネから始める 無農薬「自然菜園」で育てる人気野菜』(洋泉社)
今までの自然菜園でわかりにくかった点を見事に解説!最新技術を加え、決定版になっております。
第二弾!4/19新発売『プランターで寄せ植え野菜』
プランターは、失敗しやすいものですが、基本を守れば、とっても簡単です!今回は、寄せ植えで2~3種類の相性の良い野菜を混植し、1枚のメニューになるようにイラストと写真でまとまっております。プランタ―だけでなく、庭や菜園でも使える組み合わせなので、参考にしてみてください。
千曲市戸倉創造館で2018年3~2月に開校中~
『無農薬無化学肥料でもしっかりやればできる!自給稲作入門講座』
1年の反省と来年に向けて
田んぼの土づくりは、3年。稲を育てて、草が生えにくい環境づくり。3年後に楽できるように、毎年の積み重ねが大切です。
悪い連鎖を断ち切り、よい連鎖が続くように、3年かけて少しずつ抜本的に改善するためには、この講座では、現状の問題の真の原因を見つけ、
どうすれば、悪い連鎖を断ち切り、よい連鎖が続くように、自分の田んぼで改善していけばいいのかを知り、
自分の生活や仕事のペースと稲のお世話のタイミングを合わせていく方法を見つけていきます。
場所:戸倉創造館2階会議室
日時:第2木曜日 18:00~20:45まで(全12回座学のみ)
受講料:1回1,500円、一括申し込み15,000円
対象:米の自給をしたい方。米作りが初めての方大歓迎!
参考テキスト:『自給自足の自然菜園12ヶ月』(宝島社)153~174ページ
●問合せ・申し込み先●
千曲市役所経済部農林課農業振興係服部
電話026-273-1111(内線7244)
Email:nousin@city.chikuma.nagano.jp(件名を「自給稲作入門講座」として送信下さい)
現在、『竹内孝功さんの自然菜園講座』オンライン動画サイト試験発信中~
※有料サイトの都合、登録などの際に一部英語表記になっております。
※最新動画、「畑での野良仕事(実技編)」前編・後編もアップグレードできました。
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「土を休ませる」という行為もまた、ただ放置するだけでなく輪作の中に組み込まないといけないということですね。
緑肥をうまく使って土をしっかり休ませてやりたいと思います。
ところで、緑肥やコンパニオンプランツとしてのネギの使い方についてなのですが、ネギは根粒菌の関係でマメ科との混植はよくないことは知っていますが、後作としての場合はどうなのでしょうか?
翌年ネギの跡地にマメ科の野菜を植えた場合には影響がでるのでしょうか?
どういたしまして。筋肉と土は鍛え方(肥やし方で)似ていると思います。
ただ寝ていても、筋肉は萎えるばかり、食べてばかりでも太るばかり、適度に食べ、動き、休むが大切ですね。
特に、根がない時の土は、疲弊しやすく、風で表土が飛び、雨で養分や土そのものが流れていきやすいものです。
さてご質問に関してですが、混植や間作できるものは限られてきますが、ネギの跡地のマメ科は大丈夫ですよ。
草マルチして長ネギがよく育った場所では、ソラマメやエンドウがよく育ちます。
いろいろやってみてください。