気になっちゃいたんだ。真相はどうなんだ?関西生コンって言葉、なんか脅迫の材料に使われてるからさ。ほら、辻元清美の記事なんか見ると、「関西生コンはどうした?」なんてしつこく絡んで来るコメントわんさと押しかけてるからさ。よほどのことなんだろうなぁ、なんかちょっとおっかねえような気もするし、でも、辻元が粗暴犯罪に手を貸すなんて絶対あり得ない話しだし、・・う~ん。
で、この正月、辻元と並んで俺の一推し、れいわ新選組大石あきこが、元日から大阪府警前での抗議集会に参加して演説したってツイート見て、あら、これ、関西生コン支援の集会じゃね?
そうか、大石も信念もって関わってるんだ、そんじゃ、広く流されてる噂なんてウソっぱちに違いない。それにしても、真相を知らなくっちゃ。
なんと、朝日の書評欄に関連する本が上がってた。『賃金破壊・労働運動を犯罪にする国』竹信三恵子著、旬報社刊だ。
主タイトルはちよっと的外れの感あり、副題の方が内容に相応しいかな。連帯ユニオン関西地区生コン支部の活動とそれが被った弾圧のルポルタージュだ。著者は朝日新聞の論説委員から、和光大学の教授となったジャーナリスト。一貫して労働の問題、貧困、雇用劣化、非正規労働などをテーマに数々のルポルタージュをものしていて、貧困ジャーナリズム大賞他、幾つかの賞も得ている。わぁ、凄い人なんだぁ、知らなかった!
世間に流布する”関生”のイメージは、暴力団まがいの手段で経営者を脅し上げ、給料アップを認めさせた上に、みかじめ料的な解決金まで巻き上げる、凶悪労働者=暴力集団!ってものだ。その非道な行いについに鉄槌が下り、100人近くが逮捕、起訴されて、現在も係争中、ひぇ~おっかねぇ、ってものだ。
が、実はこれ、すべて、経営者側のでっち上げだった。実態は、正当な労働組合活動への徹底した弾圧だったんだ。しかもその言い分をすべて鵜呑みにして警察も、果ては裁判所も弾圧に積極的に加担している。いや~こっちの方が相当怖いぜぇ!
弾圧の口実は何か?って言ったら、産業別労組の活動は正当な組合活動として認めないってことにあった。ほら、日本の組合って企業別会社別に出来てるだろ、トヨタならトヨタと、東芝なら東芝と交渉するわけだ、組合は。でも、こういう形だと、個別撃破されて要求が実現されにくい。中には会社側に飼いならされて、自分たちだけ好待遇のちっぽけなおこぼれもらって後は知らんぷり、そうそう、今の大企業の多くの組合な、なんて実態になちまってる。なんと、自民党と手を組むことを望むような組合さえ出てきてるからな。
これに対して、関西生コンの組合は、幾つもの会社の労働者が、生コンの運搬ダンプの運転手として企業を超えて手を結んで活動している。これが産別の組合で、日本じゃ少ないが、世界的にはメジャーな存在ってことなんだ。中小、って言うより小規模の会社が多い生コン業界じゃ、個々の会社相手に戦えない。同じ職種の人間同士組合を作って、待遇改善の運動などに取り組んできた。その結果もあって、給料も上がり労働日数の確保や男女の、あっ、ダンプの運ちゃんって女性も少なくないんだって、差別も撤廃が進んできた。
要するに、組合が組合らしい活動を展開して、着実な成果を上げて来たってことだ。
これが、セメント大手、麻生とかのな、の反感を買って、そんな生意気な組合ぶっ潰しちまえ!儲けは労働者に分け与えずに経営者と株主へ!ってことで警察と連動し、右翼の手も借りながら、徹底弾圧に乗り出したってことなんだ。
抗議としてスト破りで車の前に立ったり、大声で非難浴びせたり、遅くまで交渉の場を持ったり。これって、労働争議じゃごく当たり前のことだよ。俺もやったぜ、下っ端役員として夜中まで交渉とか。その場だけ見ると、大勢で会社役員を吊し上げて、ひでぇ!って見えるかもしれないが、それはもっと大きな支配構造を見ないからなんで、実権は会社ががっちり握ってる、その固い壁を少しでも掘り崩すには組合員は団結して粘り強く迫るしかないんだ。
で、その組合を作る権利・団結権、会社側に交渉する権利・団体交渉権、抗議行動やストライキをする権利・団体行動権の三つが憲法第28条に定められているんだ。もちろん、産別組合も含まれる。
要するに憲法なんて知るもんかい!って無茶苦茶の横暴が、関西生コンは暴力集団、ヤクザとも関わりあり、なんてデマ振りまいてまかり通りそうになってる、この恐ろしい事態を細かく丁寧に実際に起こったことがなんなのかを知らせてくれたのが、この『賃金破壊』って本なんだ。
いやぁ、読んでよかった!知って良かった!危うく根も葉もないフェイクに乗せられるところだったぜ。幸い、この危機的事態に気付いた人たちが、支援に立ち上がりつつあって、公判でも組合側勝訴の判断が下り始めつつある。って、言っても、維新の足立議員のように、関西生コンを破防法の対象にすべきじゃないか、なんて国会で要求したりする輩もいるし、メディアは何故か無視を決め込んでいて、デマはまだまだ世の中に広がったままだ。
ナチスと戦った牧師マルティン・ニーメラーの言葉、
「ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は共産主義者ではなかったから
社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった
私は社会民主主義ではなかったから
彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は労働組合員ではなかったから
そして、彼らが私を攻撃したとき
私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった」
心にとめておかなきゃいけない時代になりつつあるよなぁ。
あっ、んで、この本のタイトルが何故賃金破壊なのか?って理由も判った。けど、それはまたいずれ、これもととっても重要な指摘をもらえたんだぜ、この本に。
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