taraの日常

好きなものいろいろ

美しいものを見に行く~静嘉堂文庫美術館

2020-10-05 00:34:53 | 美術
夏がようやく終わったと思ったら、雨ばかりの9月…。なんだか美しいものが見たくなって二子玉川の静嘉堂文庫に行ってきました。二子玉川駅からはちょっと距離があるので、タクシーが良いようです。受付で領収証を提示すると200円キックバックしてくれます。
 
 おお!これこれ、「曜変天目」。なんて美しいまるで深い宇宙のよう。四方八方からじっくり見ることができました。あと茶道具では「飛青磁不遊環花入」も堂々としていて素敵。「春日曼荼羅」「普賢菩薩像」も素晴らしかったです。
  酒井抱一「波図屏風」ダイナミックで野心的な銀。「羯鼓催花・紅葉賀図 密陀絵屏風」いわゆる油絵。緻密な装飾が華麗。
他にも浮世絵「国貞・広重の双筆五十三次」、蒔絵の重箱、画帖、七宝焼、刀剣…などなど、各ジャンルでの精鋭のお宝を惜しみなく展示してくれています。
展示数は少ないけれど、ものすごく見ごたえがある美術展でした。うーーん、岩﨑家ふとっぱら~
       おみやげは曜変天目のハンカチ

ピーター・ドイグ展&ロンドン・ナショナル・ギャラリー展

2020-08-23 07:11:59 | 美術
今年の夏休み、唯一のお出かけは美術館へ。コロナ自粛で美術館は軒並みクローズしてしまい、もう見られないかと思っていたけれど…会期変更で再開。また中止になってしまうかもしれないので、8月18日(この日も暑かった)、とにかく行っておくことにしました。

ピーター・ドイグ展
 竹橋 国立近代美術館
                     
西洋美術館は写真OKでしたので、撮りまくってしまいました。
なんだろう…この不穏な空気感は。夢でみたような、この世とあの世のあわいのような。「ガストホーフ・ツァ・ムルデンタールシュペレ」—ムルデンタールシュペレの宿—この絵の前にぼんやり座っていると、不条理で不思議だけれども美しい世界に「ようこそ…」と誘われているようです。一瞬自分がどこにいるのかわからなくなるような浮遊感。

北脇昇展
 
近代美術館の常設展。北脇昇、はじめて知りました。数学や自然科学、古代中国の易の思想とかを取り入れた独自の世界観を表現したシュルレアリズムの画家さんです。シャープで知的、全然古びていない。おもしろーーーい!

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
   上野 国立西洋美術館
平日の昼とはいえ、こちらはやはり若干混んでたかな…でも、もし、これが通常時だとしたらもっと長蛇の列になっていたはず。まあまあストレスなく鑑賞できました。
Ⅰ イタリア・ルネサンス絵画の収集
*クリヴェッリ「聖エミディウスを伴う受胎告知」 巨大なのに緻密、豪奢な作品。
*サヴォルド「マグダラのマリア」・モローニ「紳士の肖像」 シャープで現代的。とても500年前の作品に見えない。
どの作品も色彩が瑞々しくって美しい。作品たちがものすごく良く保たれているんだなぁと。
Ⅱ オランダ絵画の黄金時代
*レンブラント「自画像」 自分の信念の赴くままに描く。高い精神性を感じます。
*フェルメール「ヴァージナルの前に座る若い女性」 もっと近くでゆっくり見た――い。
Ⅲ ヴァン・ダイクとイギリス肖像画 
*トマス・ローレンスの肖像画 肖像画ってちょっと退屈…なんだけれど、これは目が止まる。
Ⅳ グランド・ツアー
*カナレット「ヴェネツィア:大運河のレガッタ」イタリア留学が貴族のステータスだったのね。絵葉書代わりに画家に絵を描かせる…なんかスケールが違うなぁ。
*バトーニ「リチャード・ミルズの肖像」 英国人エリート階級の“旅行記念肖像画”。当時のイケメンですね。
Ⅴ スペイン絵画の発見
*ゴヤ「ウェリントン公爵」・エルグレコ「神殿から商人を追い払うキリスト」・ベラスケス「マルタとマリアの家のキリスト」・ムリーリョ「幼い洗礼者聖ヨハネと子羊」 巨匠のお作品が一度に見られるとは…。
Ⅵ 風景画とピクチャレスク
Ⅶ イギリスにおけるフランス近代美術受容
*アングル「アンジェリカを救うルッジェーロ」 有名な作品。ロンドンにあるのか~。小さいけれど濃密な絵。
*コロー「西方より望むアヴィニョン」 明るくて晴れ晴れとした風景画。
*ラトゥール「ばらの籠」ただただ美しい~。
*ピサロ「シデナムの並木道」 何気ない郊外の風景に美しさを見出したひと。
*ルノワール「劇場にて(初めてのお出かけ)」・ドガ「バレエの踊り子」
*モネ「睡蓮の池」 ここからモネはどんどん水面の光と影の表現に没頭していくのよね。
*ゴーガン「花瓶の花」 ゴーガン(ここではこう書きます)の静物画ってまじまじとみたのは初めてかも。ルドンにちょっと似ている。落ち着きがあり静かで美しい1枚です。
*セザンヌ「プロヴァンスの丘」「ロザリオを持つ老女」 確固たる存在感。やぱりセザンヌはいい!
*ゴッホ「ひまわり」 生きる力、幸福感にあふれているひまわり。
印象に残った作品を挙げてみました。いつになく豪華な作品紹介サイトが公式SNSにあるのでそちらも是非。

ロンドンナショナルギャラリーの歴史が良くわかる明快な展示方法がとてもクレバーだと感じました。そして展示する画家とその作品のセレクトの仕方がとても的確。そう…そこなのよ。英国にとっては芸術、特にアートや音楽は輸入して消費するもの、なのかも。文学や演劇に比して、音楽や美術でスーパースター不在なのはそこなのかなぁ。

西洋美術館の常設展は思ったよりボリュームがあって、駆け足での鑑賞になってしまいました。松方コレクションや独特の建築をもっとじっくり見たかった。人が少ない今、常設展だけゆっくり見に行く、もありですね。

お久しぶりの髙島屋

2020-08-16 08:24:53 | 美術
7月下旬、髙島屋美術画廊におでかけ。6階の画廊付近にはゆったりした椅子がたくさんあって、美術品に囲まれてぼんやりできるんだけど…なんかこの日は、平日なのにサラリーマンさんたちで占領されていた。みなさんお疲れなのね。

    久野和洋展
素敵でしょ?風景画は連作でとても大きな作品なんだけど、そういう大きな作品にありがちな気負いや衒いがなくって素直にココロに染みてくる。今回は静物画もとっても良かったなぁ。なんかモチーフがびしっと決まっているっていうか。バックの赤や濃紺も写真以上に深みがあって…ちょっと古典絵画みたい。

    
 藤田朋一展「扶桑國-ふそうこく-」
髙島屋の美術画廊Xは新しくて元気なアート達に出会える場所。今回も不思議で、美しくて、そしてパワーを感じる立体作品が展示されていました。面白―――い

 ー貌ー 辻本博紀 木彫展
「ヤマネコバコ」木彫の技術がとにかく凄い。そして、その凄さを凌ぐ可愛らしさ。

そして髙島屋に来たからには「ドゥ ジョエル・ロブション」に行かねば!

サンドイッチかケーキか…散々迷いましたが、この日は「季節のガレット」をいただきました。いろいろなコーンがのっかっています。もともとガレットは農民の普段ごはん。素朴な農産物はそば粉のクレープに合います。久しぶりに美味しい外ご飯を堪能しました。

そしてそして…髙島屋に来たからには「オーボンヴュータン」と「菊乃井」にも行かねば!
 
ケーキがまだあったベリーのケーキとシュークリームをテイクアウト。濃厚なのに爽やか。
 
菊乃井では鰯と加茂茄子。ちゃちなお皿ですみません…。ごはんが進む美味しいお惣菜でした。

森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020―さまよえるニッポンの私

2020-07-20 21:53:09 | 美術
いつかは行ってみたいと思っていた原美術館。今年末に閉館してしまう…というニュースを聞いて。でもって、森村さんの作品も断片的には見たことがあるけれど、ちゃんと見たことがなかったので、これは行きたい!と思っておりました。コロナ自粛でもうダメかな~と思っていましたが、6月再開、会期延長、予約制で開催するとのことで、7月初めに行ってきました。ありがとう!原美術館

品川駅からバスで1つ目、大きな木々と長い長い塀に囲われた謎のお屋敷(後で調べたら三菱財閥の迎賓館「開東閣」と判明)をぐるりと回って御殿山へ。素敵なお屋敷の並ぶ道を歩くと…原美術館が!エントランスめっちゃ好み。
    
 最初の展示室にやられる。なんだこれ!謎めいていて素敵すぎる
    オランピア。
  「美術史の娘」フォリー=ベルジェールのバー。「2つの腕」この作品をここに展示する…その美意識の高さよ。
 ロンド(輪舞)。
館内は基本モダニズム建築ですが、時折アールデコな曲線が品よく配置されています。窓の外の泰山木の花がきれい。
          
やはり圧巻は映像作品「エゴオブスクラ」。53分があっという間でした。
森村さんって絵画の一部になりきることで、その絵画の成立や心情を解き明かす…なんていうか、評論家のようなアプローチをする美術家さんだと思ってた。今回ビデオを見て、森村さんのこれまでの一連のアートパフォーマンスの意味するところがなんとなく腑に落ちた。彼の求めてきたこと、表現してきたことは、「私とは何か、日本人とは何者か」なのであると。
どんな国も民族も中心に行けば行くほど、核となる思想や哲学、宗教とかに構造的に近づく。けれど…日本は中心に近づけば近づくほど「空虚」なのである。まるで日本の中心にある皇居のように。そして、そこに君臨するのは人でも神でもなく「象徴」なのよ。戦後すぐの生まれの彼は(わたくし達もそうだけれど)、突然、真髄(と信じていたもの)が空っぽになり、中身を再構築する間もなく、否応なく欧米の価値観で塗り固められた世代。「真理や価値や思想というものは、いくらでも自由に着替えることができる」「そして中身が空虚であるほど、どんな衣装も美しく着こなせる」…印象に残った言葉です。
さらに、三島由紀夫とマリリン・モンロー。「三島は〈オンナ〉の衣装を纏った国・戦後の日本に殺された〈オトコ〉であり、マリリンは圧倒的な経済力と武力で世界を見下す〈オトコ〉の衣装に身を包んだ国・アメリカに殺された〈女優〉だった」…なるほどーー。アイデンティティやジェンダーのはざまで逡巡する森村さんの軌跡が伺えます。さまよえるニッポン人、そんな日本の私。いったい何を目指すのか、どこに向かうのか。
       
強烈なビデオで腑抜けになり、ふわふわ状態で<カフェ・ダール>でお茶をする。都内とは思えない静けさ。広い中庭は風の音しか聞こえない。
       
再びエントランスを写真におさめて原美術館を後にしました。

      
御殿山は立派なお屋敷(最後の写真は「カワイイ」カテゴリのおうちです)が立ち並びます。田園調布の豪邸とはちょっと違う。なんていうか…1軒1軒が「城」って感じ。道路沿いの植え込みも夏芙蓉とかつつじじゃなくって豪華な百合!
 遅いお昼は中野に戻ってきて<アザミ>でナポリタン。落ち着くなぁ。

さて、次は近代美術館の「ピーター・ドイグ展」かな。10月まで会期延長になったけれど…この先どうなるかわからない。近いうちに行こうっと。


神田日勝展

2020-07-13 21:27:50 | 美術
 6月21日 東京ステーションギャラリー
自粛解除明けの最初のお出かけは「神田日勝展」。予約制です。チケットを引き取りに行く…というひと手間はかかりますが、適正な人数でストレスなくゆっくり見ることができるので、このシステムは大歓迎。今後もずっとやってほしいです。
  
昔の日本はもっともっと寒くって貧しかった。神田日勝の絵からは、土や馬の匂いと十勝の冷たい風を感じます。開拓民としての不安や閉塞感、と同時に働くもののだけがわかる美しさと矜持。胸に迫ってくるものがあります。絶筆となった「馬」も想いが溢れてくる作品ですが、やはり一面の新聞に囲まれた「室内風景」が一番ぐっときました。見るものにをまっすぐ向けられる強い目線。「おれはここで生きていく。おまえはどうなんだ?」
 いつもながらギャラリーのシャンデリアが美しい。

広々とした東京駅丸の内口。せっかくオリンピックにむけて整備したのにねぇ。
     
有楽町のどさんこプラザでハッカ油スプレーを買いたくて有楽町までてくてくお散歩。
     
三菱一号館の中庭のバラは終わりかけていましたが、池の周りには百合がディスプレイされていて、いい香り!

2020年2月の美術展

2020-04-12 22:03:16 | 美術
「壁に世界をみる―吉田穂高展」三鷹市美術ギャラリー
  
2月最初の日曜日三鷹に行ってまいりました。吉田穂高氏の画業において大きく変遷する作風を丁寧に追った展示です。それぞれのシリーズの完成度が高く、尚且ひとつの到達点に至ってもさらに新しい技法やテーマにチャレンジする…吉田穂高という人の感性のしなやかさとセンスの良さ、画力の高さはたいしたものです。作風は変われども、名もなき人工物の巧まざる美といつかは無くなってしまうであろうという儚さ…そんな暖かいまなざしが一貫して作品の根底に感じられました。お気に入りは「カニのある家」。どことなく孤高でちょっとユーモラス。
  
中央線から見た富士山と三鷹に向かうバスからの眺め。石材屋さんには「石こそわが人生」の石碑が。

「岸田劉生展」名古屋市美術館
  
   
東京で見逃したので、2月8日あさいちの新幹線で一路名古屋へ。本当は東京ステーションギャラリーで見たかった。煉瓦の壁、とっても劉生の絵の質感にあってますもんね。
   
西洋絵画の模倣を超えて独自の美を表現した人。写実、本当の意味での写実って、なんていうか…このなまなましさなんじゃなかろうかと思う。
麗子は…まぁもちろん凄いが、私は劉生の静物画が好きです。「林檎三個」絵の中にあって少しもたじろがないこの林檎の存在感。そして後ろの青い布の質感も凄い。「壺の上に林檎が載って在る」も非凡なる傑作と言えましょう。壺って何?林檎ってなに?そしてモノがあるってどういうこと?そしてそれを見ている私とは?…私たちの頭の中にある固定概念はひっくり返され、改めて問いかけられる。そんな作品だと思います。
名古屋では「道路と土手と塀(切通之写生)」の展示がなく、ちょっと残念。でも最後の一連の大連の風景画が明るく開放的であたたかく、とても良い気持ちで展覧会を締めくくることができました。大連へはフランス渡航のための費用を工面するために訪れたとのこと。新しい作風に向かうところで、劉生は亡くなります。フランスだけでなくヨーロッパを訪れることができたら…劉生の作風はどんな変化をしたでしょうか。
     
美術館のあとは大須に行ってみました。<コンパル>本店でエビフライサンドを食べる。土曜日の午後は家族連れでいっぱい。おばあちゃんやおじいちゃんも孫と一緒にコーヒーを飲んでいます。東京だとある程度世代別にお出かけする街が違ったりするけれども、名古屋っていろんな世代の人々が混然一体となって街にいるっていうのがいつも面白いなぁと思う。お土産は「つけて味噌かって味噌」。味噌田楽と鳥つくねも購入。おいしくいただきました。

「永遠のソール・ライター」Bunkamuraザ・ミュージアム
    
こちらも2月最初の月曜日に渋谷までバスでたらたらと。月曜日に開いている数少ない美術館であります。
素敵な写真の数々。シャープな色彩と適度なぼけ具合の絶妙な組み合わせ、構図や切り取り方が、都会的で謎めいている。普段の暮らしの中で「素敵だな~」と感じたものを思ったとおりにフィルムに収める。簡単なようでいて結構難しいというか、センスや技術がとっても必要だと思います。そしてソール・ライターの写真には「主張」がないのよね。ただただ見つめるココロがあるだけ。主張がないのが主張というか…。前々日に圧倒的な劉生を見た後だけに、寄り添うようなライターの作品の世界が心地良かった。特に「薄紅色の傘」「モンドリアンの労働者」気に入りました。
ただ…本当にそれだけの写真家さんなのかなぁ?セルフポートレートや妹デボラ、恋人ソームズのポートレートを見ているとなんかちょっとライターの心の闇…みたいなものも感じます。うーーん、また展覧会があるでしょうから、また次回考察いたしましょう。あ、その時にはぜひ!「薄紅色の傘」のクリアファイルを作ってください~買います買います!そうそう、それから、ここ最近の美術展では、図録にがっかりすることが多い(大概は色や明度の再現がいまいちだなって思うのよね)のですが…おおっ!今回の図録はいい出来だ!!……って写真なんだから当たり前だっつうの。思わず苦笑いする自分でありました。
     
<ドゥ マゴ パリ>のランチ。バゲットが美味しかったな帰り道、ソール・ライターになったつもりで素敵だと思うものを写真に撮ってみました~!

2020年4月12日現在、STAY HOME真っ最中な東京。予定していた展覧会もほぼほぼ延期開催未定。本当は3月末に神戸に行ってゴッホとコート―ルドの印象派を見る予定だった。4月以降も、新生アーティゾン美術館での鴻池朋子・パウルクレー・モネ、東京ステーションギャラリーで神田日勝、原美術館の森村泰昌…などなど、いろいろ楽しみにしていたのですが…いちにちも早くこの事態が終息しますように。

2019.9月の美術展

2020-01-27 20:37:08 | 美術
去年は結構美術館に行ってたなぁ~
9月16日 「みつめるー見ることの不思議と向き合う作家たち」 館林美術館
地方美術館は好きです。ゆっくり作品をみることができるから。館林美術館はもちろん、館林自体も初めて訪れました。落ち着いた雰囲気のまちでした。
         
エントランスが広々としていて、蓮池が続く素敵な美術館。
展示されているのは、浅見貴子さん・伊庭靖子さん・金田実生さん・児玉靖枝さん・津上みゆきさん・日高理恵子さん・水村綾子さんの作品たち。それぞれ個性的なアプローチで自然を描写しています。全く異なる画風ですが不思議な統一感がある展覧会に仕上がっていました。館内写真OKだったので撮りまくってしまいました。
                 
どの作品もみな素敵でしたが、個人的には水村綾子さんのでっかい絵が美しくて良かったなぁ。
この美術館はお庭も素敵なんである。
                
みどりの葉っぱの写真がやたら多いですが…いつかこういう絵を自分でも描いてみたいな~と思って…ついつい撮ってしまう。
   
ランチは<ハチカフェ>こういう地方のおしゃれカフェ、増えてきましたよね。

       
館林市内の池。水面に映る空の感じがなかなかによい。
 
道の駅<ぶんぶく>(…ぶんぶく茶釜!)おばあちゃんの手作りマロングラッセはひとつひとつ味が違う(たぶん栗の品質が一定じゃないから)。おそろしく美味しい一粒とまずい一粒が混在する手作り感満載の優れものでありました。めだかや金魚がみそパックに入れて売られている!みその入れ物って水槽になるのね~。
  
帰りは東武鉄道で帰ってきました。なのでちょっと浅草でお参り。

9月20日 「円山応挙から近代京都画壇へ」 芸大美術館

写生がものすごーーく緻密!うまーーーい!
 
博物館動物園駅。ふくやまけいこ「サイゴーさんの幸せ」の重要舞台。中に入ったらタイムスリップできそう。この日どこぞで食べたおかめそば。なんだかものすごく久しぶりにおかめそばというものを食した気がして…

9月21日 「第66回日本伝統工芸展」 三越
 
やっぱり今年も見ておこうと思って。今年は金工の作品に心惹かれました。伝統を守りつつそこに今日的用の美をいかに取り入れるか…その真摯な姿勢に美は宿る。


夏休みの美術館

2020-01-27 14:41:32 | 美術
8月19日「スペインの現代写実絵画」ホキ美術館
 
なんていうか…生き生きしていた。日本の写実絵画は静かにたたずむ感じだけど、スペインの写実はグイグイ来る感じ。社会とか政治とか宗教とかにもっと切り込んでいく感があって圧倒されます。
<お昼ごはん> この日は「はなう」が貸切だったので、地下のカフェスペースで。
  
<建物と周辺> 夏のホキ美術館。
              
台風被害で収蔵庫が浸水し現在休館中とのこと。修復しなくてはいけない作品もあるようです。がんばってほしい!

8月20日「入江明日香」五浦美術館
 
以前、髙島屋美術サロンで1点だけ作品を見たことがあり、他の新人画家さん達の作品の中で「美しく孤高」という印象でした。今回の個展は高校時代から現在まで80点の作品が展示されるということで、興味深々でお出かけしてきました。
この美しい作品たちは、どうやって制作されているのかというと、手漉き和紙に銅板画を印刷してコラージュ、水彩・墨・拍・胡粉などを施すという、かなりオリジナルな技法で作られています。相当な工程を重ね合わせているにも関わらず、無理がなく流れるような透明感に溢れた作品たち。緻密で可憐なモチーフが絡み合いほどけるという危うい存在感。美しくかがやく色彩。どの作品も幻想の小宇宙を詰め込んだ小さな宝石箱のようでありました。

チームラボボーダーレスに行ってみた

2020-01-20 07:00:24 | 美術
眼鏡新調しました~見える!遠近両用ってすごいなぁ。でも…マジ高かった…いよいよガラホではLINEが使えなくなるらしいので、スマホに買い替えなければならないし。年明け早々結構な出費…痛いなぁ
さて、サクサク入力できるようになったので、去年の夏のイベントの続きをば。

8月第1週お台場にあるチームラボボーダーレスに行ってみました。新しいアートの世界はどんなものなのかなと。
 ゆりかもめ青海駅からスタート。
      
「境界のない1つの世界の中で、さまよい、探索し、発見する」…たしかに。おもしろーーい!自分の身体毎アートの世界に入る感覚。美しい世界が次々と自分の周りで展開していきます。…写真を撮るのが難しくって…もっときれいで圧倒的なのよ。
     
ティーハウス。お茶の中にそれぞれの花が咲き、刻々と移り変わる。
   
自分で描いたおさかなやちょうちょが動き回る。子どもたちおおはしゃぎ。
   若冲アート。
          
アート作品をみる時、私たちはその作品と対峙して脳内でその世界を広げて入り込む…こんな作業をしていると思う。それをここでは技術の力で自分の身体の周囲に実現してくれる。
でも…でもでも。アートの感じ方って自分脳内で行うから、個人的体験で人それぞれ独特なもの。それをこんな風にあからさまにして提示されるっていうのは…うーーん。なんだか感じ方を操作されている感は否めない。そして、もう一つの問題はその世界に他の来館者が入り込んでくること。それを「相互作用」と呼べるほど自分は人間できていないしなぁ~。もう少し来館者が少なければ、また感じ方が違ってくるのかもしれません。
ただ、新しいアートの一分野であることは確か。一度は行ってみるべきだと思います。できれば来館者が少なそうな時期を狙っていくことをお勧めします。

   
ヴィーナスフォートでパイコー麺とお汁粉。帰り道に新橋を通ったのですが…新橋駅前ビルの喫茶店のたたずまいに思わずほっとする。いつ建て直しになってしまうかわからないので、近いうちに行かねば。


マンガ展行ってきた

2019-08-12 19:41:28 | 美術
🎀その1🎀 きのう何食べた?展 GALLERY X BY PARCO
  
渋谷…なるべく行きたくないエリアでしたが仕方ない。ごちゃごちゃしていてわかりにくいスペイン坂を通って会場へ向かいます。
生原稿かと思って行ったのですが、残念ながら複製原稿。それでも充分端麗な画線を見ることができました。お目当てのグッズ、針ねずみTシャツは売り切れでした。だからといってにんべんの麺つゆ、何もここで買わなくてもねぇ…ということで、ナカムラヤのショッピングバッグを購入してきました。現在とっても活躍中です。
帰りがけロフトの前で、普通の中学生(スクールバック持ってた。学校名はヒミツな!)がキャッキャッいちゃいちゃしながら手を繋いでお店に入っていくのを見ました。本当にそこいらにいそうな中坊ふたりの自然な動きだったので、おもわず振り向いて2度見をしてしまった。時代は変わったのぉ~。とりたててイケメンではなかったけれど、なんだかキラキラ青春してたよ。眼福。

🎀その2🎀 萩尾望都ポーの一族展 銀座松屋
   
入口の演出(風の音ヒョォォォォ~!)…素敵でしたが、おばちゃんにはちょっと恥ずかしかったので(ごめんなさい)足早に通り過ぎて展示コーナーへ。
きゃ~すごい!「すきとおった銀の髪」から「エディス」までの原稿の数々。切り張りしてたり、スクリーントーンの指示がしてあったり、写植が張りなおしてあったり、手書きの網掛けや点描、ホワイトのかけ具合…モー様のこだわりが伝わってきます。どのシーンもどのコマも記憶に残っているので、ついつい隅々まで見てじっくり読んでしまう。ご来場の皆さんもご同様らしく、列の進みは極めて遅い(笑)。次は「トーマの心臓」から「湖畔にて」まで。なんたって創作ノートが興味深い。そして、これだけでは終わらない。初期作品「ルルとミミ」「精霊狩り」「キャベツ畑」「この娘うります!」「スターレッド」「11人いる!」「銀の三角」などの懐かしい作品も並びます。「トーマの心臓」の扉絵、読者プレゼント(少コミ、なんて贅沢な!)されてたんだね~。そしてそれを40年近く大切に保管しておいて、今回展示にご協力いただいた読者の方…感謝いたします。貴重なお作品を堪能いたしました。予告カット、興味深く拝見しました。縮小コピーとかじゃないんだね~1点1点が小さな宝石のような完成度。「返却希望」と余白に書かれているのもふむふむ…でした。
グッズはマスキングテープと「バラのロンド」のクリアファイルを購入。図録、特にモー様の創作ノートを再現したスケッチブック冊子にはココロ動かされたよ。キャラクターのデッサンとか名前の候補とか…先生の緻密な設定やネームの秘密がわかるファン垂涎ものです。
モー様の一連の作品は今回展示がなかったものでも、とっても素敵な作品がたくさんあります。「ビアンカ」「10月の少女たち」「みつくにの娘」「アメリカンパイ」「百億の昼と千億の夜」「とってもしあわせモトちゃん」「マリーン」甲斐バンドの名曲に乗せた「完全犯罪」「モザイク・ラセン」「ハーバルビューティ」「フラワーフェスティバル」に始まる一連のダンスもの(レヴィが好きです!)・・・うわー数えきれない!これから本棚をひっくり返して(せっかくお片付けしたばかりだというのに…)望都ワールドにひたります。



トム・サックス ティーセレモニー

2019-07-07 09:20:43 | 美術
日曜美術館のアートシーンで取り上げられ、目が釘付けになった。これは…すごいっ!見に行かねばなるまいよ!ってことで、6月はじめの日曜日、バスに乗ってオペラシティに行ってまいりました。
 
会場に入ると、まずは映像作品で茶会の準備の様子が手順に沿って映し出され、見る人のこころもちを茶会へといざなってくれます。
  椅子にもひとつひとつ異なるメッセージが書かれている。
「Narrow Gate」このたたずまいと存在感!
       
「Tadao Ando Wall(!!)」で仕切られた中門を通って茶室の世界へ。
        
どの作品も誰でも手に入りそうな素材を使って丁寧に生真面目に作ってあります。彼独自の解釈とセンスが揺るぎなく一貫しているからかな、不思議な潔さと清潔感を感じます。
CORRIDOR(回廊)の作品たち。最初にこっちだったか~。
      
温泉タオルや飛行機のブランケットなんかで作ってあるお軸。マックとかかっこよくないすか?
             HISTORICAL TEA ROOM の作品。マキタの茶筅!そしてNASAのお茶碗には金継ぎが!

この日はトム・サックスさんのお茶の先生、ジョニー・フォグさんによるティーセレモニーイベントがありました。
  
丁寧に準備を進めるフォグさん。お茶菓子のオレオの選別も大真面目に慎重に。形や向きを揃えるところに主人の心構えがある。
   
お子ちゃまがガン見(笑)…みんな何やってんのかなぁ~?

今回の展覧会、本当に茶道をやっている方たちはどう見るのかしら?少なくとも本阿弥光悦は面白がると思うなぁ~「おもろいやおまへんか!」てな具合で。現在の茶道…傍から見ていると、遠くて形式的で権威的なものを感じます。トム・サックス氏の世界、安価なものを工夫して、お客の心をいやす空間を作り上げる。そちらのほうがより、茶道の本質に近いのではないかと思います。面白かった!

 ショップに寄りましたが、お目当てのTシャツは売り切れ…。

「Kabuto」 今回のポスターとなっていた作品。正面から撮ってみました。完成度が高くて端正。この作品の一筆箋とかあったら買うのに。

  雨に濡れる中庭。ぐるぐるしているオペラシティ、いつも自分がどこにいるかわからなくなっちゃう。展覧会って夢中でみているとおなかがすくんだよね~。帰りにオムライスを食べました。



年度末の展覧会~アンドリュー・ワイエス展

2019-06-02 14:10:23 | 美術
四谷にある新宿愛住館という小さな美術館でアンドリュー・ワイエス展を見てきました。六本木から青山墓地を通って新宿にいくバスがあるのを思い出して、美術館のはしごです。
   すてきなエントランス。
ワイエスの「クリスティーナの世界」のための習作やデッサン、水彩画などがゆっくり見られてとても興味深かったです。オルソンハウスの模型も展示されており、見ごたえがありました。ささっと描いているデッサンが既に正確で完成度が高い。捉え方が的確なんでしょうな~。
帰り道、四谷三丁目の駅に向かってぶらぶら歩いていたら美味しそうなお寿司屋さんが!
 大阪鮓の「八竹」さんでした。お土産に買ったなんてことない海苔巻きが…うまい!今度は茶巾とか食べてみたいな。

年度末の展覧会~新国立美術館の公募展

2019-06-02 13:37:59 | 美術
春休み最後の3月31日、新国立美術館に写実絵画の公募展を見に行ってきました。広い会場にたくさんの作品…正直、世の中にこんなに絵を描いている人がいるんだと驚きました。写真OKだったので、すてきだな~と思う作品を撮ってみました。
                     皆さん「自分の表現」というものをとても真面目に考えて取り組んでおられる。
たくさんの作品に向き合っているとおなかがすきます。空いていたので、館内のポール・ボキューズ氏のレストランでランチをいただきました。お料理は…まあまあかな。
       2階のカフェはコーヒーカップだ♬
 
 

百貨店アートイベント

2019-05-04 08:21:54 | 美術
髙島屋でお買い物したら「手塚雄二展」の招待券をいただきました。髙島屋太っ腹~3月中旬に行ってきました。
 
思ったよりたくさんのお作品があって、見ごたえがありました。自然って美しくって永遠。

髙島屋っていったらやっぱりロブションに行かねば!
    
この日はランチにしました。良い素材を使っての斬新で驚きを感じる一皿が続きます。カフェではありますが、ロブション氏の料理に対する考え方を垣間見ることができるお店だと思っています。

この日は銀座松屋で「ベニシアさんの手作り暮らし展」も見てきました。会場は妙齢のご婦人たちでいっぱい。
     
大原のキッチンやお庭が再現されていました。ベニシアさんは自分の望む住空間を一生懸命手作りしていて、なんだかあったかくていいですね~。ベニシアさんのスケッチも何点か展示されていました。植物をスケッチするってことは、花びらや葉っぱをじっくり眺めることであり、ただ飾って眺めるより、その植物をぐっと身近に感じられます。お友達になれるっていうか。…私も久しぶりにお絵かきしてみようかな~。お隣ではマルティナさんの「魔法の毛糸展」も開催されていて、ご本人がいらしていました!思わずカシャ

年の瀬美術展~フェルメール・吉村芳生

2019-02-25 14:36:51 | 美術
さて、昨年末にお出かけした美術展。
 フェルメール展 上野の森美術館
思い起こせば2000年、20年近く前か…大阪市立美術館に「真珠の耳飾りの少女」を見に行きました。美術館前は長蛇の列、会場内もめちゃくちゃ混んでました。フェルメールのお作品はきれいな絵だな~とは思ったけれど…もう、なんだか人人人の波の合間から見るしかなかったのでじっくり見られませんでした。さらに、その時の大阪行きで出会った、天王寺動物園そばのおっちゃんたちの尋常なく突き抜けた青空カラオケとか、新世界のジュースやさんや串揚げ屋さんのパワーとか…そんなもんに脳内が占領されて、ほぼほぼ記憶がない(笑)。
最近、写実絵画を度々目にする機会があるのだけれども「テクニック凄いな~」で終わってしまうお作品も割とあります。フェルメールもさぁ~みんな騒いでいるけれど、発注受けて写真技術使って納期までに描いてる売り絵じゃないの?写実テクニック以上のものがあるの?などとちょっと斜めから見ておりました。今回の展覧会は時間予約制だし、前回よりはゆっくり見られるのかなと思って、そこを確かめに行ってみようと。
結果…すみません!フェルメール素晴らしかったです!!自分、思いあがってました~深く反省
金曜日の夕方6時に予約して、閉館ぎりぎりまで会場にいてしまいました。フェルメールの作品だけが同じお部屋にまとめられているのも良かったです。同時代のオランダ絵画も素敵だったのですが、やはり別格というか。
カメラを使っての正確なパースや色彩で一瞬を切り取った静かな絵画(だからみんなこの絵の前後に物語を作りたくなるのでしょうね)、画家の自己主張が介在しない絵画…と思わせておいて、実は、フェルメールはとってもとっても計算して絵を作り上げている。そうしたフェルメール独自のこだわりやテクニックを全く感じさせないところが、フェルメールの凄さでもありオリジナリティであると思います。対象があってフェルメールがいて、その間にこの絵がある。まるで「画家のアトリエ」の構図のように。この自然な感じ。でも、他の画家さんの絵とはどこか違う。みんなが魅かれるのもそこなのでしょう。

  吉村芳生展 東京ステーションギャラリー
「写真みたい」では済まない<何か>がある作品をひたすら描き続けた画家さんです。金網を17メートルに渡って延々と描いたドローイング作品、細かなマス目で分解された明暗で描いたジーンズや雨に濡れる舗道。毎日描いた小さな自画像、圧巻は新聞紙(これも手書き)に鉛筆で描かれた自画像。その根気や労力たるや、執念すら感じます。写実…というよりは「描く」とはどういうことなのかを徹底的に追及した人でもあると思います。色鉛筆で描き上げた藤やコスモス、水辺の光景も素晴らしい。写真では感じられない「何か」がある。ちょっとフェルメールに通じるところもあるのかもしれません。

東京ステーションギャラリーは展示会場を結ぶ階段なら写真が撮れます。
  素敵なアールデコ調のシャンデリアと円天井。
  焼け跡が残る煉瓦の壁。
   バルコニーからの眺めもすてきです。