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今回の旅行は岐阜県美術館の熊谷守一展を見るための企画でありました。7日のお昼頃に美術館到着。
…素晴らしかった!見応えあった!観たことない絵がいっぱいあった!
入館してすぐに「朝の日輪」と守一の写真。もうそれだけで胸は一杯になってしまう。何なんでしょうね?この感じ。
戦前の油絵・デッサン・スケッチ帳(すごく上手いです)にはじまり、萬さんが亡くなった頃に描かれた「白い蝶」「ヤキバノカエリ」、昭和30年以降の植物や虫や鳥たち。順を追って展示されています。
どれも素晴らしいですが、特に気に入ったのは晩年の「ひまわり」。戦前にも同じモチーフで「ひまわり」を描いていて(ちょっとゴッホ風です)あ~守一の絵って大きく作風が変わっているようで、変わらず一貫しているものがあるな~と実感できます。揚羽蝶も石亀もあじさいも蟻も卵も雨水も…みんな清楚でみずみずしい。
熊谷守一の絵は究極の具象であると思います。ヒトの脳は目から入ってきた対象を写真のように精密に認識しているのか?否、そうではないと思います。思うに何重ものフィルターのようなものを通過させて「本質」に近くなるとき、熊谷守一の絵のようになるのではないか?とひそかに思っています。「本質」は目にもココロにも心地よい。守一の絵には、程よい色の明度と分量が配されており、いつまでも観ていたい…と思わせる何かがあるのです。
「ヤキバノカエリ」以降の作品は大きな明るい室内に展示されており、1点1点をゆっくりのんびり観ていると、こころがはればれと解放されていくような気がします。岐阜県美術館のこの白い壁の大きな展示室は、天上からの柔らかい光が部屋いっぱいに広がって、展示室としてとても秀逸です。
これだけ多くの熊谷守一作品を一堂に集めた作品展、岐阜県美術館の学芸員の方々の並々ならぬ努力の賜物でありましょう。素晴らしかったです!
もう再びこれだけ大規模な作品展はないだろうな~と思うとちょっと寂しい気もしますが…とても満ち足りた気持ちで西岐阜駅に向かったのでした。帰りは名古屋から新幹線で。といっても、お安い「こだま」ですけどね。
岐阜って初めて行きましたが、なかなか良い街でありました。岐阜市内は名古屋のような京都のような…郡上八幡は木曽のような京都のような…不思議な街。妙に観光地化していないのもいいと思ったし、どちらの街もみんな自分の街が好き!って人が多いように感じます。そういう街は寛げるよね。また行きたいな~。
あ…そだ、今回の旅行のお土産は郡上八幡の「水の雫」。職場の皆様に大好評
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