taraの日常

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おじさん達の頑張り!Part2~貴婦人の訪問

2015-09-19 11:45:09 | 観劇
8月の観劇締めくくりは「貴婦人の訪問」。8月29日マチネシアタークリエに行ってきました。

<キャスト>
アルフレッド:山口祐一郎/クレア:涼風真世/マチルデ:春野寿美礼/マティアス(市長):今井清隆/クラウス(校長):石川禅/ゲルハルト(警察署長):今拓哉/ヨハネス(牧師):中山昇/若い時のクレア:飯野めぐみ/若い時のアルフレッド:寺元健一郎
<あらすじ> クリエHPより
億万長者の未亡人となったクレア(涼風真世)が財政破綻寸前の故郷、ギュレン市に戻ってきた。人々は、かつての恋人アルフレッド(山口祐一郎)がクレアに財政援助を頼んでくれることを期待していた。そして、クレアを迎える晩餐会。大々的な市への援助を約束したクレアだったが、多額の寄付金と引き換えにある条件を提示する。それは―「アルフレッドの死」。クレアの目的は?そして、家族や友人が、アルフレッドに対して下した決断とは―。

一緒に行った観劇お友達からは「後味あまり良くないみたいだよ~」と聞いていたのですが…なかなかどうして。結構見応えあったわよ?
とにかく!クレア以外はみんなクズなのであった。本当にどいつもこいつも!と言いたくなるくらい「だめじゃん!」な人たちなのですよ。目先のお金、自分さえ良ければ…という個々の欲望が、街ぐるみで束になると、狂気にも似た「正義」になっていく様子は妙にリアル。なんだかぞっとする。声高に「正義」を振りかざす集団って、ヒステリカルでとっても怖いよね。
まともなのはクレアだけだと思います。クレアの1幕終わりの「絶対許さない!」…圧巻でしたね。うん、そうだ!あんなロクデナシを許しちゃだめ!ってみんな心の中で「激しく同意」してた。きっと。

涼風さんの演じるクレア、素晴らしかった。姿勢や歩き方、身のこなし方は足を悪くした老婦人そのもの。涼風さんの身体能力の高さを実感します。1幕前半のクレアは冷たく厳しくて、恐ろしい。でもお話が進んでいくにつれて…なんだ~結局は「純愛のひと」なのね。あ~んな手の込んだ復讐、愛がなければできません。そう思うと「私を返して!」と歌うクレアの心が切なくて悲しい。

この舞台、いわゆるミュージカル…きらきらしていて楽しい!っていう舞台ではありませんでしたが、誰の心にも潜むエゴや憎しみをじわじわと見せてくれました。そして、それがそんなに嫌な感じにならなかったのは、涼風さんの深みのある演技と若いアルフレッドとクレアを演じたお二人(特に寺元くんはイイですね!)の爽やかさがあってこそだったと感じます。
しかし…コメディにする必要ってあったのかな?周りはとにかく、特にアルフレッド。それから、お金持ちの衣装も…ねぇ?ぶっとびすぎてて宝塚のレビューのお衣裳か?と思ってしまったよ。来年の再演では、ぜひご一考を。

さて、表題のおじさん達の頑張り。それはもちろん、キーヨ・禅ちゃん・今さん・中山さんの4人です。なんだ!あの4人並んでのはしゃぎっぷりは!可愛すぎんだろ。いずれもレミベテラン役者。こうも集まると耳福であります。このメンバーで帝劇の向こうを張って「シニアエリザ」できちゃうよ? トート:祐さん/シシィ:涼風さん/フランツ:禅ちゃん/シシィパパ:キーヨ/ルキーニ:今さん/エルマー:中山さん/ルドルフ:おさちゃん…ほらっ!完璧。リピーターだけのシークレット舞台とかにしちゃえばいいのに(笑)みんなきっと買うよ~チケット
そうそう、これだけは書いとかないと。「やーめーろー」…おおっ!やっぱり祐さんは良いなぁと思ってしまった瞬間でした。