taraの日常

好きなものいろいろ

モネそれからの100年展

2018-09-17 11:36:52 | 美術
 
ふと思い立って横浜美術館まで行ってきました。横浜美術館…なんていうか、この建物好きになれないんだよね~。エラそうで人を寄せ付けない感じ。人が集まる場所なのに寒々としている。でも、名古屋に行けなかったから仕方ない。

さて、モネ展は…面白かったよ!月曜日の昼間だけあって激混みまではいかなかったし、モネの絵以外はじっくり独り占めして見ることもできました。「モネ展」と思って見にいくとちょっと作品が少なくて肩透かし感があるかもしれません。100近い作品のうち、モネの作品は24点、日本にあるものを集めてきています(ほう…日本に結構あるんだなぁ)。しかも初期の風景画が多い。睡蓮も模索中の時代のお作品でした。妙齢のご婦人達が「あら!これだけ?」って言っていたのも頷ける。ふむふむ
でもね、何が面白かったって、いろんなジャンルの<モネ大好き>アーティストの作品を一度に見ることができる。いままでは「印象派」としての一括りで見ることが多かったモネを現代アートと一緒に見る面白さ。展示の仕方もテーマ別に並んでいて、モネ→現代アート→モネ→現代アート→時々モネ→コンテンポラリー!みたいなメリハリのある流れがあって、人だかりが緩和されるという効果もあります。
 「霧の中の太陽」いいなぁ~この空気感、うつろう光。
 モネの風景画のお隣にはマーク・ロスコの「赤の中の黒」「ボトル・グリーンと深い赤」。人間の精神や身体の中の奥行きと密度。モネの風景画と並べての展示、深く深く感心する。
 
続いては睡蓮へのオマージュ。リキテンスタイン「日本の橋のある睡蓮」・福田美蘭「睡蓮の池」
他にも映像や写真作品もいろいろあって、普段なら「現代美術わからね~」で終わってしまいそうな作品も、モネとの繋がりで見ると素直に楽しめるような気がするから不思議。
 最後は「バラの小道の家」…私はできればみんなに目を閉じて見てほしい。できないけど。モネの観念上の色彩と光、そしてそれはこんなに美しい。

 美術館のカフェでサンドイッチ。常設展は森村泰昌のでっかい作品とかでっかいカラス(濃い…濃ゆすぎる)かとおもえば小林清親の浮世絵とか下村観山の屏風とか。ま、クールダウンにはいいのかな。

ところで、横浜美術館さんにひとつ注文があります。それは照明の当て方。「モネの風景画は空気感が…」なんて解説しているくせに、ああも正面から光を当ててしまっては台無しであります。とくに「チャリング・クロス橋」は正面からの照明が額縁にあたってぺかぺか光ってしまい、その反射で肝心の絵がよく見えなくなってしまっています。斜めから見れば少しは照明の影響が少なくなりますが…。あと、児玉靖枝さんの白のデリケートな絵も上方の作品にまともに照明が当たってしまっていて、てかてかして何も見えない…。明るければいいってもんでもないと思うんだけどなぁ~。せっかくの素敵な企画だったので、そこは残念。