さて、昨年末にお出かけした美術展。
フェルメール展 上野の森美術館
思い起こせば2000年、20年近く前か…大阪市立美術館に「真珠の耳飾りの少女」を見に行きました。美術館前は長蛇の列、会場内もめちゃくちゃ混んでました。フェルメールのお作品はきれいな絵だな~とは思ったけれど…もう、なんだか人人人の波の合間から見るしかなかったのでじっくり見られませんでした。さらに、その時の大阪行きで出会った、天王寺動物園そばのおっちゃんたちの尋常なく突き抜けた青空カラオケとか、新世界のジュースやさんや串揚げ屋さんのパワーとか…そんなもんに脳内が占領されて、ほぼほぼ記憶がない(笑)。
最近、写実絵画を度々目にする機会があるのだけれども「テクニック凄いな~」で終わってしまうお作品も割とあります。フェルメールもさぁ~みんな騒いでいるけれど、発注受けて写真技術使って納期までに描いてる売り絵じゃないの?写実テクニック以上のものがあるの?などとちょっと斜めから見ておりました。今回の展覧会は時間予約制だし、前回よりはゆっくり見られるのかなと思って、そこを確かめに行ってみようと。
結果…すみません!フェルメール素晴らしかったです!!自分、思いあがってました~深く反省
金曜日の夕方6時に予約して、閉館ぎりぎりまで会場にいてしまいました。フェルメールの作品だけが同じお部屋にまとめられているのも良かったです。同時代のオランダ絵画も素敵だったのですが、やはり別格というか。
カメラを使っての正確なパースや色彩で一瞬を切り取った静かな絵画(だからみんなこの絵の前後に物語を作りたくなるのでしょうね)、画家の自己主張が介在しない絵画…と思わせておいて、実は、フェルメールはとってもとっても計算して絵を作り上げている。そうしたフェルメール独自のこだわりやテクニックを全く感じさせないところが、フェルメールの凄さでもありオリジナリティであると思います。対象があってフェルメールがいて、その間にこの絵がある。まるで「画家のアトリエ」の構図のように。この自然な感じ。でも、他の画家さんの絵とはどこか違う。みんなが魅かれるのもそこなのでしょう。
吉村芳生展 東京ステーションギャラリー
「写真みたい」では済まない<何か>がある作品をひたすら描き続けた画家さんです。金網を17メートルに渡って延々と描いたドローイング作品、細かなマス目で分解された明暗で描いたジーンズや雨に濡れる舗道。毎日描いた小さな自画像、圧巻は新聞紙(これも手書き)に鉛筆で描かれた自画像。その根気や労力たるや、執念すら感じます。写実…というよりは「描く」とはどういうことなのかを徹底的に追及した人でもあると思います。色鉛筆で描き上げた藤やコスモス、水辺の光景も素晴らしい。写真では感じられない「何か」がある。ちょっとフェルメールに通じるところもあるのかもしれません。
東京ステーションギャラリーは展示会場を結ぶ階段なら写真が撮れます。
素敵なアールデコ調のシャンデリアと円天井。
焼け跡が残る煉瓦の壁。
バルコニーからの眺めもすてきです。
フェルメール展 上野の森美術館
思い起こせば2000年、20年近く前か…大阪市立美術館に「真珠の耳飾りの少女」を見に行きました。美術館前は長蛇の列、会場内もめちゃくちゃ混んでました。フェルメールのお作品はきれいな絵だな~とは思ったけれど…もう、なんだか人人人の波の合間から見るしかなかったのでじっくり見られませんでした。さらに、その時の大阪行きで出会った、天王寺動物園そばのおっちゃんたちの尋常なく突き抜けた青空カラオケとか、新世界のジュースやさんや串揚げ屋さんのパワーとか…そんなもんに脳内が占領されて、ほぼほぼ記憶がない(笑)。
最近、写実絵画を度々目にする機会があるのだけれども「テクニック凄いな~」で終わってしまうお作品も割とあります。フェルメールもさぁ~みんな騒いでいるけれど、発注受けて写真技術使って納期までに描いてる売り絵じゃないの?写実テクニック以上のものがあるの?などとちょっと斜めから見ておりました。今回の展覧会は時間予約制だし、前回よりはゆっくり見られるのかなと思って、そこを確かめに行ってみようと。
結果…すみません!フェルメール素晴らしかったです!!自分、思いあがってました~深く反省
金曜日の夕方6時に予約して、閉館ぎりぎりまで会場にいてしまいました。フェルメールの作品だけが同じお部屋にまとめられているのも良かったです。同時代のオランダ絵画も素敵だったのですが、やはり別格というか。
カメラを使っての正確なパースや色彩で一瞬を切り取った静かな絵画(だからみんなこの絵の前後に物語を作りたくなるのでしょうね)、画家の自己主張が介在しない絵画…と思わせておいて、実は、フェルメールはとってもとっても計算して絵を作り上げている。そうしたフェルメール独自のこだわりやテクニックを全く感じさせないところが、フェルメールの凄さでもありオリジナリティであると思います。対象があってフェルメールがいて、その間にこの絵がある。まるで「画家のアトリエ」の構図のように。この自然な感じ。でも、他の画家さんの絵とはどこか違う。みんなが魅かれるのもそこなのでしょう。
吉村芳生展 東京ステーションギャラリー
「写真みたい」では済まない<何か>がある作品をひたすら描き続けた画家さんです。金網を17メートルに渡って延々と描いたドローイング作品、細かなマス目で分解された明暗で描いたジーンズや雨に濡れる舗道。毎日描いた小さな自画像、圧巻は新聞紙(これも手書き)に鉛筆で描かれた自画像。その根気や労力たるや、執念すら感じます。写実…というよりは「描く」とはどういうことなのかを徹底的に追及した人でもあると思います。色鉛筆で描き上げた藤やコスモス、水辺の光景も素晴らしい。写真では感じられない「何か」がある。ちょっとフェルメールに通じるところもあるのかもしれません。
東京ステーションギャラリーは展示会場を結ぶ階段なら写真が撮れます。
素敵なアールデコ調のシャンデリアと円天井。
焼け跡が残る煉瓦の壁。
バルコニーからの眺めもすてきです。