青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

去り行く者へのララバイ

2018年03月24日 21時36分28秒 | 京浜急行

(白窓リバイバル当時のお姿@井土ヶ谷駅)

明日3月25日は中央東線で豊田区189系の団臨、そして京急線では2000形がラストランを迎えますが、そう言えば京急の2000とかこのブログであまり話題にしてませんでしたね。ってな訳で今日のトップ画像はリバイバル塗装で復活した京急2000形のリバイバル直後の晴れ姿を。割と189系の話題ばかりで京急2000形はそこまでネタになってないような気もしましたけど、先日金沢文庫で売り出されたラストランツアーの抽選権付きの記念切符がアホみたいに並んだって聞いてビックリ。そこまで人気あったのかよ!って思ってしまった。


自分は仕事でも京急使うんですが、あまり話題にもしなかったのは普段使いの中で運用に入って変わらずに横浜の駅とかで見る事も多かったんで、特段「ああ、なくなるなあ…」という感慨が少ないのもあると思います。デビュー当時は2ドアのクロスシートで颯爽と登場し、快特120km/h運転の口火を切った快速ランナー。この車両が登場した直後は横浜から上り快特のマスコンを握る京急の運転士にも力が入ったとかw


そんなこんなで、引退前にカットを稼ぎに…という気持ちにもあまりならなかったのは、まあまあカメラを向ける機会も多い車両でしたのでね。そこまで前のめりになる事もなかった。それでも独特のくの字折れのフロントマスクと全面非対称のブラックフェイスは、いわゆる昭和50年代の鉄道車両の流行をバリバリに残していて特徴のある顔でしたな。


普段はエア急に入ることの多い2000形の特急運用。雨の中散り行く桜の南郷公園から。歳月の過ぎる事の速さを例えて、1月は「行く」、2月は「逃げる」、3月は「去る」なんて申しますが、ことさらに鉄道マニアにその言葉は当てはまります。何でかってーと、だいたい年度末の3月のダイヤ改正があって、それに合わせて何らかの列車や車両が廃止だの引退だのになってしまう事が多いからね。

 

1月に「そろそろあの列車3月の改正でなくなるから撮りに行かなきゃなあ」で「行く」。
2月は引退する車両を撮影しながら「あんなカットでも撮っときたかったけど、撮り逃しちゃったなあ」で「逃げる」。
3月は文字通りラストラン、沿線で去り行く列車(車両)を見送りながらの「去る」。
だいたい鉄道マニア(特に「撮り鉄」)は、こんな感じで生きている人間が多いのではないだろうか(笑)。
幾年の歳時記を刻んで来た車両の最後の日々。ジョイナスと、帷子川と、高島屋というハマの三点セットの中を行く2000形にカメラを向けた私も、やっぱりその口なのでありました。

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夜のダルマ市

2016年11月16日 22時42分27秒 | 京浜急行

(傾きダルマ@能見台駅)

先週の土曜日に、京急の800形のうち1編成がデビュー当時のカラーリング(窓回り白帯)にして出場して来ました。2年前の2000形と同様の、いわゆる最近流行りのリバイバルカラー。出場した翌日から普通列車の運用に入っているとの事だったのでどっかで捕まえられればと思っていたんだけど、ちょうど夕方の下り浦賀行きに入っているところを能見台でキャッチ。能見台の駅はカントがきつすぎて後ろが入らなかったのが誤算w


エアポート急行が中心となる2000形の時と違って、普通運用の800形は退避も多い事から追い掛け回す事も可能。能見台が消化不良だったんで後続の快特に乗って京急大津まで先回り。フツーのお客さんからしたら「窓回りが白くなったからって何が変わるんだ」とお思いでしょうが、窓回りを白窓にしただけでノーブルな感じになるから不思議。


上大岡の4番で快特・回送・エア急と3本に抜かれて10分待ちのリバイバルダルマ。出場5日目なので塗装がめちゃくちゃピカピカで、蛍光灯の光の下ではかえって撮りづらいな(笑)。リバイバルカラーと言われるとホイホイ撮りに行ってしまうのもこちらを見透かされているようで悔しいのだが、正直ヘッドマークはいらんかったかも。


最後は南太田退避で締め。台車と床下機器もピッカピカです。今回リバイバルカラーでにわかに注目を集めた京急の800形ですが、2000形同様リバイバルカラーが始まったと言う事は最後の思い出作りみたいなもんで、車種としての淘汰も始まっている事の裏返しなんですよね。南太田の中線を落成したばかりの新1000形の1600番台(6連)が走って行きましたが、6両編成が新造されるたびに800形は古い型番から順番に廃車になっているので、この愛らしい姿を見る事もそう長くはないんでしょう。今さら4連に改造して大師線行きとかもなさそうなんで、落ちる時は結構あっという間のような気がするな。
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桜妖しく

2016年04月04日 01時51分45秒 | 京浜急行

(燃えて咲く花 色は紫@南郷公園)

谷戸のどん詰まりの路地から、南郷公園に移動して来ました。いよいよ桜満開の日曜日、本当であれば朝早くから花見客で賑わうはずの公園も、しとどの雨に濡れて静か。公園に繋がる坂道に、雨に打たれてほろほろと花びらが早くも散り始めています。


咲き誇る桜を入れての撮影ですが、正直露出もないし普通に撮ったらどん曇りの中の冴えない花写真になるなあ…って事で、雰囲気重視でWBをいじっています。ちょっとマゼンタが混ざったような色にして、桜の妖しさと言うか艶っぽさを出してみたのですがどんなもんでしょうか(笑)。




ここの南郷公園の立ち位置はスイートスポットがホント少なくて、たぶん立ち位置としては1人か2人が限界かもしれません。まあ、この日は結局朝からずーっと雨模様で撮影などしている人間は私しかいなかったんで全く問題なかったんですけどね(笑)。


特急青砥行きのイエローハッピートレイン。後追いのアングルをどう撮ろうか色々考えてこんな感じに。ピン桜、手前はブラし、奥は止めという五七五でまとめてみたのですが。うーん、YHTだけは色味を変えないでノーマルで撮ったほうが良かったかもな。これでは特徴である明るい黄色があまり出て来ないような。


雨は止まず、ヘボいビニール傘しか持っていなかった私も足元から雨に濡れて体が冷えて来ました。たまーに通る近所の住民の奇異の目(ようやるねえ、的な)が痛いのですが、品川から戻って来る台鐡京急をこのアングルで撮ったら撤収だ。そう思って雨の中で待ち続け、さあ来いと待ち構えてファインダーを覗いたら、台鐡京急で来るスジ(601C)が2000の8連に差し変わっていた…おお…なんと無慈悲な仕打ちに言葉もない(笑)。

京急の場合、車両の差し替えなんか日常茶飯事なんで大して驚きゃしないけど、何でだという気持ちだけが残る南郷公園でしたw
リベンジの機会は、あるか?
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春雨に濡れる谷戸

2016年04月03日 23時09分34秒 | 京浜急行

(春雨に濡れる谷戸@追浜~京急田浦間)

追浜の先から堀ノ内まで、三浦半島の脊梁をなす山並みが海岸線に迫り出す急峻な地形の中を行く京浜急行。トンネルに続くトンネルと、その合間には谷戸と呼ばれる集落が細長く山筋に向かって伸びている。春の朝、露出限界ギリギリの暖かい雨に濡れる船越の谷戸、霞の向こうには今まさに繚乱と咲き誇る南郷公園の桜の花。


昨日「今年の桜、撮るなら天気関係ない夜桜がいいよ」なんて書きましたが、それでも桜が咲いていればたとえ雨が降ろうと休みの貴重な時間にカメラを握るのもそれは撮り鉄の性と言うものなのかもしれません。谷戸にありがちな家の前に車が入れない細い階段状の路地に立って、トンネルの坑口の上から見下ろす船越の谷戸。駅から歩いて5分の圏内ではありますが、右を見ても左を見ても切り立った崖に阻まれた開放感の乏しい空間。そんな場所でも家を建て、崖を背負い人が住んでいる。横須賀らしい光景ではある。


南郷公園の背後に迫る尾根の急な斜面にも家が建っていて、その先に段々畑が続いている。田浦の周辺は山の段々畑に梅が植わっているところが多く、「田浦の梅林」としてちょこっと有名だったりしますが、この斜面が度々の崩壊で鉄道の線路に直接の被害を及ぼす事も多かったりして…そこかしこで法面の補修やトンネルの修繕が続いていて、この辺りが京急線内でも一番保線状況に気の抜けない区間なのではないですかねえ。南郷公園の桜をバックに、追浜6号踏切から浦郷のトンネルへ加速して行く台鐡京急。本日は久里浜出庫から朝の上り特急品川行き(601C)で運用スタートです。
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春は宵闇

2016年04月01日 00時01分52秒 | 京浜急行

(乗務員交替@金沢文庫駅)

何だか風も春めいて、そろそろコートも不要になって来ましたね。相変わらずの台鐡京急、ウイング2号の京急久里浜行き。文庫と言えば乗務員交代があったり、増解結があったり色々と忙しい駅ですが、今日も今日とて一分一秒を惜しむがごとき早業の乗務員交替。指導乗務員が付いた若い運転士さんの大きな声がホームに響いて…


構図に何のひねりもないのが非常に申し訳ないのですが、黄色のゼブラマークと夜を思わせる深いブルーに白い帯というたっぷりとした色味の良さを味わいます。この「青・黄色・黒」の色の取り合わせはよく考えたら図研の勝負服と同じだな。どうりで強そうに見えると思ったよ(笑)。


先日は4+4でエア急に入っていた新型1800番台、今日は4連のブツにされて品川方で待機しております。上りの快特へ増結されるんでしょうね。ちょっとペッタンコの顔が水銀灯に照らされて。


金沢文庫名物のホーム真ん中に突っ立っている場内信号機。朝のラッシュ時の増結をスムーズに行えるよう、ギリギリまで後続の列車を引っ張り込む工夫が凝らされています。ラッシュ時間帯の下り快特はここで後ろ4両を解放。久里浜方へ快特を先行させた後、ヘルメット姿の運転主任さんが早々に増結編成を車庫線へ引き上げる準備を行いますが、そのテキパキとした身のこなしと絶妙な連結テクニックが京急の定時運行を支えておるのであります。

京急・朝と昼の連結シーン

金沢文庫の駅ってのは、朝のラッシュ時間に乗客が増結車両の座席狙いで3列×3組で整然と並ぶさまがまさに「企業戦士ガンダム」と言うか「ザ・社畜」と言う感じがして壮観なものがあります。勤勉な日本人の縮図と言うか(笑)。あれを見て「Oh!エコノミックアニマル!」と言わない外国人はいないと思う(笑)。
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