(空より蒼く、海より碧く@海鹿島~君ヶ浜間)
さて、正月三が日はとくに出掛ける予定もございませんが、年末の銚子遠征からいくつかのカットを。銚子に到着してまず座を構えたのが君ヶ浜のキャベツ畑、というか銚電で開けた構図を作りたいならここしかないという場所。この風景はそれこそ前回来た10年前とそう変わらず、走って来る電車だけが変わっていました。この日は京王の2010系改造のデハ2000と、京王のデハ5000系改造のデハ3000の2形式が充当されていました。コバルトブルーの青空に、群青の海と白波のラインをあしらった海の街らしいカラーが朝日に映えます。
まだ作付けされてから浅いキャベツの畝を行くデハ3000。旧型車からの体質改善で導入したデハ2000&3000は、銚子電鉄では初めての冷房車になりますが、銚子は沖合で寒流の親潮(千島海流)と暖流の黒潮がぶつかる海洋性の気候であり、夏でもそう暑くなる場所ではありません。冷房がなくても、以前は窓を開けておれば風が入って来て、そこまで不快な思いをする事もありませんでしたが最近はどうなんでしょう。酷暑と言われる最近の夏でも去年の8月で最高が32℃くらいだったみたいだからそこまででもないよね。同じ県内でも牛久(上総牛久)が37℃だからだいぶ違う。
そしてこのデハ3000のカラーは、過去に銚子電鉄で観光用に活躍していた遊覧車「澪つくし号」のカラーリングを踏襲しています。澪つくし号は、国鉄の車掌車の中身をくり抜き座席と窓枠を付けたトロッコ車両で、昭和60年に国鉄から購入して改造。銚子電鉄では夏場のイベント列車として活躍していたそうですが、走っている姿を見た事はなかったですねえ。運転時は定期列車に連結して走っていたらしいが、いつまで走っていたのだろう。外川の留置線に放り投げられていた澪つくし号ことユ101。先代の伊予鉄からの譲渡車両だったデハ801の姿も懐かしい、平成18年暮れの外川。
京王5000系は、京王での引退後に系列の京王重機整備にて大量に改造され、富士急行を始め一畑電鉄、高松琴平電鉄、伊予鉄、そして電装解除されわたらせ渓谷鉄道(トロッコ客車)へと譲渡されましたが、富士急からは岳南鉄道、伊予鉄から銚子電鉄と二度目の譲渡が発生している車両もあります。片開き3ドア18m車という取り回しの良さで、東急7000系シリーズや西武新101系シリーズと肩を並べる地方私鉄の一大勢力となっていますが、個人的にも京王5000系って優美な裾絞りのスタイルと女性的なデザインで京王の中でも一番好きなクルマだったんで、こうして未だに活躍の場が与えられているのは嬉しいことです。
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