(TRIAL RUN!@荏原踏切)
大平台隧道東口から少し下って荏原踏切へ。この時期の荏原踏切周辺は、線路沿いを走る小径に沿って目にも鮮やかな青紅葉のトンネルが続きます。マルハチマルキューのコンビと同じ日に試運転に駆り出されていた、ベルニナ号1000形のB1(1001-2201-1002)編成。 旧型車の【試】の丸看も良いのですが、ベルニナが掲げる「TRIAL RUN」のLED表示がカッコいいですね。試運転に臨む乗務員たちもマスク着用の防護態勢。これからの時代常にこうであろうなという気がしますが、熱気のこもりやすい乗務員室、冷房はあると言えどもこれから夏は大変でしょうねえ・・・
上大平台信号場への進入を後追いで。1001側には普段使われない補助パンタが乗っているのですが、架線の錆び取り的な意味合いもあるのか、朝一番の試運転列車では全パン上昇で運行しているシーンもあるようです。登山線の試運転は結構早くて平日は朝8時前から運行を開始しているようなので、ひょっとしたら早起きは三文の徳的な場面が見られたりするのかもしれませんね。
旧型車や最新型のアレグラの陰に隠れた形にはなっていますが、1000形が新製投入された際は登山鉄道50年ぶりの新車、ということでだいぶ持て囃されたのも懐かしい話。既にデビューから40年弱が経過していて、大手私鉄であればとっくに置き換えの対象になってもおかしくない車齢なんですけど、登山電車は1両ごとの価格が高いですからね。アレグラで1両3億とか聞きましたけど、車内設備もともかくブレーキ関係のシステムが複雑かつ高価なため、車両メーカーでも一品モノの特注品みたいな部品が多くて、そうおいそれとは置き換えが出来ないシロモノではあるらしい・・・
青紅葉が日の光に透けている荏原踏切。夏を思わせる日差しに、地面から立ち上がるモワっとした空気の中で折り返しの試運転を待ちます。遠くから輪音が聞こえて大平台、踏切が鳴って姫之湯、フランジ音が止まって上大平台・・・音で列車の位置を聞き分けるのも箱根登山鉄道の愉しみ。やや抑えめなモーター音と掠れるようなフランジ音を響かせて、荏原踏切を行くB1編成。ファインダーの中で、新緑と深紅の見事なコントラストを描きました。
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