青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

100円あれば大富豪。

2023年09月21日 22時00分00秒 | 一畑電車

(昔懐かし、駅前商店@武志駅)

電鉄出雲市と川跡の間、田園地帯の集落の片隅に、ちんまりと佇む武志(たけし)の駅。大社へ向かう線路が分かれるお隣の川跡の駅に比べると、片面単式のホームに小さな待合室があるだけの何の変哲もない駅だが、駅横の踏切の袂に、いい感じの昭和の雰囲気が満ち満ちた駅前個人商店があった。子供のころ、学校や路地にあった駄菓子屋混じりのこういう感じの店は、私たち子供のカラーバットでやる野球の合間のブレイクタイムであったり、学校帰りに雨宿りをするカラーの日よけであったり、入荷してきた少年ジャンプを誰が最初に読むかを競ったり、コーラの空き瓶を三つ拾っては30円の二つ棒付きのソーダアイスと交換してもらったり・・・そういう地域の子供たちの仲を取り持つ生活のオアシスでもあった。

勇気を出してお店に入り、中の雰囲気を写真に撮らせてもらおうかな・・・?などと逡巡してしまったが、そんな不躾なことを言うのも野暮だなという思いもあり。店内の雰囲気は、思った通りの小学校時代の駄菓子屋のそれで、ビールケースを逆さに重ねた陳列棚に、色とりどりの駄菓子が雑然と置かれていた。その他にも生活雑貨やパンやコーヒー、お酒にジュースにカワキモノ。そりゃあ品ぞろえはセブンやローソンなどのコンビニなんかにゃ負けるのであるが、それでもこの時代にここまで残っているのが奇跡のような駅前商店。地域のインフラを静かに支えているのでありました。

物静かな老店主から駄菓子を買い、外の自販機で缶コーヒーを購入して電車が来るのを待つ。蒲焼きさん太郎とか20年ぶりに食ったぜ。電鉄出雲市行きの急行電車が、武志の駅を通過。店の軒先の鉢植えが、風で揺らめきました。


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