青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

養老伊吹を仰ぎ見て。

2023年10月28日 10時00分00秒 | 養老鉄道

(養老線唯一の高架駅@烏江駅)

今回の養老線訪問、午前中は美濃高田周辺を中心に撮影したり、薩摩カイコウズ街道でお肉を買ったりしながらのんびりと。養老線は、基本的に養老山地に沿って西濃の山すそをタテ方向に移動していく路線ですが、美濃高田から烏江にかけて、ここだけ線路が東西に走って光線状態が良かったのと、大きく田園地帯が広がっていてアングルが組みやすかったのでねえ。養老線唯一の高架駅である烏江駅、駅下のパークアンドライド用の駐車場にクルマを止めて、ここからは養老線の電車に乗ってみます。既に全線完乗済みではあるのですが。

結構高い位置にある烏江の駅。濃尾平野の西部は、極めてフラットな低湿地帯平野が延々と続いていて、その中を木曽・揖斐・長良の木曽三川がほぼ併走するような形で伊勢湾に向かって流れています。その揖斐川に流れ込む牧田川と杭瀬川の合流点を、養老線は北から西へ進路を変えながら大きな高架線で越えています。高架化は、牧田川と杭瀬川の堤防の改修工事に伴って行われた線路のかさ上げなんでしょうが、駅の下に河川改修前の牧田川の鉄橋のトラスが残されていて、旧線と新線の高さの違いを実感することが出来ます。烏江駅は大垣市と養老町の境目にあり、海岸線からはおそらく30kmも40kmも離れていると思われますが、標高で言えばたったの3m程度。どんだけまっ平らなんだという濃尾平野なのだけれども、だからこそ伊勢湾台風で大きな被害を受けましたし、太古の昔から、この辺りの暮らしというのは水との闘いの歴史でもあります。

まあそれにしてもこの烏江駅からのパノラマ、周りに何にも高い建物のない田園地帯の高架駅からは、スッコーンと抜けた秋晴れの風景の向こうに、伊吹山地と養老山地の山々の連なりが望める。そして、伊吹養老の両山地の間で落ちくぼんだ境目にあるのが、天下分け目の関ヶ原ということか。・・・なんて遠来の旅の人間は思ってしまうのであるが、近くの高校から部活終わりで戻って来た地元のJKたちは、いつもの風景にはお構いなしにホームで駄弁るのであった。秋だけど、私たちは、いつだってアオハル。

お喋りに興じる地元JKを迎えに来た緑ラインの7700系。2連。養老鉄道は2連と3連の2タイプをごちゃ混ぜにして運用に入れており、両数は一定しません。トップライトで陰影が付いて渋いですね。7700系が走っていた高架駅と言うと大崎広小路って感じかな?


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