ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

マラヴィータ

2018年02月08日 | ネタバレなし批評篇


丸くなった丸くなったとはいうけれど、やっぱりマフィア映画といえばデ・ニ―ロ、アプローチの必要がまったくといってないほど、本作のキャスティングがピタリとはまっている。

仲間をFBIに売ったおかげで、証人保護プログラムの監視下におかれるジョバンニがマフィアの雇った殺し屋に追われ、フランスはノルマンディーのとある街に引っ越すところからお話が始まる。

「地域の生活に馴染め」との指示をFBI監視官(トミー・リー・ジョーンズ)から受けるジョバンニことブレイク(デ・ニーロ)だったが、水道トラブル等の日常生活で嫌なことがある度にぶちギレて、相手を半殺しの目にあわせてしまう。

カミサンのマギー(ミシェル・ファイファー)はせっかく過去の罪を懺悔した教会を出禁になってしまうし、アンファンテリブルたちも過激すぎる性格が災いし、恋や学校生活がうまくいくはずもなく、それぞれの事情で家族から独立しようとするのだが…

本作の製作を担当している盟友スコセッシが監督した『グッドフェローズ』をデ・ニーロとジョーンズが地元の映画会で観賞するくだりがあるのだが、これが抱腹絶倒。上映終了後感想を求められたデ・ニーロが、マフィア時代の武勇伝を感傷的に語りだしたからさあ大変。

身振り手振りをまじえてはっちゃけまくったデ・ニーロが逆に地元のフランス人から拍手喝采を浴びてしまい、監視役で同行していたジョーンズの居場所がなくなってしまうという落ちが何とも笑えるのだ。

デ・二ーロ本人も出演した映画のセルフ・パロディともなっている本作のタイトル『マラヴィータ』とは、イタリア語で“裏社会”を意味するらしい。ラスト近くのシーンで、実は飼い犬の名前であることが観客に知らされる。

堅気の人間にはけっして手を出さないという暗黙のルールをすっかり忘れてしまったジョバンニたち裏社会の人々。そのルールを忠実に守ったのが、実はその名を冠したワンコだけという偶然にしてはあまりにも出来すぎの1本だ。

マラヴィータ
監督 リュック・ベンソン(2013年)
[オススメ度 ]
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