アルバム・カバー曲3曲めは、ぴんからトリオ(のちにぴんから兄弟)の「女のみち」です。Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=_sGV9TIfAtc
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/174508/
1972年、1973年のオリコン年間ランキング第1位、テープも含めた総売り上げが400万枚という空前の大ヒットを記録した、究極のど演歌ですね。
元々はコミックバンドだったぴんからトリオが結成10周年を記念して、知り合いから資金を出してもらって300枚を自主制作したレコードが、巡り巡ってコロムビアから再発売されたのだそうです。たしかコロムビアはこの曲のヒットによって赤阪に自社ビルを建てたのではなかったかと思います。そのビルも2005年に手放しますが。
私は高校生でしたから、この歌がテレビから溢れるように流れていたのを知っていますが、どうしてそこまで大ヒットしたのか、世間の人に歓迎されたのか、今もって理解出来ていません。
1972年といえば、ウーマンリブ運動が日本でも注目されるようになった年。そうした空気に対して真逆の女性像を歌った曲がヒットしたというのも何か示唆的な気がしますが、それだけではこれほどまでのヒットにはならないでしょう。
失礼を承知で言わせていただけば、この曲の一番の特徴はリードボーカルの宮史郎さんの決して上品ではない声の出し方と歌い方にあるような気がします。どういう理由かはよく分からないけれど、たぶんそれが聴く人にはクセになる心地よさだったのかなぁと。
Kiinaが「女のみち」のカバーに当たって、どんな気持ちで歌ったのか、この時のインタビューが手元にないのと、コンサートのMCでも私のメモには書かれていないので分からないところがあります。
Kiinaはこの究極のど演歌をしっかりど演歌として歌い切っていますね。さすがです。
ただし、残念ながらKiinaはどう頑張っても下品には歌えません。内面から滲み出る気品が邪魔をするのでしょう。
なので、この「女のみち」は、ぴんからトリオの「女のみち」とはまったく別の曲のように私には聴こえます。
それはそれとして、やっぱり私の好きな女性像は「女のみち」ではなくて「女の意地」の方だなぁと、あらためて思った次第です。