浪曲師南條文若から歌謡曲歌手三波春夫に転身して、初めてのヒット曲はとなった「チャンチキおけさ」です。
https://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCP-32206.html
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/17309/
作詞は「船方さんよ」と同じ門井八郎さん、作曲の長津義司さんは後に三波さんに「大利根無情」を提供されています。
都会の〜東京でしょうか、片隅の路地裏の屋台でお酒を呑みながら唄うふるさとの「佐渡おけさ」。
都会に出てきたはいいけれど、身を立てることも出来ないまま帰るに帰れない。そんな同じ境遇の者同士がほんの一晩おけさ節で繋がっている情景は、地方から都会へ人が流出した時代背景の中で多くの人が共感を覚えたのでしょうね。
侘しくやるせない光景ですが、軽快な曲調と三波さんの明るい歌声、それと「チャンチキ」という擬音の響きが歌の印象を明るくしているのでしょうか。
Kiinaの「チャンチキおけさ」は、アレンジもオリジナルをそのまま踏襲し、三波さんと同じように明るさのある声で伸びやかに歌っていますね。
振り返ってみれば、こうした人たちの労働力によって戦後の日本の経済復興と経済的成長は支えられたのですよね。
帰るに帰れない故郷の歌を口ずさんで、明日もまた働こうという活力にしたんだろうなぁと。私のひとつ前の世代の方々の頑張りがあっての、今の日本があるんだと、Kiinaの「チャンチキおけさ」を聴きながら、あの時代に思いを馳せました。
余談ですが、佐渡おけさが出てくる歌と言えば、「麦と兵隊」もありますね。
「徐州徐州と人馬は進む 徐州居よいか住みよいか」
佐渡おけさは郷愁を誘いやすいのでしょうか。
「秋田おばこ」だと、みんなで口ずさんでしみじみする感じにはならないかもσ(^_^;)