アルバム10曲めは、畠山みどりさんの「出世街道」です。Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=ZUynHRlSqiM
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/138427/
1962年、畠山さんの3曲めのシングルでした。
世はまさに高度経済成長期の真っただ中。一億総上昇志向の時代です。ひたすら前向きな言葉を並べた星野哲郎さんの歌詞に、市川昭介さんは真逆とも言えるマイナー調のメロディーをつけました。
すごい!私はこれによってこの曲にグッと深みが出たのだと、「出世街道」はマイナー調のメロディーだったから多くの人の共感を得たのだと思います。
Kiinaはこの曲を王道演歌として真正面から取り組んでいますね。堂々とした力強い歌いぶりの中にコブシも巻き舌も満載です。
その中で1箇所だけ、3番の歌詞に気になる箇所が。
「おれの墓場は おいらが探す」と堂々と言い切った後の「そうだその気で」の「だ」Kiinaの声が何故か悲しげというか切なげに聴こえるのです。畠山さんはそんな歌い方はされていませんし、Kiinaに何か特別な意図があったのかどうか。
でも、私はこの部分のKiinaの声の出し方がとても好きなのです。
曲全体の歌い方としては、数あるKiinaの男歌の中でもひと際「男らしさ」を強調した歌いぶり。この歌い方は「男の絶唱」の系譜に繋がるのかな?という気がします。
私はこの「出世街道」という曲が大好きで、残念ながらKiinaはあまりコンサートでは歌ってくれませんでしたが、年末の歌謡番組で本家本元の畠山みどりさんがお元気な袴姿でこの歌を歌ってくださるのを拝見するのがとても楽しみでした。