KIINA.の明治座公演成功がひとつの突破口になって(絶対そうだと思います)、少しずつ手探りしながら再開に向けて動き出したエンタメ界。
10月15日にはNHKホールに総勢19組のアーティストを集めての豪華な「靳・BS日本のうた」の収録が行われました。ただし観覧は通常の半分以下です。
東日本のリーダー細川たかしさん、西日本のリーダーKIINA.で、東西対抗戦の歌披露。KIINA.は九州をテーマにした「さすらい慕情」を歌ってくれました。
続く10月18日には、大阪フェスティバルホールで実に8か月ぶりにツアーコンサートが再開されました。
KIINA.は「それぞれの花のように」「天地人」「最上の船頭」と3曲歌った後のMCで、第一声の「ありがとうございます」に鳴りやまない拍手に、声を詰まらせ「今から泣いたら後半持ちませんから」と懸命に堪えていました。
私も感無量でした。大阪でもどこでも、とにかく一日でも早くツアーコンサートに参加したかったのです。(ドラムの松本さんのご結婚が発表されました)
後半には「不思議の国」や「Never give up」「ボヘミアン・ラプソディ」そしてもちろん「限界突破×サバイバー」といったポップスもセットリストに入っていました。
「様々な歌を歌いたいという気持ちでデビューしましたから、それが20年たってやっと実現しました」とKIINA,。
その「大切なものを届けるための歌にジャンルの隔たりはない」というKIINA.の固い信念を形にしたのが、10月13日リリースされたアルバム「生々流転」だったと言えるのではないでしょうか。
MVが3曲ついた初回限定盤のAタイプとhttps://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COZP-1681-2.html
DVDなしのBタイプhttps://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCP-41251.html
の2タイプで出されました。
これまでの「演歌名曲コレクション」シリーズが原則前半オリジナルの演歌、後半昭和の名曲のカバーという構成だったのに対し、このアルバムは前半が演歌・歌謡曲、後半がポップスの2部構成になっています。
きっとKIINA.は本当はずーっとこんなアルバムを出したいと思っていたのではないでしょうか。
正直なところ、いくら安定を求める(=冒険を避ける)コロムビアさんでも「演歌名曲コレクション」シリーズは長すぎたと私は思っていました。
KIINA.ご自身は「前作アルバム『Papillon』より今回の方が演歌テイストが入った分だけ難しかった」とインタビューでお話ししていますが、私は個人的に「生々流転」は大好きなアルバムです。「北の一番船」と「枯葉」を1枚のアルバムに入れられる歌手は何人もいません。