この年の6月にはデビュー10周年記念企画の一環として、全国5か所で計5000人のファンと握手会が開催されました。
一般的に演歌・歌謡曲の営業手段として、CDを購入した人はその場で握手が出来る、というパターンが多いようなのですが、Kiinaに限っては例外で、5000人であっても落選に涙するファンが多かったですよね。(何度も経験済みです)
そして、満を持しての8月19日、デビュー10周年記念曲題2弾「ときめきのルンバ」が発売されました。
初回限定盤(Aタイプ)と
https://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCA-16302.html
通常盤(Bタイプ)のジャケットです。
https://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCA-16303.html
2009年前半のシングル曲「浪曲一代」は、言ってみれば長良会長の半ば個人的な思い入れもあって出された曲。最初から10周年を飾る勝負曲としては事務所もコロムビアも「ときめきのルンバ」に力を注ぎ、その勢いで10周年の武道館公演を盛り上げようという戦略だったのだろうと思います。
PRのためにラッピングバスを仕立て、全国を走らせて10月1日に武道館でゴール、という企画も立てられました。
発売日前日、浅草寺境内で行われた出陣式の記事がまだネットに残っていました。
スポニチ「氷川きよし 浅草でセクシーに?新曲発表」https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2009/08/18/kiji/K20090818Z00000750.html
今だから正直に打ち明けますが、「5000人」の主催者発表は凄い大風呂敷だなぁ(笑)と、あの時現場にいた参加者としてちょっと(かなり)呆れました。浅草寺の一般参拝客と雷門通りの通行人を入れると5000人になるのかな?と。
というのは、確かこのイベントの告知が遅くて、参加が間に合わなかったファンも多かったように記憶しているのです。
私は何かの口実を設けて急遽休みを取って駆けつけたのだったかな?
ともあれ、イベント自体は大盛り上がりで、Kiinaのステージを楽しんだ後ルンババスの出発をみんなでお見送りしたのでした。
「ときめきのルンバ」、Kiinaの歌唱です。
https://m.youtube.com/watch?v=pyJRGAJereo
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/83705/
作詞の水木れいじ先生は、Kiinaのアルバム「銀河」に「流れ星」を提供してくださって以来のご縁でした。
「ときめきのルンバ」は、のちのちKiinaが名付けるところの「コスプレシリーズ」の第1弾。「氷川きよしの新境地」として長良会長が水木先生に白羽の矢を立てられたのでしょう。水木先生が当時ご自身のブログで「指名されて感激した」と綴っていらっしゃいました。
先のことになりますが、この年の日本作詩大賞は「ときめきのルンバ」が大賞を受賞しました。少年時代に歌謡曲の作詞家になる決心をし、作詩大賞を取ることが夢だったという水木先生の授賞式での感動の涙とそれを祝福するKiinaのお顔は、今でも鮮やかに目に浮かびます。
作曲は水森先生です。最初Kiinaの歌唱を聴いたとき「ちょっと薄味?」という印象を受けたのですが、インタビュー記事でKiinaがレコーディングの経緯を詳しくお話ししていました。
初めはもっと感情をこめて歌っていたら、それは「氷川きよしらしくない」と。自分らしさって何だろうと思った時に、やはり明るさ、爽やかさだろうと思って歌い直した。アレンジも派手だったのをシンプルに変えた。クラベス(拍子木のような打楽器)の音はKiinaの希望で大きくしてもらった。
そうして完成したのが、今聴いている「ときめきのルンバ」だったんですね。
「ときめきのルンバ」は、近田春夫さんも「今度はそう来たか!」と大喜びされていましたね。
「相変わらず楽しい氷川きよし‼︎ 今後もますます目が離せない」と。
「『浪曲一代』もそうだが、氷川きよしにはまさに『こう来ましたか』と言いたくなるような戦略の妙がある。そして、あのどこかノー天気な声。何だかこの人、存在的に"遊べちゃう"のである。そんな演歌歌手、他にはいない」
アニバーサリーということで予算もいっぱい使ってもらえたのでしょう。ルンバ衣装は今までにないくらい色とりどり、沢山作ってもらっていましたね。
もちろん、どんなに派手でもサマになるKiinaだからこそ衣装でもファンに夢を見させてくれたのですが。
写真は懐かしいルンババス。以前書いたことがあったかと思いますが、函館のコンサートにくるみさんやきょうこさんと行った時に、偶然ルンババスに遭遇してタクシーの中で大興奮でした。