庫裏の玄関脇に鎮座している梵鐘。延享4年鋳造の歴史ある梵鐘である。太平洋戦争中に供出されたが、紆余曲折を経て帰ってきたという奇跡の梵鐘なのだ。
昭和20年7月、門徒らに見送られ盛大に供出されたのだが、すぐに敗戦となった。海軍工廠に置かれていたのを、進駐してきた米軍が戦利品としてであろうか、米国に持ち帰り、アトランタの公園に展示されていたそうである。
たまたまある日本人が、刻印から横須賀の浄土寺のものであることを知り、地元のロータリークラブを通じて返還されることになったのである。日米修好100年の時期であったのも幸いした。横須賀への輸送は第七艦隊の軍艦によって行われ、昭和36年5月に帰国。同寺にて盛大な返還式が行われた。
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