(全部の写真は、クリックすると大きくなります。)
20年ぐらい前のTOMYのネルルという人形です。
2015年にタカラトミーアーツ病院に出しても
右手のセンサーが悪く直らなかった物です。
おしゃべりはするのですが設定が出来ません。
もしかしたら直るかなと思って持ち込んだとのことでした。
大分古いので直らないかもしれないとのことで預かりました。
このおもちゃは分解がとても大変。
まずは電池ボックスの所の締め付けバンドを切り本体を取り出しました。
ケースを外そうとしましたがネジが外れません。
ケースをドライバーなどでコジリ広げて引っかかりを外し
やっと基板のネジを回すことが出来ました。
このケースを頭部に繋げているネジも外しましたが、
配線がギリギリの長さで気持ちよく外れてくれません。
そして古い為か線が固くなっていて配線が次々と切れてしまいます。
基板の所に「PIEZ2」と書いてある所から赤と黒の16cmの二本の線が
出ているのですが、その反対側がどこから切れたのか全く分かりません。
この画像の中ほどの 「PIEZ 2] と書いてある所から赤い線の下に黒い線が
出ていますが、その線の下に黒い線が隠れています。
このしゃしんのS字型に曲がっている赤と黒の線です。
一応、メーカーに問い合わせましたが一切データーが無いとのことで教えてもらえませんでした。
もしかしたらとの事で、修理している所を聞いてインターネットで検ヒットしませんでした。
配線が切れたままなのはとても気になります。
一応右手の方の確認をすることにしました。
腕の縫い目を切り開くと手のひらのスイッチに繋がる青い線が2本とも切れていました。
普通に繋いでみましたが線がギリギリの長さで余裕がありません。
写真のように線を継足しました。
左手のスイッチも接触が気になったので右と同じように縫い目を切り開いて
スイッチに接点復活材を沁み込ませました。
この時本体側の線が4本とも切れたので半田付けしました。
基板側も配線側も黒く酸化していて半田のノリが悪く苦労しました。
縫いぐるみの人形は糸を解くのは良いのですが、後の縫い付けが大変です。
頭を縫う前の本体側の縫い付けは写真を撮るのを忘れました。
基板は写真を撮りましたが、
頭を縫うとき途中で写真を撮ることに気が付きました。
(本当は分解中のケース部分の写真も撮っておくと次回の参考になるのですが)
生地が短くギリギリの所があり、
裁縫が苦手な私は四苦八苦しながら縫い付けました。
他のおもちゃの病院の方たちは皆さんこういうのは得意なのでしょうか。
手の方は直したのですが、やはり設定が出来ません。
なにかの機会に設定が進むこともあるのですが、完全にはできません。
赤と黒の二本の線も気になりますが、もしかすると心臓部のマイコンも痛んでい
るのかもしれません。
(マイコンが痛んでいるとき、時々正常に動き出すときがあります。
しかし直ったかと思っても結局また作動しなくなります。)
ただ今回は、配線が劣化しているうえに短くギリギリな物が多く、イジレバいじるほど線が切れたりしてきます。残念ですが諦めました。
預かり物を返却するときはたとえ直らなくても、元の状態に戻してから返却します。
組み戻ししているとき線が短くコネクターが抜けてしまうので、押さえながらやりました。また線が切れないかヒヤヒヤしました。
本当はこんな中途半端な修理は悔いが残ります。
もしこのブログを見て、何か良い手段をご存じの方がいらしたら教えてもらえるとありがたいです。
今回は修理不能ですでに返却しましたので、次回に役立つかと思います。