「並行」は1.並んでゆくこと,2.同時に行われること。「平行」は1.《数学》同じ平面上にある二つの直線,あるいは空間の直線と平面,または平面と平面がいくら延長しても交わらないこと,2.→並行(旺文社『国語辞典 改訂新版』1986+,1089中より引用)。「平行」は寧ろ数学の用語であること,空間的関係を言い表すことで特徴的であるか。「並行」は空間的関係も時間的関係も言い表しうる点に注意すべきである。 . . . 本文を読む
とある必要が出来たのでメモ。
特に深く検討したわけでもないので,本当に単なるノート。
「精通」は,『旺文社国語辞典 改訂新版(655上)』によれば「(名・自スル)その物事をくわしく知っていること」。『広辞苑 第三版(1328上)』によれば「くわしくよく知っていること」。
…マサチューセッツにおちついてまだそう日もたっていないのに,住んでいる土地の歴史に精通しているのには驚かされてしまった . . . 本文を読む
語義どおりには「インド人」。しかし日本語では専らAmerican Indianの意味。周知の通り,コロンブスが米大陸に到達した際,これをインドと誤解したことに原因する。インディアン座も無論この意味。星座は,何れにせよ人間の作り出した歴史の産物であるとはいえ,これはあまりに際立った例といえるか。
ある時期から実態を表さない,少々不適切な名称と観念されるようになっていったようである。Americ . . . 本文を読む
(承前)
プラス方向への成長のため助力するの意味では,他に:
「イギリス側は,こうした者たちのヒトラー拒否の考えを助長し,それをヒトラー・ドイツ拒否へと変換させた」(カレル/ベデカー著,畔上訳『捕虜』56頁)
「いっそう普遍性をもった視野が助長されることとなった」(ロミラ・ターパル著,辛島・小西・山崎訳『インド史2』,91上)
ヒトラー拒否の思考や普遍性を持った視野は,誤った方向とはいえま . . . 本文を読む
語源的には『急速に成長させようと思って,強いて力を添えてかえってこれを害すること』(広辞苑第三版1215a第2義)の意味。やや転じて『②(よくない)ある傾向を著しくさせること』(『旺文社国語辞典 改定新版』(1986+)594下)。
原義に近い(痛切な)例としては:
もちろん,いま,私たちの歴史を振り返って見れば,この絶望的立場に私たちが追い込まれるのを,私たち自身の政策が,いかに助長 . . . 本文を読む
「追及」を広辞苑第三版1590dに見れば「①後からおいつくこと。②(責任などを)どこまでも責めること」とある。追い払いする「追給」,後を追いかけ求める「追求」,尋ね究める「追究」乃至「追窮」,事の済んだ後に咎める「追咎」と同音。
「追及」,「後からおいつくこと」の例は,例えば:
最高の仁者とは仁の境地に達し安心している者のことを言い,次に位する知者とは仁の長所を知ってそれに追及したいと工夫す . . . 本文を読む
前回の投稿に続き,いい加減言い古されたような話をいまひとつ。
現在,「姑息」は「卑劣」にほぼ等しい意味合いで用いられることが相当ある模様である。定型句のように,「姑息で卑怯な」と言う場合,原義が意識されているかどうかは非常に微妙である。
しかしご承知の通り本来は,「その場凌ぎの」といった意味であった。古い教養ある人々は正しく用いる:
漢の高祖の天下統治の理想は,何よりも社会を安定せし . . . 本文を読む
屋上屋を架すの類かもしれないが,敢えて書いておこうかと思う。
「輩出する」は自動詞であって,正しい構文は「(場所・組織・社会などから,場所・組織・社会などに)[人が]輩出する」。「[人]を輩出する」は誤用。
この誤用は,「[もの]を排出する」の排出と,音が同一であることから発したものと考えられる。「輩出」の使用頻度はどうしても少ないものと思われる。それで稀に使う人が,「排出」の構文を流用し . . . 本文を読む