プントランド漁業相は身代金支払に怒りを表明：ソマリア，海賊問題

　2月5日以来捕獲されたままであったDanish船籍ロシア船Svitzer Korsakovは解放された：

BBC　Anger at Somali pirates' ransom 18 March 2008

　但し身代金70万ドルが支払われた模様。この件に関してプントランド漁業相Ahmed Said Aw-NurはBBCソマリサービスに語る―Birtish籍の船長，Irish機関士と4人のロシア人乗組員は無事ではあるが，しかし彼は身代金支払に関して非難するのだ。「こんなの，海賊行為を励ますだけだ」と。

　他方Svitzerのロンドン事務所は身代金支払についてはノーコメント。そりゃそうだが。

　Aw-Nur氏はプントランド治安関係者が海賊と通じている疑いにも言及。そうした者等は司法の場に引き出されるであろうとも言う。彼はさらに，米国に，海賊どもに対してより積極的であるよう促す。

　―最後の，米国についての不満はGarowe Onlineにも報じるところがあったもの：Garowe Online 'American warships should leave Somali coast or fight pirates': Puntland govt Mar 16, 2008 - 6:41:05 PM

　俗な纏め方をすれば：「海賊対策に来てるんだったらちゃんと働け，ひとんちの庭先に勝手にやってきて，許可も取らずに魚つりなんかしてるんじゃない！」。

　国交がないのも問題ですが，一応現地自治組織に一言あって然るべきところ，米艦はプントランド当局と連絡を取っていない模様。それで1ヶ月半も目の前に居座られて，海賊監視といえば聞こえはいいものの，気楽に魚つりなんかして，バカンス気分ですかああ結構な事ですねといいたくなった模様。

　いつぞや日本所有の『ゴールデン・ノリ』被害の時には，ソマリア暫定政府に一言いれた米軍です。今回は無断だったものか，暫定政府には連絡したものか？

　流石にモガディシュ政府に連絡したなら，プントランドにも連絡が行くはず―なんですけど，この頃，プントランドに対する，モガディシュ側の覚えはよくなかろうしなぁ…。連絡の不備（嫌がらせ的意味で）も絶対的に排除とまではいかなさそうなー（流石に可能性は極小というべきですがー）。

　なおその「ぎくしゃく」の元は石油法。プントランド大統領筋は独自開発に向けて活動してます。これは暫定政府ゲディ前首相の命取りになった問題の一つだ。Museさん，さて，乗り切れるかどうか？