英語を通して日本から農薬入り餃子問題を見る

　オリンピック直前の中国，食の問題ということで，当然海外でもニュースになるわけでして：

BBC news, Asia-Pacific China dumpling factory exonerated 6 February 2008

　日本語の新聞を読んでいれば，内容読解に手間取ることはないと思います。要点は：
○検査官の訪問の結果，工場自体には問題なしと認められる
○日本側は，農薬は意図的に混入されたものと発言
○中国高官は，日中関係が改善したことに不満を持つ者に疑いをかける
○この件は日本のメディア・一般の大きな関心を呼んだ
○不調を訴える者は千にものぼる。5歳少女が意識不明に陥る
○二種目の毒物発見，但し被害なし

○JTはこの件で日清食品との縁談をだいなしにした
「我々とJTとの間には，食の安全に関して根本的な相違が存するようだ」
　問題生起から公表まで1ヵ月も掛かったことが非難される。

　あとは中国側当局者が，泣く寸前の顔で「今日は陰暦新年前夜なんです。10億人からが今晩，餃子を食べるんです。今晩，北京に帰ったら，私も餃子を食べるんです」と記者会見の席でいったとか。

　私は，中国の衛生基準がしっかりしている，という点については，概ね疑いません。ですけど，それは，幾人かの悪意・害意を完全に防止するまでは行かないと思うわけです。常識的な見解で申し訳ありませんが。


　さておき。
　これをもって日本の食糧自給率に話を持ってゆく向きもあるようですけど，それはまあ，話が別でしょうね。

　自給といったって，生産意欲が追いつかないです，おそらく。いやあの，生産者はほんと，どうしようもないですよ。ホウレンソウ一把10円とか言われたら，どうやって士気を維持しろと。
　この点をどうにかしようとすると，食料品の結構な値上げを要することになるわけで，そしたら買うほうだって大変なわけで…。