空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

GSOMIA破棄の件:状況はできるだけ整合的に理解・説明するよう心がけたい

2019-08-26 14:27:26 | Weblog


「日米韓という枠組み」には入ろうとはせずとも「韓米」は死守したい希望を持っている、というところだろう。

 そしてその上で日本が入ってきたいというなら許してやらんことも無い、という態度だろう、今は。
 だから関係改善の意図はあるぞ(オレのプライドを傷つけもした、ホワイト国陥落をなんとか按配するといい)と言う声明を出すことになる。

 ところがそれは、(アメリカも神経をとがらせる)大量破壊兵器管理がナントカという国際的な原理原則に反することになるので、国債協調派としては認めるわけにはいかない。で、こっちの方向の対米協調方針を採ることができなくなっちゃった―”だって、WWII以前に我が国を侵略した非倫理国家・日本の支持に従うだなんて、倫理的な我が国としてはとても耐え得ないではないか!”という―のが文政権の不幸ということになる。



 阿比留とであれば、これは明らかにJSF氏に軍配があがるだろう。何をどうやったらできるのか、単に茨の道としか見えないにせよ。



 とまあ、ものすごく微妙なバランス外交を展開しようとしているらしいことは推測可能である。既に相当の失敗を重ねているようには思えるが。



 普通こういう見解になりますわな。判断を左右した最後のひとおしはプライド由来ではないか、とか、外交カード獲得と言う観点が抜けている、とか。

GSOMIA破棄ニュース論評:…自縄自縛といわんかなあ、これ。(2019-08-25)」

韓国がGSOMIAを維持する一方、日本がなにかのあてつけで一方的にGSOMIAを破棄した場合、『地域大国の立場をかさにかかって中小国をいいように嬲るならずもの国家日本』という国家イメージを喧伝することになるし、他方で韓国は『地域大国の暴虐にひたすら嬲られるが、国際的な協約は可能な限り誠実にまもり、維持発展させようと言う態度を最後まで崩さなかった』という賞賛を得られる。

 つまり今現在、日韓に与えられているイメージがほぼまるっと逆転する。

 このシナリオの場合、韓国は国際協約を誠実に維持しつつ、「暴虐ならずもの国家日本」の自爆的・自殺的決断を座して待てばよい


 そして



 情報収集力にどうも難があるらしいからには、もっと踏み外す可能性もそこそこあるかもしれず―。



 と言う情報を加味すれば、『一年間、GSOMIAを使わないで放置する』と言う案をも吹き飛ばすような、『今後一年以内の(しかもわりと早い時期に)日本が一方的に不意にGSOMIAを廃棄宣言する』という想定が現実的と思えるほどの、切迫したと思える「情報」があったというわけか。大丈夫かそれ、その情報源。



 そんなこんなでそれなりに危機的であろうと言う状況で、一応仮にも朝日新聞の中の人らしいひとがどうも理解困難なコメントをしているようであり



 ヲイマジかと真顔で聞きたくなるものだろう。

 どこのどいつが『やあやあ同盟国(米国)君! 最近お前、よわっちくなってきたし、その傾向は変わらないだろうし、お前のお仲間(日本)もだめっぽいな! つーことでオレ(韓国)は周到に準備してこれから発展しそうな国に乗り換えるからな! あ、ちなみにこの口実にしたのはお前のお仲間(日本)の行動だから! オレの周到な計画を分ってなかったのかなあ、離脱の口実を与えてしまったのは大変なミスだよな!』といわれて『ウム、計画的にオレを裏切ろうとしたお前はまったくたいしたヤツだ! もちろん、お前の離脱の口実を作りやがったヤツが圧倒的にわるいな!』と納得するというのか。

 ところで日韓メディアで報じられるところによれば、米国筋は韓国を、ではなく、韓国の文政権について「嘘をついている」と断じていたりするわけですが、米国には日本に失望すると韓国政府を嘘つき呼ばわりする習性があるんでしょうか。凄く不思議な習性、または風習ですが、どの世界線でそうなっているんですか。

 …表面にでてきている事象を、できるだけ整合的に説明するような擁護をしてほしいものです。



 その上で北朝鮮に(GSOMIA破棄宣言翌々日に)対韓用と見える射程のミサイル実験をされてしまったわけで、この世界観だと韓国が深刻なバカ以外の何ものでもなくなっちゃうんですよねえ…。計画的に米国から離脱し、意図的に日本を敵に回し、仲良くしようと思った北朝鮮からはミサイル試射で挑発行動され、三面を敵にまわしたうえでバランス外交など、ほぼ不可能であろうからには…。
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