空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

テロで犠牲者数を増やすには極めて合理的な時間帯

2013-02-17 14:21:49 | Newsメモ
 パキスタン,QuettaのHazara人(シーア派)居住地域の市場で爆弾テロ:

BBC Pakistan: Dozens dead in bomb attack on Quetta market 16 February 2013 Last updated at 18:39 GM

 少なくとも63名死亡,180名以上負傷。
 時間帯としては午後。食料品店・衣料店・八百屋さんや語学学校,コンピュータ業―そういうのに女性陣がお買い物に出てきて,学童が学校から帰宅する頃あい。

 70-80kgほどの爆発物を貨物自動車の水タンクに仕込み,起爆。近くのビルが崩れ落ちるほどの爆発力で,崩壊したがれきのなかに何人埋まってるかと懸念される。

 前回,1月10日に大規模テロがあり,それは92名を死亡せしめ121名を負傷させた。この犯人はSunni extremistsのLashkar-e-Jhangviだという。今回も犯行声明があったと仄聞される由。


 かなり理想に近いテロであろう。
 単なる日常を破壊する。ハザラでいること自体が殺害されるに十分値することなのだとばかりに,特に女性・子供をターゲットにする。こうしたテロを阻止できない政府・治安組織への不満不信を高め,情勢をさらに悪化させる。
 素晴らしく合理的だ,テロとしては。しかし人間としてはどうだろう。

 女子供の死体がごろごろ転がる。

 そのうち,何体かは焼け死んでいる。

 民衆は 警 察 に 投石する―”お前たちはテロを許さないとか,言っていたじゃないか! なんでまた起きるんだ! 何をやっていたんだ! もしか,お前たちは我々少数派に対するテロを黙認しているんじゃないのか?!”まあそんなところだろうか。
 はては救急隊の活動さえ阻害する―”お前らも公務員だ,警察の仲間だろう!”そんなところだろう。

 ともかく,公的サービス(安全の保障)から阻害されていると認識するハザラ人たちは,テロリストの狙い通り,さらに「パキスタンの公共」から自己疎外を果たしつつある,わけだろう。


 1月10日のテロのあと,犠牲者の家族たちは当局から安全の保障が得られない限り,埋葬しないとの主張を行ったという。あそこの宗派は,24時間以内に埋葬するのがお約束のはず。テロの犠牲になった故人の永遠の救いを盾に取る行為ではあるが,そうせざるを得ないとは,なんと絶望的な抵抗であることか。

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