空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ソマリア:プントランド沖の海賊さんたちってどんなことしてる?

2008-02-17 01:30:24 | ソマリア関連
 …えーっと。捕捉されてたらしい。作業の合間の,軽い夜食のお供にしてみたら発見。

 捕捉されてた記事はこれ:「海賊跳梁,輸送は停止:ソマリア」。

 上掲記事には,プントランド要人が―という疑惑の伝え聞きをメモしてますが,それは一体,誰を指すか,というのは疑問のまま。しかし,誘拐を事とする一団があって,しかもその行動は,恐らくはある部族の認知するところであって,警察の捜査に際して,事前に支族長と大統領の間に会談がもたれたりする,という例があります:

プントランド警察は誘拐容疑者宅を襲撃する:ソマリア

 これは一時連発した,外国人誘拐事件を巡っての動きですが。
 恐らく,これらは必ずしもアメリカ主導の「テロ戦争」の主たる対象ではない,でしょう。つまり,イスラミストの活動とまではいかないでしょう。でなければ,プントランド大統領との交渉自体,殆どありえませんから。
 最近の事例ですが,イスラミスト,アル・シャバブはプントランドのボサソで爆弾テロを起こしました:

アル・シャバブはボサソの爆破事件の責任を認める:ソマリア

 交渉のテーブルにつく相手とも思えません。
 誘拐,海賊行為などは,ある程度まで,地元経済の一部をなしているのでしょう。でなきゃあ,誘拐犯逮捕にやってきた警官に,地元住民皆で投石とかしないでしょうね。

 とはいえ,これらはいわゆるテロリストらに流れないかと言われると困った点で,或いはオガデン方面に流れているものかも知れませんよねぇ。最近,エチオピア軍はプントランド国境方面警備を増強したとかで。

 …大丈夫? そろそろ北方方面で動きがあったりしませんか,エチオピアさん?

BBC UN troops 'trapped' in Eritrea 16 February 2008

 ともあれこのエントリはプントランド方面の海賊さんが主対象なので閑話休題。
 いえまあ,彼らは自分たちを海上保安部隊と自任するのです。自前で海上警備ができない国です。へたすりゃ水産資源はとられ放題,廃棄物は捨てられ放題になっちゃうのです。
 ですから漁船を捕えるのは,資源保護などなどの意味から弁護の余地はなきにしもあらず。…まあ罰金とかなんとか理屈つけても,身代金要求以外の何物でもないので,世間では堂々,あれらを海賊と呼びますし,私もあれは海賊行為だと確信します。

 ですけど最近,我々紳士を海賊などとは無礼千万,諸君,我々に取材に来たまえ,我々の実情を取材に来る記者氏の安全は保障する!

 …なんていう海洋の紳士様が現れたり:

「海洋の紳士たち」はロシア船を捕縛する:ソマリア,プントランド

 ロシアの所有のタグボートをハイジャック。曰く,自分たちは自発的に海洋警備を自らに任じた紳士である! その名誇り溢れる,<海洋救済軍団>ここにあり!

 でもやってることは海賊そのもの―身代金を要求しない点を除いて。
 で,米艦がやってきて監視行動中。伝えられるところでは,そのミサイルはソマリア領土へ着弾したと:

米軍艦が飛行場へミサイルを発射?:ソマリア

 そんなわけでアメリカ軍は,テキサスの田舎者の世界戦略に奉仕しその手を誤爆と言う名の民間人虐殺の血に浸しているだけでなく,西洋及びアメリカのMDに対して軍事的プレゼンスを高めようとするロシアの民間船を救出するため米国民から収奪した税金で整備した極悪殺人兵器を海洋の紳士たちを威圧するために用いたそうです。

 というか,彼らが真面目に活動しているところも見てあげてほしいな。

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