ミャンマー・ラカイン：問題はHindusに飛び火

「んぎゃあ」と声をあげつつ読みはじめる：

BBC 'Mass Hindu grave' found in Myanmar's Rakhine state 25 Sep 2017

　…「あー、なんか終わった」と思いつ読み始める。

「The Myanmar authorities have accused Muslim Rohingya militants of killing 28 Hindu villagers whose bodies were allegedly found in a mass grave」

　確かに政府側としてはそう主張しなきゃいけないだろうけど、民族浄化のついでにヒンドゥーまでやっちまった、というシナリオは、かなり有力でありえます。或いは、Rohingya民兵団のせいにするための謀略だとか。

「It said 300 Arsa militants had rounded up about 100 villagers and killed most of them on 25 August, the same date as the start of the latest phase of the conflict, in claims attributed to an unnamed Yebawkya villager」

　いや、Arsaにそこまでの作戦能力があったら、それこそ大問題だ…と思うのだが：

「The Hindus have said they were attacked by Arsa because the militants suspected they were government spies」

　…流石のBBC、西側メディアさえ言わざるを得ない現地証言が多数ある模様。

「Arsa has consistently denied such accusations, and on Monday a spokesman told Reuters news agency that claims of its militants killing villagers were "lies"」

　と。いうことで。
　北朝鮮と並ぶ、世界の二大問題まで格上げになったラカイン・ロヒンジャ問題。単純な「政府＝軍＝仏教徒民兵　vs　ムスリム民兵」図式は終わりを告げ、もうひとつの（割と大きい）少数派集団、Hinduもからめた複合的民族紛争問題に格上げコース、わりと確定的。

　―なにしろ、RohingyaのHinduという二重のマージナライズで難を抱えるひとたちがこうして、多数派Muslim-Rohingyaから殺された、脅迫された、と訴えて難民化している。難民キャンプで対立は再生産されるだろうし、そしてHinduという枠組みなら、むっちゃ人数いるのである、あっちこっちに。

　―marginalisingということでは、いま難民のホストをしてくれているバングラが、ムスリムが多数派の国であることに注意。

「The army says some 400 people have been killed during military operations, the vast majority of them Arsa militants. But BBC correspondents say it is very likely that many of them were civilians」

　…なので、mass graveの性質も多少怪しいには怪しいのではある。

　…あと、村一個を襲撃するのに300人を動員できた―という話を丸のまんま信じれば、”それ”以外に30個の警察詰め所を襲撃できる兵力がArsaにはある―ということになります。政府のいうとおり、捕殺した400人がまるごと全部Arsaだったとしても…。

　…なんかね、今の段階で、積んだこと、確定かもってくらい、状況、ヤバ目。

「Thousands of young men joined the attacks in support of Arsa, armed with machetes and bamboo sticks, but very few were trained and armed militants, they say」

　それでもね、少人数のdispatchを襲って武器を奪うのには、「リベレーター」があればいいわけさ。そして数千人も新兵がいるなら、戦略の立て方はいろいろあるだろうさ…。