al ShabaabはAMISOMのKismayo上陸作戦をうけて同市撤退を表明。
BBC Somalia Islamists abandon Kismayo amid AU attack 29 September 2012 Last updated at 11:39 GMT
金曜(28日),Kenya軍およびソマリア政府側が空・海から(朝の三時から!)作戦し,al Shabaabはこれに抵抗したという。主要な地点としてはMgadhishuとKimsayoとをつなぐ幹線道路付近が挙げられる。しかし夜半過ぎ,al Shabaabは撤退。AMISOMとしては罠の可能性を考慮しつつある。
各関係者のコメントは―
al Shabaab広報担当Ali Mohamud RageがAFPに語るには「Shabab聖戦士団軍事司令部は本夜半戦略的撤退を命じた」。Reutersにも撤退を明言,しかし「敵はなおも市中に入ってはいない。彼らを市中に入れさせよ,そこは戦場に変わることであろう」とし,残置した部隊の存在を仄めかす。
al Shabaabの指揮者commanderとあるSheikh Mohamed Abu-FatmaもAFPに撤退を確認,「我々は上位者より市から撤退せよと命令を受けた。これはより広範囲にわたる軍事的戦略の一環であり,我々は敵に用意している」。ケニアの防衛相Yusuf HajiはBBCに,al Shabaabはなおも当該地域を空白にしたわけではないとし,地の利を得ている者たちにとっては,感知されることなく浸透することは難しくないのだという。
ケニア軍広報官Cyrus Oguna大佐は,AMISOMが市の北部を確保し,さらに南部に進攻しようとしているとする。ケニア防衛相によれば,Kismayo市民はケニア軍・ソマリア政府軍を両手で歓迎している」のである。
ケニア副首相Musalia Mudavadi曰く,この撤退はal Shababのライフラインを切断することになる。なにしろKismayoは武器弾薬の輸送口。海賊行動の中核である。
Radio Andalusは放送停止。本当に(少なくとも主力は)撤退したようで,警察署もal Shabaabのメイン・オフィスも閉鎖され,ティーンエイジャーが略奪しているという。「けれど誰もal Shabaabの軍事基地には近付かない。だって地雷あるっぽいし」と地元住民は言う。
Garowe Online Kenya troops launch beach assault, air strikes on Somalia port of Kismayo Sep 28, 2012 - 1:01:57 PM
Kismayo攻撃初期段階を報じる記事。
Garowe Online Somali militants flee invasion to avoid losses Sep 30, 2012 - 8:38:22 AM
ナイロビ発,APによる記事。al ShabaabのKismayo撤退の動機を,まず損害を避ける点に置いてみる見解を述べる(モガディシュ在のアナリストAbdihakim Aynteによる)。なにしろal Shabaabは通常戦を(特に市街戦を)戦わないではないか―2006年から2007年のエチオピア軍との戦いが身にしみたものらしい!
なおKismayoは身入りの大きい港であって,その利権は諸氏族間での取り合いであった。al Shabaabだってその利害の一端にあった・ありえるのであって,今後だれがこの町を支配しようと,同様の問題から逃れ切れる訳でもない,だろう。不満をこじらせた一派がどこと結ぶか,など。そう言う点,ソマリア軍の元大佐Yusuf Abdi Husseinの説明にある。
さて。
神浦氏がそんなことを言い出す根拠は「Kismayoの武器集積所に打撃か」(2012-09-27)の件にあるか。正確に武器弾薬集積所の位置を割り出すにあたっては,航空偵察のみによるのでは相当手間がかかろう。発信機をしこんでおけば一発だぜ!なんて。
…だが,発信機一個だけでは不安である。たまたま一個だけ
「おーぅ,それAfmadowに持っていくからなー」
「あーぃ,じゃあ定次の家に持ってっておけばいいなー?」
…なんてことになるかもしれない。
そこで複数の発信機を仕込み,それらが集結したところが保管所だと推測する―のはいいが,弾薬箱なんぞ,消費が激しいもののはずで(そうでなければ流入もまた,あまりない),発信機の存在がバレる機会も増える。
あと,集積所が一カ所だって誰が決めた? 複数個所に分散する知恵があったかもしれないし,指揮系統・出身軍閥組織別に半独立的に集積所を持ってる可能性だってもちろん,あろう。
…ってことで,当然アメリカ・CIAの技術支援は(陰陽いずれにせよ)あったとしても,じみーな作業の山はどっちみち現地でやらざるを得なかったものと思われ。何個か発信機を仕込んでみるのもそうだが,航空偵察写真でひとの流れをみてみたり,砲撃をからめて見てal Shabab兵の詰所・補給所・指揮所の位置を推定するとか,もちろん出入りの業者さんから情報を得てみたりとか。
追記:
CNJapan アルカイダ系の重要拠点都市に進攻、一部を奪還 ソマリア 2012.09.30 Sun posted at 14:33 JST
「政府軍、アフリカ連合(AU)軍と国際テロ組織アルカイダ系の過激派シャバブとの戦闘が続くアフリカ東部のソマリア情勢で、AU軍に加わるケニア軍は29日、シャバブの最後の拠点の1つであるソマリア南部の港湾都市キスマヨの地域半分を制圧したと発表した」
この件,日本語報道でも見た。一時に比べれば,ソマリアの扱いはだいぶ良くなった感。
BBC Somalia Islamists abandon Kismayo amid AU attack 29 September 2012 Last updated at 11:39 GMT
金曜(28日),Kenya軍およびソマリア政府側が空・海から(朝の三時から!)作戦し,al Shabaabはこれに抵抗したという。主要な地点としてはMgadhishuとKimsayoとをつなぐ幹線道路付近が挙げられる。しかし夜半過ぎ,al Shabaabは撤退。AMISOMとしては罠の可能性を考慮しつつある。
各関係者のコメントは―
al Shabaab広報担当Ali Mohamud RageがAFPに語るには「Shabab聖戦士団軍事司令部は本夜半戦略的撤退を命じた」。Reutersにも撤退を明言,しかし「敵はなおも市中に入ってはいない。彼らを市中に入れさせよ,そこは戦場に変わることであろう」とし,残置した部隊の存在を仄めかす。
al Shabaabの指揮者commanderとあるSheikh Mohamed Abu-FatmaもAFPに撤退を確認,「我々は上位者より市から撤退せよと命令を受けた。これはより広範囲にわたる軍事的戦略の一環であり,我々は敵に用意している」。ケニアの防衛相Yusuf HajiはBBCに,al Shabaabはなおも当該地域を空白にしたわけではないとし,地の利を得ている者たちにとっては,感知されることなく浸透することは難しくないのだという。
ケニア軍広報官Cyrus Oguna大佐は,AMISOMが市の北部を確保し,さらに南部に進攻しようとしているとする。ケニア防衛相によれば,Kismayo市民はケニア軍・ソマリア政府軍を両手で歓迎している」のである。
ケニア副首相Musalia Mudavadi曰く,この撤退はal Shababのライフラインを切断することになる。なにしろKismayoは武器弾薬の輸送口。海賊行動の中核である。
Radio Andalusは放送停止。本当に(少なくとも主力は)撤退したようで,警察署もal Shabaabのメイン・オフィスも閉鎖され,ティーンエイジャーが略奪しているという。「けれど誰もal Shabaabの軍事基地には近付かない。だって地雷あるっぽいし」と地元住民は言う。
Garowe Online Kenya troops launch beach assault, air strikes on Somalia port of Kismayo Sep 28, 2012 - 1:01:57 PM
Kismayo攻撃初期段階を報じる記事。
Garowe Online Somali militants flee invasion to avoid losses Sep 30, 2012 - 8:38:22 AM
ナイロビ発,APによる記事。al ShabaabのKismayo撤退の動機を,まず損害を避ける点に置いてみる見解を述べる(モガディシュ在のアナリストAbdihakim Aynteによる)。なにしろal Shabaabは通常戦を(特に市街戦を)戦わないではないか―2006年から2007年のエチオピア軍との戦いが身にしみたものらしい!
なおKismayoは身入りの大きい港であって,その利権は諸氏族間での取り合いであった。al Shabaabだってその利害の一端にあった・ありえるのであって,今後だれがこの町を支配しようと,同様の問題から逃れ切れる訳でもない,だろう。不満をこじらせた一派がどこと結ぶか,など。そう言う点,ソマリア軍の元大佐Yusuf Abdi Husseinの説明にある。
さて。
イエメンからソマリアのアルカイダ系武装組織シャバブに送られる武器や弾薬。しかし木製の箱には小型無線発信器が組み込まれている可能性が高い。米CIAによって仕込まれ、ソマリアのキスマヨの港に運ばれた武器・弾薬の追跡。その情報によってAU(アフリカ連合)軍がシャバブ総攻撃を開始した。
— 神浦元彰さん (@kamiura_jp) 9月 30, 2012
別にアメリカがAMISOMに情報提供していても不思議ではないんですけども、CIAの情報がキスマヨ攻撃開始の決定打というのは疑問ですね…。
— ソマリア・ヲチャさん (@somalia_watcher) 9月 30, 2012
神浦氏がそんなことを言い出す根拠は「Kismayoの武器集積所に打撃か」(2012-09-27)の件にあるか。正確に武器弾薬集積所の位置を割り出すにあたっては,航空偵察のみによるのでは相当手間がかかろう。発信機をしこんでおけば一発だぜ!なんて。
…だが,発信機一個だけでは不安である。たまたま一個だけ
「おーぅ,それAfmadowに持っていくからなー」
「あーぃ,じゃあ定次の家に持ってっておけばいいなー?」
…なんてことになるかもしれない。
そこで複数の発信機を仕込み,それらが集結したところが保管所だと推測する―のはいいが,弾薬箱なんぞ,消費が激しいもののはずで(そうでなければ流入もまた,あまりない),発信機の存在がバレる機会も増える。
あと,集積所が一カ所だって誰が決めた? 複数個所に分散する知恵があったかもしれないし,指揮系統・出身軍閥組織別に半独立的に集積所を持ってる可能性だってもちろん,あろう。
…ってことで,当然アメリカ・CIAの技術支援は(陰陽いずれにせよ)あったとしても,じみーな作業の山はどっちみち現地でやらざるを得なかったものと思われ。何個か発信機を仕込んでみるのもそうだが,航空偵察写真でひとの流れをみてみたり,砲撃をからめて見てal Shabab兵の詰所・補給所・指揮所の位置を推定するとか,もちろん出入りの業者さんから情報を得てみたりとか。
追記:
CNJapan アルカイダ系の重要拠点都市に進攻、一部を奪還 ソマリア 2012.09.30 Sun posted at 14:33 JST
「政府軍、アフリカ連合(AU)軍と国際テロ組織アルカイダ系の過激派シャバブとの戦闘が続くアフリカ東部のソマリア情勢で、AU軍に加わるケニア軍は29日、シャバブの最後の拠点の1つであるソマリア南部の港湾都市キスマヨの地域半分を制圧したと発表した」
この件,日本語報道でも見た。一時に比べれば,ソマリアの扱いはだいぶ良くなった感。
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