空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

確率を口にすることと、ある具体的な個人を前提にそれと同定することとは違う

2019-12-25 10:38:04 | ノート
 それは個々人の個別性、独自性を無視する行為であって、それが問題なのだ。

 古い慣例では長男が親の面倒をみることになっていた。そ れ ゆ え 次男であるお前は親の面倒を見るはずがない。
 古い慣例では家を継ぐ長男が親戚づきあい等々の責任をとることになっていた。そ れ ゆ え 次男であるお前は親戚付き合いをしているはずがない。
 そ れ ゆ え 次男であるお前は貰った給料を自分のためだけに消費する自分勝手な人間であるとしか言いようがない。社会的責務というものを教えてやろう。そこで我が姪と結婚してその母、即ち我が妹の老後の面倒を見よ―

 ―という論理構成をする存在が発生したりするわけだが、確率や慣例やなんかと個々人とは別でありえるということは多少これで感じ取れたりするだろうか。



「人狼」あそびに繋がるかな、という懸念とちがうかな。
 データ上の割合をいうのは客観的事実だから構わない、しかし目の前の特定の集団について『割合的にはこうだからお前たちもそうだ』と断言するのは主観的な判断・憶断だろうし、多様性なり個々人の個性の尊厳を無視した暴論と云えばいえるだろう。

 ついでにいえば、「なんでこんなヘンな話、聞かされるんだろう?」というふうに疑問に思う子がいれば、「…つまり誰かが『そぅ』で、そいつの人権とやらのためにこんな会が開かれたんだな?」と憶測し、「こんな、多くの人には知ったこっちゃない、かってにてめーでやってろって程度の話にこんな時間をとらせて俺たちがスマブラして遊ぶはずの時間を無駄にしくさった犯人」捜しに向かいかねないということもあり。

 私が言う場合は、「統計上~だから、君たちの中に~いる計算になる」となる。

『鬼滅の刃』は2500万部出た、日本の人口はざっと1億2500万ほどとみれば、5人に1冊の割合で読んでる計算になる。とはいえ、全員が1冊だけ買った、などということはありえない。ファンなら18巻全て買うものと想定すると、ざっと90人ほどに一人が全巻をそろえて持っているということになる。50歳以上の人たちまで含めてそうなので―50歳以上の人たちは買っていないと仮定すると―恐らく若年層ではこの2倍以上の確率で全巻を揃えて買っているだろう。つまり一クラスに1人、場合によっては2人。

 と、こんな感じ。あからさまなフェルミ推定。
 なお某クラスでは一時、誰かの持込の全巻一そろいが教室に配置してあったので、「一クラス1人」は概ね妥当・確実な数字と思ってよさそうだ―と、カムアウトがいれば協力願ってもよいだろう。



 まあ、そんなこんなで、さすがに二百数十人いれば同性愛傾向の5~6人とか、場合によってはガチカップルがいる可能性がありますが、なくてもちょっと珍しい、ってなものかと。だからこそ、専門家らしき人が『ここには同性愛者がいる!』などと無根拠に断言するのはどーかなー、というわけなのだろう。

 少数者を設定したり、少数者を見つけていびってたのしむのは、(少なくとも高度な社会を作った場合の)人類通有の悪癖なので。できるだけ注意しておきたいところ。


【LGBT問題】
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