空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

アメリカ軍,ソマリア南部で空爆,ミサイル攻撃を実行

2008-03-04 19:15:55 | ソマリア関連
 BBC他が報じる。要点を述べれば,イスラム法廷側の重要人物Hassan Abdullah Hersi al-Turki(英語版Wikipedia)が潜むソマリア南部ジュバ地区,ケニア国境近くの町Dhobleyに米軍がAC-130 (日本語版Wikipedia)を用いて空襲を実行。
 これは同氏の殺害およびジュバランドの最後のイスラム法廷根拠地の壊滅を狙ったものと考えられる。

 関連記事:
BBC US bombs Islamist town in Somalia 3 March 2008
CNN経由のGarowe Online U.S. official: Missiles fired at Somalia terror target Mar 3, 2008 - 8:40:47 AM

 周辺地図はThe Long War journal The Impending Baidoa Showdown By Bill Roggio October 24, 2006 8:22 PM経由のものが大きくて便利か。

 さて問題ですが―先日,私はキスマユ沖に2月初旬,到着した米艦の主目的を海賊制圧だと考えたのです(アメリカ軍艦はキスマユ沖に:ソマリア)。この判断自体は大きく外れてはいないでしょうけど,今回のBBCの記事には,私の判断に一部修正を迫る言及があります。

 米軍officialは,匿名で,巡航ミサイルが少なくとも1発,使用されたと認めたというのです(引用:A US military official, who refused to be named, told the AFP news agency that at least one cruise missile had been fired)。

 これが何を意味するか?

 ジブチから飛来したものと考えられる(それ以外にないだろうけど)AC-130は,基本,ミサイルを装備していないはずです―軽くWikipediaで見た限り。その装備は機関砲,榴弾砲―。

 つまり,問題の巡航ミサイルとやらは,それが何ものであろうと,AC-130以外から発射されたものでなければならないはずです。
 当然,その疑いは,まずキスマユ沖の米艦にかけられるべきでしょう(☆追記)。

 これこそ,「インド洋に展開している米艦によるソマリア領土攻撃の疑い」に当たるわけで,自衛隊補給艦インド洋派遣,さらに自衛隊由来の石油の転用に反対する人々はこうした事例に十分な注意を払う必要があります。

 なお注意を払い損ねた例については「『赤旗』紙「ソマリア攻撃加担か テロ特措法 給油の米艦隊出動」を巡って」を参照されたし。
 情けないことこの上ない論理なのですが,赤旗はインド洋で自衛艦が米艦に燃料を補給したことと,ジブチからAC-130が飛んで爆撃を行ったこととに論理的繋がりを求め,自衛隊由来の燃料の転用を疑うのです…。


 ちなみにAC-130は低空で問題の町を圧していた模様。巡航ミサイル用の観測をしたりしたものでしょうか? その辺りのやり方などは,私は知らない。

☆追記:結局これは潜水艦による攻撃のようでして,水上艦艇はあずかり知らぬという結果です。

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