空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

暫定議会所在県にて反政府勢力の攻勢:ソマリア

2008-03-04 12:05:51 | ソマリア関連
 ソマリア南部,暫定政権議会所在地バイドア60kmに位置するBuurhakabaで警察署長が暗殺される。これを含めてこの混乱による死者5名:

Garowe Online Somalia: 5 killed as Ethiopians, al-Shabaab clash near Baidoa Mar 3, 2008 - 9:50:57 AM

 バイドア,3月3日発。
 日曜夜,夜陰に紛れてアル・シャバブ兵がBuurhakaba市に潜入,当地の警察署長を暗殺。その後,警察署を制圧し全ての囚人を解放し,武器を含む物品を接収した。

 地元民が月曜朝におきてみるとあらまあびっくり! アル・シャバブが街中にいるじゃあないか!

 このアルシャバブ部隊は,バイドアからソマリア暫定政府・エチオピア軍派遣団がBuurhakaba向けて発したという情報を受けて,さっと撤退したのだという。…ええっと,もしかしてBay県行政官Abdifatah Gessey殿自らご出陣…?

 で両部隊は接触,30分ほどの戦闘は発生,少なくとも4名が死亡した模様。目撃者証言ではすべてアル・シャバブ側の損失であるという。


 そんなわけで,Buurhakabaはこの数週間で,アルシャバブの一時的支配をうけた第2の町となったわけです。議会所在県の都市が2箇所も敵性勢力に圧倒された,しかも延べ日数2日ほど(述べ時間数の評価は,たぶん当人たちにしかできない)。この数字をどれほどに評価するかは,非常に微妙なものがあろうかというところ。
 Dinsorは,結局,どうなったものか―どっちみちバイドアから分遣団が出るたび,アルシャバブは撤退するでしょう(反乱組織は一時地方自治体を制圧した:ソマリア)。

 これらは2月初旬あたりに下された,南部(ジュバランドで会合が行われた)での攻勢方針の流れに添うものでしょうか。寧ろイラクを想い起こさせる状況のように思われます。

 ともあれ。アルシャバブ側は,バイドアに向けて攻勢を―という大目標を掲げるようですが,現状,その実力があるとはいえなさそうです。嘗ては行っていた,軍部隊に対する堂々の待ち伏せ攻勢など,最近はとんとみません。
 相手の弱いところを叩くという戦術自体は間違ってませんが,都市を制圧した支配下に置いたと言ってはみても,それは所詮暴力を一点集中して敵を一時的に排除したに過ぎない。

 彼らは,都市を拠点として保持することができていない。たった一日でさえだ。
 彼らの行動は,現状,夜盗の群れに等しいとさえ言える。

 暴力をもって宿敵エチオピアとその傀儡を打破する,なるほどそれはよいとしよう。しかし彼らはその能力を未だ示してはおらず,またその先―統治―への能力は未知数以前の問題だ。

 私としては一刻でも早い,社会情勢の安定を願うものです。
 いや例えば:
BBC Africa Africa war zones' 'rape epidemic' 13 February 2008
 なんてわけでして。

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