空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

Abu Mansurはアルカイダとの関係を認める;Sheikh Sharifへの支持を訴えるデモ

2009-03-07 17:25:13 | ソマリア関連
Garowe Online  Somalia: Al Shabaab spokesman says 'not part of Al Qaeda' Mar 4, 2009

 アルシャバブ広報担当Muktar Robow "Abu Mansur"は,アルシャバブはソマリ人によって設立されたものであり,アルカイダの一部ではないとしがらも,アルカイダとの関係を認める発言を行う。「我々は外国人を含んでいるし,アルカイダ運動と関係を持っている。だがそれは我々が彼らの一部という意味ではない」と彼は語り,両グループはイスラム教徒の間にイスラム法を確立するという共通の目的をもつのだと付言する。

 …反アルカイダ勢力的には,これは有罪を認める自白なんではないかと思われもしますが。そもそも,アルカイダというのは確固たる組織なんではなく,各地域の各グループの緩い連合体なんだろうし。

 なお,Abu Mansurは主張を弱めている模様。アラスカ州イスラム法廷政権設立まで戦うなんてなんのこと?という態度を示す。…そーいう寝言をアルシャバブの若いのが言ったことになってたようです。不思議ではありませんが(世界地図も実現性もシラネという人は何処にでもいる)。

 ともあれAbu Mansurは,国を固めるためにソマリアをイスラム法で治める必要があるのだ,というあたりまで要求のレベルを落としている様子です。また,アルシャバブがスーフィの聖者のお墓を破壊しているという話や,ビジネスマンやエイドワーカーやジャーナリストを殺害しているというのはプロパガンダだと主張する。

 スーフィの聖者のお墓破壊の件は,ガルガドゥドの地元勢力を憤慨させ,武装蜂起を引き起こし,アルシャバブはガルガドゥド要地から駆逐されました。『奴等は聖者の遺骨をユダヤ人やイタリア人に売却したんだ!』と煽って,スーフィ勢力は比較的小規模ながらも本気の闘争をアルシャバブと戦いました。

 南部の港町キスマユでは,アルシャバブはわりと好き勝手してます。空港の名前を過去のイスラム聖戦士の名に代えてみたり,聖者のお墓をイスラム祭礼期間の真っ最中に破壊したり,アルシャバブ兵士に輪姦されて訴え出てきた13歳の少女を淫乱女23歳として死刑にしてみたり,嘗てのライバルだった同盟軍閥の長を逮捕して暗殺してみたり,嘗てのJuba land同盟の有力政治家を逮捕して背教者扱いして処刑したり。

 あまりにイスラム過激派の見本のような振舞いです。
 今回のAbu Mansurの声明は,そうした極端な一派とは別の,融和的な態度を表明したものといえましょう。


Garowe Online  Somalia: Massive demonstrations support peace, new govt Mar 5, 2009
 Sheikh Sharif大統領を支持するデモが首都で行われる。AU軍の撤退,イスラム法施行,和平を求めるものです。ぶっちゃけ「他の国とおんなじように,生活したり仕事したり教育したりできる平和が,ソマリアにあってもいいんじゃない? 暴力騒ぎはやめよぅよー」という方向。

 Sheikh Sharifはイスラム法導入を(まあ実際の形式はどうなるかはともあれ)声明しましたし,無論AU軍は暴力騒擾がなければ悪くとも現状維持,そのうち減るでしょう。暴力停止は無論Sheikh Sharifの主張です。まずはこの旗の下,和平努力をしてみてよー,というのが一般人の願いなんでしょう。

 人望,あるしね,彼。
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