場所:愛知県芸術劇場 コンサートホール
演奏日:2019年11月7日
指揮者:クリスティアン・ティーレマン
曲:ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 WAB 108(ハース版)
惹句:もとめあう理想、満ち足りた感動の週間
今年の秋から冬、名古屋には3大オーケストラ、ウィーンフィル、ベルリンフィル、コンセルトヘボウ管弦楽団が次々と登場する。どれも聴いてみたいけれども、切符もいいお値段がする。さあどうしょうかと考えて、スケジュールが素直に会う日のみ行くことにすることにした。すると私一人でウィーンフィル、配偶者一人でベルリンフィル、コンセルトヘボウはどちらも都合が悪かった。いつもならば周辺調整して一緒に行くのだが、今回は別々に行くことにした。
演奏曲目はなんとどちらもブルックナーの8番。二人ともロマン派は詳しくないし、曲自体まともに聞いたことがなかったものなので、切符を押さえた日からyoutubeで聴くようにした。
当日、私の席は舞台の真横。ちゃんとしたオケならどこで聴いてもいいとは思っていたが、ちょっとはバランスについて心配した。でも演奏が始まるとそれは杞憂であることが分かることになる。
楽団員が並んだ時、すべての団員の様子を見ることができるいい席じゃないかと思った。そしてティーレマン登場の前に演奏終了後の拍手について、直後ではなく時間を置いた後に指揮者が動き出すので、それからにするよう要請があった。
演奏の最初は、youtubeでは非常に静かだったがおっという音圧で始まった。これならフォルテはすごいだろうと思っていたら、ものすごかった。
この曲は金管や木管のソロが多いのだが、横から見るとそれぞれが自分のパートの出番を待っている様子がよくわかる。そのリレーを見ているだけで面白い。
そしてティンパニーがちょうど真下。いろいろバチを変え、担当じゃないときに、慎重に音を確認している状況が大変だなと思う。またうれしいことに私の好きなコントラバスが通常のこっち側ではなく、1stバイオリンの後ろ側にいて、動きがよくわかる。
曲は荘厳な第一楽章、ティンパニーが活躍し元気なメロディーが繰り返される第二楽章、第三楽章は一転ハープも入ったメロディアスな旋律、時々パワフルなファンファーレ。そして第四楽章はファンファーレで始まり、メロディアスな所も入るが、金管大活躍のパワフルさに振り回される。
いつもは指揮に対して各パートがどう反応するかを見ているんだけれども、今回の場合のティーレマンの指揮はどっかを狙ってというのではなく、全体をまとめた雰囲気を引き出そうと振っているようなので、楽団のパート間の受け渡しを楽しく見ていた。
何度も何度も盛り上がった後、だいたい1時間20分で終了。パッと拍手が出たがすぐ小さくなった。
指揮者が彫刻のように凍り付いている。それが2分弱かな?
そしてようやく腕を下げた。そこで万雷の拍手。指揮台上でのダンスも、楽団員も大変だったでしょうと思う。音はボリュームがあっても濁らない。
ともかく今回は、楽団員のソロパートの時の緊張感を見ることができ、とても面白かった。真横の席もいい。
これにアンコールで、ワルツを一曲、「天体の音楽」。さすが本場という感じだった。
なお、ベルリンフィルに行った配偶者の話。
指揮のズービン・メータさんは83歳。指揮は椅子に座ってだったとのこと。非常に滑らかな演奏で、近くに座っていた人が「昔のようなギラギラ感がない」と話していたそうだ。
でも、アンコール後楽団員が下がってから、改めて肩を借りて出てきて、非常に好感を持ったとのこと。やっぱりそちらも聴きたかったけれども、お札が・・・
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