11月24日、スウェーデン議会はロベーン首相の後任として、マグダレナ・アンデション財務相(54)の新首相就任を承認しました。同国初の女性首相となります。なお、このアンデション氏は今月4日に与党である社会民主労働党の新党首に選出されていました。
ところが、この件、急転直下、こうなりました。
スウェーデン次期首相が辞任 選出から数時間後(AFPBB)
スウェーデンの次期首相に選出されたばかりのマグダレナ・アンデション党首(54)は、予算案の否決と緑の党の連立政権離脱を受け、選出からわずか数時間後に辞任しました。
なお、辞任の理由について、「連立政権は、政党が離脱した場合には辞任するという憲法上の慣例がある」と説明しており、また、「正統性が疑問視されるような政府を率いる意思はない」と述べたそうです。そして、社会民主労働党のみの少数与党政権を率いる次期首相に後日改めて選出されることを望むと述べています。
それで、今回の懸案となった予算案ですが、アンデション氏は年金支給額の引き上げに応じることで左翼党の支持を取り付けるなどし、同国の次期首相に選出されました。しかし、少数政党の中央党は、左翼党への譲歩に反発してアンデション氏の予算案への支持を撤回しました。
更に、同国議会は、保守の穏健党とキリスト教民主党、極右のスウェーデン民主党の野党3党が提出した代替予算案を可決しており、この議会の議決を嫌がった同国緑の党のペール・ボルンド党首は、「極右と共同で起草された初の歴史的予算案」は受け入れられないとし、連立解消を表明しました。
これで、アンデション氏は辞任に追い込まれたそうです。
どの国もそうですが、議会と政権運営にはドラマがありますね。とはいえ、国民にはドラマは不要でしょうけれども。
追記:
一部報道では、アンデション氏の首相就任自体には賛成している政党も多く、再任される可能性もあるということですが、今回の辞任経緯を見てみると、首相という立場が重要、という話にはならない印象ですが、どうなのでしょうかね・・・
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