魂魄の狐神

天道の真髄は如何に?

日本経済破綻への私見 第五回

2007-08-13 22:16:51 | 憲法考

ブログのこの項で竹中の政策は丸っきりの失敗であったと言ったことについてもう少し踏み込んでみよう。私は金融経済学のことは余り詳しくないのだが、それにしても彼の経済学の知識は新味が無いどころか、ケインズまで達していず、アダムススミスの古い学識に留まったものであると断定出来るのだ。彼はハーバードまで行って一体何を学んだのか?実は、彼の論文はハーバードでは通用せず、挫折して日本に帰ってきた事実があるのだ。そんな劣等生に日本の未曾有の危機に対する打開策を委ねた政財界のお偉方は何を考えていたのだ。所謂結論ありきで、後にもっともらしい理屈を後付しただけで、竹中は単なる偽りの看板として無名の男を担ぎ出したとしか見て取れないのだ。

竹中の採った政策は少なくとも一国の経済を救うものだと言い切れるものではなかった。と言うのも、竹中の根本的な間違いは、経済政策はマクロ経済学の分野であるのに、企業の存立発展を目指す古典派の理論、つまり、ミクロ経済学の範囲で経済政策を打ち出したと言う失態を犯したことである。不思議なことは、報道もこのことについての論評が無かったことだ(私が知らないだけで、あったかもしれないが、いずれにしても大きな論争は起きてい無いのだ)。竹中の打ち出した政策は、例えば雇用の確保と言う面には、まるっきり力を為さないと言うよりも、最初から、国民全体の経済的福祉を切り捨てた、金融界の利益や大企業の維持発展のみに限定した偏ったものだったのだ。この政策は強い抗生剤を打ったように即効性があり、また、短期に考えれば、それなりに評価をする馬鹿も出ようが、経済政策は飽く迄マクロ経済の分野であるのだ。

以前でもこの項で述べた如くに、国の財政の健全化や、金融界や大企業の利益追求に偏った政策はやがては、税収も減少させ、結果、國の破綻を早めるだけに終わって仕舞うのだ。竹中がこれを本気で財政政策なのだと考えていたならば、彼は経済学者であるかを疑うよりも先に、一体彼は経済学を学んだことがあるのかと呆れるばかりであるのだ。続 く


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