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保守の駄目なところを一言で言えば、右翼との境界線が曖昧であることである。
これは保守が駄目である訳ではないのだが、左派のレッテルを放置してネトウヨの中に埋没しているか、自分のことではないと無視してさしたる反応を示さないことにある。
これは戦後の教育と社会が右翼を徹底的に撲滅してきた成果でもある。
日本人は真面目で勤勉と言われ、またそれを自負してきたのだが、人が良すぎることも問題なのだ。
我々日本人は愛国心、日の丸、君が代、(皇室)を忌み嫌うか距離を置くことで生活から出来るだけ排除してきた。旗日に国旗を掲げることもミスマッチな住宅ばかりとなった。畳の部屋が無い家屋も珍しくない。
発展と保守は必ずしも相反するものではない。
それこそ日本はほんの50年前まで風呂を薪で炊く家庭が存在していた。何もエコのために薪で炊けと薪風呂を保守しろと言っている訳では無い。
時代と共に便利に快適に暮らすことも大事であり、明らかに保守する物は別なものである。
日本に住む日本人として何を保守するのか。
これが一番大事なことであり、その守るものによって活動もバラバラで、対立こそすれ中々纏まることがない。
このように守るものも境界線もバラバラで曖昧の中それを阻止しようとする勢力が右にも左にもいるのが保守なのである。
更に複雑なのは政治上の保守と一般社会の保守の比較でも歴史認識上の乖離があることだ。
従って同じ保守同士での"エセ保守"との罵倒で右と左ほどの違いから分裂したりする。
在特会は保守から右派、右翼、極右と判断する側のイデオロギーなどで、如何様にもその立ち位置は表現可能なのである。
例えば、桜井誠日本第一党代表は良く日韓合意をした安倍政権を批判し、支持者をアベンジャーズと吹聴している。
安倍自民は保守政党であり歴史認識を歴史家に任せ判断していない、はっきりと村山談話を否定出来ない政治的バランスが存在し、それを批判すれば右翼団体に認定される現実がある。
日本第一党の支持者に安倍が駄目なら誰がいるのかを問えば、桜井誠と答えるであろうが、安倍を倒して総理になれると現実的に信じているものが果たして何人いるかと言えば期待できない。
私自身、志位委員長と桜井と聞かれれば躊躇なく桜井と答えるが、安倍の代わりと言われれば、まだいないとしか答えられない。
いくら真実の歴史が表に出ようが戦後憲法改正を党是にできた自民党が未だに手が付けられない状態なほど保守は劣勢だったのだ。
要するに保守の駄目なところは安倍総理を応援して指を咥えて見ているしか術がないところであり、安倍に代わるものがいない危機的状態なのである。
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