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アゴラでは保守寄りと言われる古谷経衡氏であるが私に言わせれば保守を裏切り朝日の毒饅頭を食らった偽装保守である。そんな彼がアパ史観に噛み付いた。
朝日にとっては安倍政権とともに駆逐したいアパ史観をいかにして批判し、排除するか、おそらくそればかりを考えているのであろう。
小林よしのり氏は年を取りすぎた、そんな中にあって若くて同和問題に詳しいチャンネル桜出身の彼は言わば元保守を一通り研究した適任者としてハンティングしたのであろう。
アパ史観本より
『日本を激怒させ国民党政府軍と戦争をさせる為に、中国保安隊によって日本人婦女子を含む二百二十三人が残虐に虐殺された「通州事件」や、「大山大尉惨殺事件」、更には、国民党政府軍に潜入していたコミンテルンのスパイである南京上海防衛隊司令官の張治中の謀略によって、上海に合法的に駐留していた日本海軍陸戦隊四千二百人に対して、三万人の国民党政府軍が総攻撃を仕掛けた第二次上海事変を起こすなど、中国は日本に対して次々に挑発を繰り返し、それまで自重し冷静な対応を取っていた日本も、中国との全面戦争を余儀なくされたのであり、不当に日本が中国を侵略したわけではない。(中略)そもそも既に南京を攻略した日本軍にとって、南京で虐殺行為をする理由はない。一方、通州事件や大山大尉惨殺事件、第二次上海事件などでの日本人に対する残虐行為には、日本軍を挑発し、国民党政府軍との戦争に引きずり込むというコミンテルンの明確な意図があったのである。』
を引用して、
『日中戦争は一連のコミンテルンによる陰謀によるものであり、日本側はむしろ被害者であった、と一貫して主張しているのである。』と分析し、
また田母神論文からも同質の箇所
田母神論文
『この日本軍に対し蒋介石国民党は頻繁にテロ行為を繰り返す。邦人に対する大規模な暴行、惨殺事件も繰り返し発生する。(中略)これに対し日本政府は辛抱強く和平を追求するが、その都度蒋介石に裏切られるのである。実は蒋介石はコミンテルンに動かされていた。1936年の第2次国共合作によりコミンテルンの手先である毛沢東共産党のゲリラが国民党内に多数入り込んでいた。コミンテルンの目的は日本軍と国民党を戦わせ、両者を疲弊させ、最終的に毛沢東共産党に中国大陸を支配させることであった。』と引用して
『元谷氏と田母神ははるか以前から「コミンテルン陰謀史観」なるものを共通して信奉し、そしていつしかこの「コミンテルン陰謀史観」は広く保守界隈と、それに寄生するネット右翼(保守)界隈にとって「正史」として広く受け入れられていく。』と、
『アパホテル問題の核心~保守に蔓延する陰謀史観~』のタイトルを付け、秦郁彦の言葉を使って
陰謀論だけにスポットを当ててアパ史観を酷評するのである。
秦郁彦
『この種の矛盾や疑問を問いただしても、仕掛け人たちはびくともしない。論証をされても「参った」とは言わないし、予言が外れても平気で手直しするだけに終わる。読者も苦にしないどころか、逆に「トリック破り」を白眼視する傾向さえある。だからこそ、陰謀論と陰謀史観はいつの時代でも栄えていくのだろう。』
完全に読み手の恣意的解釈である。アパ史観も田母神論文も陰謀論を問題視しているのだが、それが全てで操られて戦争に突入して行ったなどとは書いていない。
両者が指摘しているのは、頻発するテロ行為が日本軍を戦争に誘い込むかの如く多発し、その影にはコミンテルンの暗躍が関係していた、程度の感覚であることは直ぐに理解できる。
歴史学的に瑕疵の多い陰謀論というが、太平洋戦争や日中戦争と表記する時点で歴史学は瑕疵だらけなのである。
最後に古谷に一言、少なくとも歳上の田母神氏には敬称を付けろ💢