語りえないものについては、沈黙せねばならない。ウイットゲンシュタイン「論理哲学論考」の最後の言葉である。以前より書くように、世界は言葉と文字そして数で表現できる。絵画、音楽、映像も数字に分解できる。従い、文字、言葉、数字で世界は言い表すことができるのだ。
日の出を文字で表現することに憧れる。それも細かく描写することに憧れる。天星の朝焼け表現は、散漫で抽象的かつ大雑把だ。自分でも嫌になる表現だ。刻一刻と変わる様子を言葉で、的確に言い表わしたい。大局を表現できるのは、小局を言い表わすことができて可能である。
まだまだ幼い表現力である。絵でも詳細を正確に表現するデッサン力があってこそ、大局を描ききれる。大局と小局が理解できて初めて世界を理解する。今をもっと掘り下げろ、と自分に発破をかけている。今朝も、うす曇の中、太陽は昇り続けている。夜は明けた。