まさきとしかの『あの日、君は何をした』を読了。会社の同僚から借りて読んだのでした。ちょっと極端な家族愛が関係する殺人事件とそれを追う刑事が描かれる、中々読みやすいミステリーでした。ミステリーにも色々な形のミステリーがありますね。
古市憲寿の芥川賞候補作『百の夜は跳ねて』を読了。高層ビルの窓拭きの青年の目を通して、現代を切り取る斬新な小説でした。新馬場とか僕の実家付近が出てくるのがまた懐かしくなりました。
今年最初の一冊は、早見和真の『ザ・ロイヤルファミリー』。2020年の山本周五郎賞受賞作品です。個人的には山本周五郎賞受賞作品は、読み応えのある作品が多いと思っていまして、結構な数の受賞作品を読んでいます。そして本作は、競馬の世界を描いた作品で、馬主の秘書の立場から描いています。正直、競馬をやらないので競馬の世界はよく分からないのですが、それでも知らない世界をダイナミックに爽やかに描いていて、期待通りの読み応えのある小説でした!
奥田英朗の『罪の轍』を読了。奥田作品ならではの読み応えのある本でした!東京オリンピック前年の1963年を舞台に、北海道を追われて東京に来た青年宇野勘治の周りで起こる殺人事件と幼児誘拐事件。これらの事件に宇野が絡んでいるとして宇野の行方を追う警察。この宇野と警察の両者の視点から、当時の世相を交えてラストまで巧妙に話が進むので、本当に面白いです。奥田英朗は『オリンピックの身代金』といい、昭和のあの時代を描くのが好きですね。そして、事件を追う警察とその内部の微妙な軋轢もよく描かれていて、警察ものが好きな自分としては本当に満足の行く小説でした!
小川洋子の『注文の多い注文書』を読了。クラフト・エヴィング商會との共著で、様々な作家の作品をモチーフに、注文書→納品書→受領書の順で展開される不思議な話でした。人間の記憶であったり、肉親であったり、失われたものを探すクラフト・エヴィング商會と、小川洋子のやり取りが和みます。
真梨幸子の『アルテーミスの采配』を読了。これは強烈。アダルト業界を描いたミステリーで、終盤は話が二転三転して怒涛の展開でした。さすが真梨幸子はイヤミスの作家と言われるだけあって、ダークな世界観に引き込まれます!
佐藤多佳子の『いつの空にも星が出ていた』を読了。自身も横浜ベイスターズファンである佐藤多佳子が描く、横浜ベイスターズとそのファンを描いた小説で、98年のベイスターズの優勝とか最下位が続く不遇の時代などを背景に、これほどベイスターズ愛に満ちた小説はないでしょう。僕もベイスターズファンになりたくなりました!
真梨幸子の『人生相談。』を読了。新聞に投稿された人生相談に絡んで展開されるミステリー集。異なる人生相談が繋がっていくのが面白くて、真梨幸子作品は初めて読んだけど、もっともっと読みたくなりました。
斉藤詠一の『クメールの瞳』を読了。図書館の返却コーナーにあって、そのタイトルに牽かれて手に取った本書。カンボジアで見つかったペンダントを軸に、江戸時代~太平洋戦争~現代を舞台に、日本やカンボジアで繰り広げられる活劇のような話にワクワクしました。東京の地下にとんでもない長さの地下道があることとか、軍や野鳥のこととか、色々なことをストーリーに活かしているのも興味深い。スケールが大きすぎて、それを一冊に収めているのがまたスゴいですね。
先日ワクチン接種の帰りに本屋に寄ってへヴィメタル雑誌『BURRN!』9月号を立ち読みしようとしたら、おじさんが『BURRN!』を熟読していて、なんだかその横から同じ『BURRN!』を取って読むのが憚られて、未だに『BURRN!』を読めていない!明日の事務所勤務のときの昼休みがチャンスだけど、同僚と仕事をするからランチも一緒に行くことになりそうで、うーむ『BURRN!』を読みたい!