夕庵にて

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ときどき写真と短歌を

瀬戸内の島追憶

2021年10月28日 | 短歌
今頃は青き檸檬が潮騒を聞きつ実れる瀬戸の本島

今頃は小島の檸檬もすずなりにわが狭庭にはみっつ実りぬ

                              夕庵

瀬戸内の本島へ行かなくなって何年になるのかな?海岸のすぐ近くに友人の別荘があり、よく出かけたものだ。本島は四国丸亀からフェリーで30分の塩飽水軍の地。

春は潮干狩りでバケツにいっぱいのアサリを掘ったり、瀬戸大橋がまじかに見える海岸、二連式の珍しい夫婦蔵は坂道の上にあり今なら自転車ではもう無理だろう。なんといっても一番は勤番所。幕末に本島を統治していた資料が残されている。夜は潮騒の音を聞きながら夜なべに干し柿を作ったこと、部屋から見える大きな木の揺れに驚いたり満天の星にうっとりして、都会の喧騒を忘れたりと思い出は尽きない。

今年は我が家ではじめて大きな青いレモンが三つもなった。このレモンを見るたびに本島を思う。残念ながらこの島には病院がない。急病になれば救急船かドクターヘリに頼るしかないと聞く。でも来春になり体調がよければまた訪れてみたい場所である。


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