意思による楽観のための読書日記

最後の戦慄 今野敏 **

前半は「これからどう展開するのか、X-menのような、トム・クランシーばりのストーリーを期待」、しかし後半は、「尻切れトンボ、あまりにあっけない幕切れ」である。

テロリストの4人に敵味方なく全滅させられたと思われる中退規模の先頭集団の死体の山、それを見た救出部隊員たちは、一体誰がこんなことをしたのかとつぶやく。登場するのは日系企業で、宇宙空間に本社機構と3万人のコロニーを形成する起業、ゲンロク・コーポレーション。ゲンロクに創りだされた改造人間、武装戦士4人は、自らの身体にレーザー光線をまとったアラン・メイソン、電磁的衝撃波を発する美女ジョナ・リー、超硬度の体を持つホーリイ・ワン、ミニミサイルを埋め込まれているトニー・ルッソである。

彼らに対抗するのは日本政府の内閣官房調査室に雇われる、これまた傭兵達で、シド・アキヤマ、医師の白石、中国人の拳法使いの陳老人、忍者修行をしたジャック・バリー、そしてチベット人闘士のギャルク・ランパである。

4人のテロリストはX-menのように軽々と目の前の敵を倒していく。相手が4人の威力を知らなければ不意を付かれて、気がついた時には死んでいるということになる。そして4人のテロリストを相手にすると、数十人の兵士たちが一瞬にして死体となる。

こんなメンバーを相手にできるのかと思って読んでいると、その力を知った5人の傭兵たちは、シド・アキヤマの元恋人だったというジョナ・リーを寝返らせ、残る3人のテロリストを相手に弱点をたくみについて殺してしまう。ここからがあっけなくて、さらにゲンロク・コーポレーションの本部に忍び込んで4人のテロリストを創りだした老科学者達を追い詰めるが、科学者達は自爆する、という結末。まああっけない最後。最後に戦慄はない。



読書日記 ブログランキングへ

↓↓↓2008年1月から読んだ本について書いています。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「読書」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事