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意思による楽観のための読書日記

「お金」で読む日本史 本郷和人 ***

米価により過去の金額を現代に置き換える手法でみると、鎌倉時代の一石(1000文)は10万円ほどとして、大仏鋳造に使われた宋銭(一枚2gが6000枚ほど使われたと換算)相当で、1石が150Kgとする換算では60億円ほどとなる。承久の乱後に地頭に任じられた御家人の年収は、200町歩とすると年貢が得られるのは18町ほど、172石として計算すると1720万円。

信玄が獲得した最大領地は甲斐、信濃、するが、上野の西半分、越中、飛騨、美濃、三河、遠江の一部で、太閤検地での石高で120万石、1200億円ほどとなる。4公6民とすると480億円ほどにもなる。津具金山からの収入だけでも24万両で180億円。領内の金山は28あったとのことで、金収入が莫大であったことが分かる。

江戸時代の暮らしでは、新田開発が進み菜種の栽培が増加、夜間燃料としての菜種油価格が低下した結果、菜種油1石を銀380匁として、行灯一晩で使う5勺ほどの油代を換算すると315円ほどになった。食事も日に2食から2食に増加。朝に一日分の白米ご飯を炊き、汁物、おかずが数品食べられるほどになった。家族3人で一日1升、1石10万円とすると一日1000円ほど。味噌は1杯に15g使うとすると29円、鰯は一尾90-160円。豆腐は1丁で400円ほど。納豆は200-300円、たくあん漬けは1本375円、お酒が1升3000円ほど。これらから、一食分として、米1合、納豆汁、鰯一尾、たくあん漬け数切れで450-500円ほどとなる。外食では、蕎麦一杯が16文で400円、寿司一人前で400円、鰻丼が2500円、てんぷらはひと切れずつのばら売りで一つ100円、甘味では長命寺の桜餅が1個100円。

その他、大石内蔵助の年収、吉良上野介の年収、河合継之助が購入したガトリング砲、勝海舟の祖父が買っておいた旗本株の価格、などなど。
 

↓↓↓2008年1月から読んだ本について書いています。

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