4/18(土)平城遷都1300年記念事業協会(県内・広域事業部)は、本年1/14~3/31に募集した「県民活動支援事業(第2弾)」に関し、春日野荘(奈良市法蓮町)において「プレゼンテーション」による審査会を開催した。
http://www.1300.jp/kenmin/
県民活動支援事業とは、平城遷都1300年に関して行う民間イベントの経費のうち、半分以下かつ50万円以内の範囲内で、同協会から助成金がもらえる、という仕組みである。第1弾は昨秋すでに募集・決定されていて、今回はその2回目という位置づけだ。
※遷都1300年祭の民間イベント(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/6e75607e131ce55ddaeab6a5b606f76a
前回は42件の応募があり、うち24件がめでたく補助事業に採択された。今回の応募は60件である(何件採択されるか、現時点では不明)。当日は、12時15分に開会。同協会の中山悟氏(県内・広域事業部長)の挨拶に引き続き、延々6時間に及ぶプレゼンが始まった。
私は昨年10/19のプレゼンも拝見したが、今回は相当レベルアップしている。提案された事業の中身が濃いし、プレゼンの技術も向上しているという印象だ。それだけ競争率が高いのだろうが、ぜひ前回以上の多くの事業を採択してあげてほしいものである。
木津の文化財と緑を守る会
写真は、私の(個人的な好みで)印象に残ったものを、発表順に並べたものだ。「木津の文化財と緑を守る会」代表の岩井照芳氏は、木津川市にある《泉津が平城京の玄関であり全国からの物資の集積地であったことは、一般にはほとんど知られていない》《記念事業を機会に泉津の存在を訴える情報発信をするとともに、物資を運送した平城京と泉津間の道を歴史探訪して知られていない泉津を「世に出す」ことを目指したい》と訴えた。
上の3枚は「細川流 倭盆石 美石会」のプレゼンで、何と4分の持ち時間(プレゼン3分+質疑応答1分)の間に、こんなきれいな盆石(ぼんせき)を完成されたのである。波の感じがとてもよく出ている。
次は「1300年祭記念 パッチワークキルト展」のプレゼンだ。《全国からキルトを募集し、1300ピースの作品を作成・展示。その他「著名人サインキルト」や「1300年祭」「奈良」などをテーマにしたキルト作品の展示や無料体験講習会を開催する》という趣旨だ。広く一般の人や来場者が参加できるというところが楽しい。
次の2人は「NPO法人観光ガイド・添乗員育成研究所」の方で、《一般の人に観光ガイドや添乗員教育、各種団体への出張講師を行い、奈良県へ訪れる人の満足度の向上やおもてなしの推進を図る》という。発表された加藤陽香さん(向かって左側)は、もとバスガイドで、今は奈良佐保短期大学の講師も務めておられるという。
音楽イベントもある。「こおりやま音楽祭“樂”実行委員会」は《全国でも有数のマーチングバンド・吹奏楽などの演奏、公園や商店街の空きスペースでのライブ演奏。大和郡山の街全体が音楽に満ちあふれ、「音楽の街・郡山」に》とアピールした。
こちらも音楽で「脳感CLACKER(アマチュアミュージックコンテスト)」という事業。身振り手振りを交え《スピリッツのある青年達の夢と希望を叶えるチャンス、また新たな交流の場として観客も巻き込んだ全員参加型の音楽イベントを開催する》を訴えた。
上の写真は、おなじみ川本三栄子さん(NPOなら・きらめきサポート)。このたび制作された1300年祭の応援歌「大和路らぷそでぃ」をカラオケつきで熱唱された。出だしの「ようこそ奈良へ~♪」を歌い出されると、つい「クッククック~」と合いの手を入れたくなった。
こちらは女性の演劇サークル「NPO法人 DEAR DEER-あおによし」。HPによると《奈良を中心として幼稚園・小学校等で公演。近畿圏での公演については応相談。メンバーは奈良、京都、に在住の母親。手作りのよさ、ものを大切にする心を伝えたくて音楽(作詞作曲)、衣装から大・小道具に至るまですべてメンバーが製作している》とある。跳んだりはねたりの「ならっこダンス」は、とても面白い。
ダンスの後はお芝居。写真向かって右端の小野小町(本名=旧姓)さん率いる小町座は、「小町座平城遷都1300年祭オリジナル演劇企画『ならうたものがたり・木と火 編』」をアピール。
こちらは珍しい奈良県美容師団体(CHCN委員会)の「平城遷都1300年記念ビューティーコンテスト」。ミスコンかと思っていたら、そうではなく《学園祭などで、「皇妃の目覚め」をテーマに古代のヘア・メイク、衣装の再現にチャレンジ》《同時にチャリティーカットを開催し、その収益を1300年協会、大学のボランティア基金に寄付する》という。
「柳生さくら祭実行委員会」の近藤直子さんは、《「柳生の暮らし」が感じられるステージ、古武術の演武・体験会、ミニ・エコツアー、伝統文化の解説などを実施し、柳生内外の人々の密度の濃い交流を実現する》と話された。この「柳生さくら祭」は、柳生地区の少子高齢化・過疎化に危機感を持った有志により、06(平成18)年から開催されているという。
上品な着物のご婦人は「上方好み はんなりの会」の方で、《上方独自の伝統芸能の地歌や上方舞を初心者でもわかりやすく解説しながら、「はんなり」を体験する》という趣旨だ。地歌(じうた 三味線の弾き歌い・琴の演奏)や上方舞(地歌で舞う)は、今回のプレゼンで初めて知った。
トップ写真は、本年2/11に催された桜井市の「江包(えっつみ)大西お綱祭り」(写真は江包の男綱)。大西区お綱祭り奉賛会がプレゼンされた。この祭りは、奈良県指定無形民俗文化財である。こういう伝統行事への助成という手も、アリなのだ。
※江包・大西のお綱祭り(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/149ed7e40d82df7dcd4c147f85c3ceaa
おしまいの写真は「砥取(ととり)福丸(ふくまる)燈火会保存会」(宇陀市室生区砥取)。《1年の感謝と新年の幸せを願う「福丸」という伝統行事。燈火会、太鼓演奏など》。06(平成18)年から、大晦日の夜、棚田(休耕田)で伝統の祭事や「なら燈花会」を模した火のイベントを実施されているのだ。激しく冷え込む室生で、よく続けておられるものだと感心する。
このように今回は、興味深いイベントの提案がたくさん集まった。歌あり踊りあり、またPower Pointあり模型あり紙芝居ありと、とても賑やかなプレゼンだった。1300年祭が近づくにつれ、県民の間からこんなに素晴らしい企画が出て来るというのは、とても有り難いことである。主催者によれば、5月の初旬には結果が公表されるということだが、できるだけ多くの事業を採択し、1300年祭を盛り上げていただきたいものだ。
http://www.1300.jp/kenmin/
県民活動支援事業とは、平城遷都1300年に関して行う民間イベントの経費のうち、半分以下かつ50万円以内の範囲内で、同協会から助成金がもらえる、という仕組みである。第1弾は昨秋すでに募集・決定されていて、今回はその2回目という位置づけだ。
※遷都1300年祭の民間イベント(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/6e75607e131ce55ddaeab6a5b606f76a
前回は42件の応募があり、うち24件がめでたく補助事業に採択された。今回の応募は60件である(何件採択されるか、現時点では不明)。当日は、12時15分に開会。同協会の中山悟氏(県内・広域事業部長)の挨拶に引き続き、延々6時間に及ぶプレゼンが始まった。
私は昨年10/19のプレゼンも拝見したが、今回は相当レベルアップしている。提案された事業の中身が濃いし、プレゼンの技術も向上しているという印象だ。それだけ競争率が高いのだろうが、ぜひ前回以上の多くの事業を採択してあげてほしいものである。
木津の文化財と緑を守る会
写真は、私の(個人的な好みで)印象に残ったものを、発表順に並べたものだ。「木津の文化財と緑を守る会」代表の岩井照芳氏は、木津川市にある《泉津が平城京の玄関であり全国からの物資の集積地であったことは、一般にはほとんど知られていない》《記念事業を機会に泉津の存在を訴える情報発信をするとともに、物資を運送した平城京と泉津間の道を歴史探訪して知られていない泉津を「世に出す」ことを目指したい》と訴えた。
上の3枚は「細川流 倭盆石 美石会」のプレゼンで、何と4分の持ち時間(プレゼン3分+質疑応答1分)の間に、こんなきれいな盆石(ぼんせき)を完成されたのである。波の感じがとてもよく出ている。
次は「1300年祭記念 パッチワークキルト展」のプレゼンだ。《全国からキルトを募集し、1300ピースの作品を作成・展示。その他「著名人サインキルト」や「1300年祭」「奈良」などをテーマにしたキルト作品の展示や無料体験講習会を開催する》という趣旨だ。広く一般の人や来場者が参加できるというところが楽しい。
次の2人は「NPO法人観光ガイド・添乗員育成研究所」の方で、《一般の人に観光ガイドや添乗員教育、各種団体への出張講師を行い、奈良県へ訪れる人の満足度の向上やおもてなしの推進を図る》という。発表された加藤陽香さん(向かって左側)は、もとバスガイドで、今は奈良佐保短期大学の講師も務めておられるという。
音楽イベントもある。「こおりやま音楽祭“樂”実行委員会」は《全国でも有数のマーチングバンド・吹奏楽などの演奏、公園や商店街の空きスペースでのライブ演奏。大和郡山の街全体が音楽に満ちあふれ、「音楽の街・郡山」に》とアピールした。
こちらも音楽で「脳感CLACKER(アマチュアミュージックコンテスト)」という事業。身振り手振りを交え《スピリッツのある青年達の夢と希望を叶えるチャンス、また新たな交流の場として観客も巻き込んだ全員参加型の音楽イベントを開催する》を訴えた。
上の写真は、おなじみ川本三栄子さん(NPOなら・きらめきサポート)。このたび制作された1300年祭の応援歌「大和路らぷそでぃ」をカラオケつきで熱唱された。出だしの「ようこそ奈良へ~♪」を歌い出されると、つい「クッククック~」と合いの手を入れたくなった。
こちらは女性の演劇サークル「NPO法人 DEAR DEER-あおによし」。HPによると《奈良を中心として幼稚園・小学校等で公演。近畿圏での公演については応相談。メンバーは奈良、京都、に在住の母親。手作りのよさ、ものを大切にする心を伝えたくて音楽(作詞作曲)、衣装から大・小道具に至るまですべてメンバーが製作している》とある。跳んだりはねたりの「ならっこダンス」は、とても面白い。
ダンスの後はお芝居。写真向かって右端の小野小町(本名=旧姓)さん率いる小町座は、「小町座平城遷都1300年祭オリジナル演劇企画『ならうたものがたり・木と火 編』」をアピール。
こちらは珍しい奈良県美容師団体(CHCN委員会)の「平城遷都1300年記念ビューティーコンテスト」。ミスコンかと思っていたら、そうではなく《学園祭などで、「皇妃の目覚め」をテーマに古代のヘア・メイク、衣装の再現にチャレンジ》《同時にチャリティーカットを開催し、その収益を1300年協会、大学のボランティア基金に寄付する》という。
「柳生さくら祭実行委員会」の近藤直子さんは、《「柳生の暮らし」が感じられるステージ、古武術の演武・体験会、ミニ・エコツアー、伝統文化の解説などを実施し、柳生内外の人々の密度の濃い交流を実現する》と話された。この「柳生さくら祭」は、柳生地区の少子高齢化・過疎化に危機感を持った有志により、06(平成18)年から開催されているという。
上品な着物のご婦人は「上方好み はんなりの会」の方で、《上方独自の伝統芸能の地歌や上方舞を初心者でもわかりやすく解説しながら、「はんなり」を体験する》という趣旨だ。地歌(じうた 三味線の弾き歌い・琴の演奏)や上方舞(地歌で舞う)は、今回のプレゼンで初めて知った。
トップ写真は、本年2/11に催された桜井市の「江包(えっつみ)大西お綱祭り」(写真は江包の男綱)。大西区お綱祭り奉賛会がプレゼンされた。この祭りは、奈良県指定無形民俗文化財である。こういう伝統行事への助成という手も、アリなのだ。
※江包・大西のお綱祭り(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/149ed7e40d82df7dcd4c147f85c3ceaa
おしまいの写真は「砥取(ととり)福丸(ふくまる)燈火会保存会」(宇陀市室生区砥取)。《1年の感謝と新年の幸せを願う「福丸」という伝統行事。燈火会、太鼓演奏など》。06(平成18)年から、大晦日の夜、棚田(休耕田)で伝統の祭事や「なら燈花会」を模した火のイベントを実施されているのだ。激しく冷え込む室生で、よく続けておられるものだと感心する。
このように今回は、興味深いイベントの提案がたくさん集まった。歌あり踊りあり、またPower Pointあり模型あり紙芝居ありと、とても賑やかなプレゼンだった。1300年祭が近づくにつれ、県民の間からこんなに素晴らしい企画が出て来るというのは、とても有り難いことである。主催者によれば、5月の初旬には結果が公表されるということだが、できるだけ多くの事業を採択し、1300年祭を盛り上げていただきたいものだ。
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