tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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えびす神のルーツは、事代主神 or 蛭子神

2012年01月10日 | 記紀・万葉
いよいよ今日(1/10)は、本戎(十日戎)である。といっても、奈良では1月5日が本戎なので、もう終わってしまっているのであるが。『古事記』を読んでいると、このえびす神(えべっさん、恵比寿)のルーツが登場する。

その1つが事代主神(ことしろぬしのかみ=八重事代主神)、つまり大国主命の子である。Wikipedia「事代主」によると《葦原中国平定において、タケミカヅチらが大国主に対し国譲りを迫ると、大国主は美保ヶ崎で漁をしている息子の事代主が答えると言った。そこでタケミカヅチが美保ヶ崎へ行き事代主に国譲りを迫ると、事代主は「承知した」と答え、船を踏み傾け、手を逆さに打って青柴垣に変えて、その中に隠れてしまった》。漁をしていた神様だから、よく鯛を持った姿で描かれる。
※トップ画像は、楽々はがき2009より

しかし《元々は葛城の田の神で、一言主の神格の一部を引き継ぎ、託宣の神の格も持つようになった。このため、葛城王朝において事代主は重要な地位を占めており、現在でも宮中の御巫八神の一つになっている。葛城には、事代主を祀る鴨都波神社(奈良県御所市)があり、賀茂神社(上賀茂神社・下鴨神社)のような全国の鴨(賀茂・加茂など)と名の付く神社の名前の由来となっている》(Wikipedia)とあるように、奈良県(葛城)の神さまだったのだ。

もう1つの説があって、それが蛭子神(ひるこがみ)である。Wikipedia「ヒルコ」によると《『古事記』において国産みの際、イザナギ(伊耶那岐命)とイザナミ(伊耶那美命)との間に生まれた最初の神。しかし、子作りの際に女神であるイザナミから声をかけた事が原因で不具の子に生まれたため、葦の舟に入れられオノゴロ島から流されてしまう。(中略) 流された蛭子神が流れ着いたという伝説は日本各地に残っている。日本沿岸の地域では、漂着物をえびす神として信仰するところが多く、ヒルコがえびす(恵比寿・戎)と習合・同一視されるようになった。ヒルコ(蛭子神、蛭子命)を祭神とする神社は多く、西宮神社(兵庫県西宮市)などで祀られている》。

《ヒルコがえびす神である信仰は古今集注解や、芸能などを通じ、広く、浸透している。蛭子と書いて「えびす」と読むくらい馴染みのあるものだが、恵比寿を祭神とする神社には恵比寿=事代神とするところも多い》(Wikipedia)。

というわけで、どちらかルーツか判然としないのであるが、奈良県民としては断然、事代主神(鴨都波神社が発祥)説をとりたいものである。事代主神は、葛城一言主神社(御所市)にお祀りされている一言主神(ひとことぬしがみ)と同一視されることもある(どちらも託宣の神さまなので)。

いずれにしても、えびすさま、今年は少しでも景気が良くなりますように!

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2 コメント

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Unknown (tama)
2012-01-11 00:46:10
勉強不足なので詳しくは分からないのですが、知り合いに聞いた話では、大阪の恵比寿神社で毎年1月8日に献茶が行われており、その際に使われている水を八坂神社からもって来られるそうです。
八坂神社で祀られているのが、スサノウノミコトでその子孫が大国主命になりその縁で献茶用の水を奉納されているそうです。
古事記を勉強すれば少しは私も分かるようになるのでしょうか?
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周辺知識 (tetsuda)
2012-01-11 22:12:50
tamaさん、コメント有り難うございました。

> 八坂神社で祀られているのが、スサノウノミコトでその子孫が
> 大国主命になりその縁で献茶用の水を奉納されているそうです。

古事記によると、オオクニヌシはスサノオの娘・スセリビメと結婚しました。八坂神社の祭神はスサノオ(牛頭天王=ごずてんのう)です。えびす神(事代主)はオオクニヌシの子なので、これは大いに関係がありますね(スサノオの孫がえびす神)。

> 古事記を勉強すれば少しは私も分かるようになるのでしょうか?

これは『古事記』そのものというより、「周辺知識」ですね。古事記をキッカケに、いろんな神さまのことを勉強すれば、自然と分かるようになります。
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