NHKの新政権誕生後の世論調査では、無党派といわれる支持政党なしの人たちにも「自民党の再生に期待するヒトが65%もいた。」
健全な野党、政権交代可能な野党として自民党の再生を望んでいるヒトが結構多いということだが、自民党総裁選挙までの動きを見ていて“再生は難しいのではないか?”と感じてしまった。
どこが再生困難かということだが、
いまの自民党は、かつての優勝できない名門早稲田大学ラグビーチームを見ているようだ。
早稲田大学ラグビーチームは、1990年に関東大学ラグビー対抗戦グループで優勝して以来2000年までの10年間は明治大学などに勝つことが出来なかった。
ましてや全国大学ラグビーでは2回戦敗退というかつてない負け方だった。
この復活は、2001年に就任した清宮克幸監督の登場で劇的に変わった。
この経緯は、2002年11月に発刊された『「荒ぶる」復活』(清宮克幸著 講談社)を読んで納得した。
ちょうど忘年会で時間より早くついたので本屋に行き偶然手に入れ、待つ間に読んでいたが、 “勝つための理論”を清宮監督は持っていた。
だから、彼が監督の5年間優勝を継続したし、その後の中竹監督時代も優勝を継続することが出来たのだろう。
清宮監督が考え実践した“勝つための理論”とは、こんな内容だった。(清宮さん簡単にまとめすぎてすみません。)
1.出発点は、負けているので、いままでの全てが通用しない。ゼロからの出発をどう共有するかだが、名門早稲田のプライドがありゼロに戻すのが一番難しかったようだ。
2.根性・練習量では変われない。選手個人の戦略眼・スキル・体力を向上させる目標を持ちこれを数値化してレベルアップが確認できるようにした。
① 実際練習時間は2時間だけにしたようであり、これは早稲田ラクビーにとって画期的だろう。だが選手にとっては不安だったろう。
② 練習をフィットネス、ベーシックスキル、チームトレーニングというように三種類にわけ、フィットネスを高めるために例えば3000m走の目標時間を設定して進歩がわかるようにするなど目標の数値化をした。
③ そして、個人ごとにそのレベルに合わせた練習メニューをパソコン上につくり、成長をみんなでも確認できるようにした。
④ もちろん試合の場合は、ビデオを見て得点化していったので、何がよくて何が悪かったかが数値化されるので俯瞰した戦略眼が良くわかる。
3.指導するコーチ陣も“チーム清宮”をつくった。ぞくに適材適所といわれるが、そうではなく清宮監督の目指すところを一緒に担うそれぞれの専門家の集団であり、目標を共有化できないコーチは如何に専門性が高くともいらないということになる。
4.勝つために必要な環境・サポート体制を構築した。湾岸戦争の場合でも、物資の補給体制が戦う以上に重要であり、このロジスティック体制が出来上がったからこそ常勝の基盤が出来る。
① 優秀なマネージャーの確保。多数の選手がいる集団にとってこの役割は重要。
② メディカル部門の充実。トレーナー、理学療法士、ドクターと契約しチーム所属とした。お金のかかることでありこの部分に手を出せないことが多いが、怪我人が少なく、怪我した場合でも復帰が早いということは言われるまでもなくプラスに働く。
③ トレーニングルームをグランドの脇に作り、個人別のフィットネスなどの状況がパソコンに取り込めるシステムを世界初でつくる。
④ 優秀な選手をリクルートする人材確保の体制を構築。
5.環境を整えるための費用は、日本初となるスポンサー契約という新たな手で確保。何をやるにしてもコストがかかるがOB会の寄付など従来の考え方にとらわれていたのでは何も出来ないことになり、従来どおりとなる。
清宮監督は、大学ラグビーというレベルを社会人ラグビーのレベルにその環境を引き上げた経営者であり、だからこそ大学ラグビーに革命をもたらしたのだろう。結果として常勝チームをつくれた。
他大学でもマネをするようになるだろうが、さらに上のレベルに至るには、人材のリクルートとその育成者・育成方法というところにいたる。
自民党総裁選までを見るにつけて、4年で政権を獲得できるようには思えなかった。ひょっとしたら来年の参議院選挙後に分裂し、後期高齢者にも支持されない“老人党”になってしまうのではなかろうかと感じる。
民主党は、明治維新以来の革命を行っている感がする。
ここに共鳴する人々が多いと思うので、多少の政策の失敗だけではつぶせない。ましてや、人心攻撃などの汚い手を使うと“まだわからないのか?”と思うヒトが多いだろう。
正面から“日本の経営をどうするのか”で戦って欲しいが、“できる”のか“出来ない”のかを次にまとめてみることにする。
(次回は、自民党のハードル、クリティカルパス)
健全な野党、政権交代可能な野党として自民党の再生を望んでいるヒトが結構多いということだが、自民党総裁選挙までの動きを見ていて“再生は難しいのではないか?”と感じてしまった。
どこが再生困難かということだが、
いまの自民党は、かつての優勝できない名門早稲田大学ラグビーチームを見ているようだ。
早稲田大学ラグビーチームは、1990年に関東大学ラグビー対抗戦グループで優勝して以来2000年までの10年間は明治大学などに勝つことが出来なかった。
ましてや全国大学ラグビーでは2回戦敗退というかつてない負け方だった。
この復活は、2001年に就任した清宮克幸監督の登場で劇的に変わった。
この経緯は、2002年11月に発刊された『「荒ぶる」復活』(清宮克幸著 講談社)を読んで納得した。
ちょうど忘年会で時間より早くついたので本屋に行き偶然手に入れ、待つ間に読んでいたが、 “勝つための理論”を清宮監督は持っていた。
だから、彼が監督の5年間優勝を継続したし、その後の中竹監督時代も優勝を継続することが出来たのだろう。
清宮監督が考え実践した“勝つための理論”とは、こんな内容だった。(清宮さん簡単にまとめすぎてすみません。)
1.出発点は、負けているので、いままでの全てが通用しない。ゼロからの出発をどう共有するかだが、名門早稲田のプライドがありゼロに戻すのが一番難しかったようだ。
2.根性・練習量では変われない。選手個人の戦略眼・スキル・体力を向上させる目標を持ちこれを数値化してレベルアップが確認できるようにした。
① 実際練習時間は2時間だけにしたようであり、これは早稲田ラクビーにとって画期的だろう。だが選手にとっては不安だったろう。
② 練習をフィットネス、ベーシックスキル、チームトレーニングというように三種類にわけ、フィットネスを高めるために例えば3000m走の目標時間を設定して進歩がわかるようにするなど目標の数値化をした。
③ そして、個人ごとにそのレベルに合わせた練習メニューをパソコン上につくり、成長をみんなでも確認できるようにした。
④ もちろん試合の場合は、ビデオを見て得点化していったので、何がよくて何が悪かったかが数値化されるので俯瞰した戦略眼が良くわかる。
3.指導するコーチ陣も“チーム清宮”をつくった。ぞくに適材適所といわれるが、そうではなく清宮監督の目指すところを一緒に担うそれぞれの専門家の集団であり、目標を共有化できないコーチは如何に専門性が高くともいらないということになる。
4.勝つために必要な環境・サポート体制を構築した。湾岸戦争の場合でも、物資の補給体制が戦う以上に重要であり、このロジスティック体制が出来上がったからこそ常勝の基盤が出来る。
① 優秀なマネージャーの確保。多数の選手がいる集団にとってこの役割は重要。
② メディカル部門の充実。トレーナー、理学療法士、ドクターと契約しチーム所属とした。お金のかかることでありこの部分に手を出せないことが多いが、怪我人が少なく、怪我した場合でも復帰が早いということは言われるまでもなくプラスに働く。
③ トレーニングルームをグランドの脇に作り、個人別のフィットネスなどの状況がパソコンに取り込めるシステムを世界初でつくる。
④ 優秀な選手をリクルートする人材確保の体制を構築。
5.環境を整えるための費用は、日本初となるスポンサー契約という新たな手で確保。何をやるにしてもコストがかかるがOB会の寄付など従来の考え方にとらわれていたのでは何も出来ないことになり、従来どおりとなる。
清宮監督は、大学ラグビーというレベルを社会人ラグビーのレベルにその環境を引き上げた経営者であり、だからこそ大学ラグビーに革命をもたらしたのだろう。結果として常勝チームをつくれた。
他大学でもマネをするようになるだろうが、さらに上のレベルに至るには、人材のリクルートとその育成者・育成方法というところにいたる。
自民党総裁選までを見るにつけて、4年で政権を獲得できるようには思えなかった。ひょっとしたら来年の参議院選挙後に分裂し、後期高齢者にも支持されない“老人党”になってしまうのではなかろうかと感じる。
民主党は、明治維新以来の革命を行っている感がする。
ここに共鳴する人々が多いと思うので、多少の政策の失敗だけではつぶせない。ましてや、人心攻撃などの汚い手を使うと“まだわからないのか?”と思うヒトが多いだろう。
正面から“日本の経営をどうするのか”で戦って欲しいが、“できる”のか“出来ない”のかを次にまとめてみることにする。
(次回は、自民党のハードル、クリティカルパス)
そうです、政治は我々に関係ないと思わせてきたところに大きな問題があったのです。
国民から見れば、ダメなら取り替えることが出来る競い合う政治体制になって欲しいと思いますが、自民党がなれるか共産党が出てくるのか微妙なところのようです。
民主党には頑張って欲しいですね。ライバルが高いレベルほど競争相手もレベル高くなるので、いい政治になるかもわかりません。